南インド・カルナータカ州南西部にある、かつてマイソール藩王国の首都だった町「マイソール(マイスール)Mysore:Mysuru」
街の中心にある市場「デヴァラジマーケット」の一角に、マイソールの銘菓「マイソールパク」を販売するお店『Guru Sweet Mart』は、あります。
マイソールの銘菓「マイソールパク」の本家本元のお店『Guru Sweet Mart』
『Guru Sweet Mart』の外観
こちらが、『Guru Sweet Mart』の外観。
「デヴァラジマーケット」の南東の角にあります。
小さな店舗にはミタイが山積み
小さな店舗には、マイソールパクを始め、たくさんの種類のミタイ(インドスイーツ)が山積み。
マイソール藩王国時代から70年以上も、お店はこの場所でマイソールパクを売り続けています。
お客さんでごった返す窓口
インド屈指の銘菓であるマイソールパクを購入しようと、窓口は大勢のお客さんでごった返していました。
さて、ここで「マイソールパク」とはどんなお菓子なのか、また、誕生した経緯についてもご紹介します。
マイソールパクとは?
「マイソールパク(Mysore pak)」は、グラム粉(ベサン粉)、ギー、砂糖で作られるマイソール生まれのお菓子。
口の中で溶けるような食感が特徴で、インド全土のみならず、パキスタンやバングラデシュでも食べられている人気のスイーツです。
「マイソールパク」の誕生は1935年。名君と言われたマハラジャ「クリシュナ・ラージャ・ワディヤル4世」の時代に生まれました。
発明したのは、当時の王室料理長であった「カカスラ・マダッパ(Kakasura Madappa)」という人物。マダッパは、王を喜ばせるため、グラム粉とギー、砂糖を使って柔らかい混合物「パカ」を作り出します。これが、マイソールパクの語源となったと言われています。
献上された「パカ」を食べた王は、その味をいたく気に入り、宮殿の敷地の外にお菓子屋を開くようにマダッパに依頼。マダッパは、宮殿の敷地のすぐ北、デヴァラジマーケットの南端に『Guru Sweet Mart』をオープンさせました。
以後、マイソールパクの美味しさは広く知られるようになり、インド全土で作られるようになりましたが、マイソールにある本家本元の『Guru Sweet Mart』はマダッパの生み出したオリジナルのレシピを守り続け、現在ではマダッパの曾孫であるクマールとシヴァナンドがその伝統を受け継ぎ、オリジナルの味を提供し続けているのだとのこと。
『Guru Sweet Mart』でマイソールパクを購入する
カウンター店の右にある広めの店舗
こちらもお客さんで大盛況
カウンターの店舗は大混雑で、購入出来そうもない雰囲気だったので、隣にある広めの店舗に行ってみました。こちらも『Guru Sweet Mart』の店舗です。
こちらの店舗は、ケーキ屋さんのようなショーケースがあり、贈答用の大量買いも出来そうな感じでした。
しかしながら、ここもお客さんで大混雑!
我先にと手を出し、スタッフに声を掛けるお客さんたち
列や順番など関係なく、我先にと手を出し、スタッフに声を掛けるお客さんたち。
お客さんの波をかき分け、横から割り込みしてくる人を抑えつつ、大声で買いたいものを伝える必要があります。
「GHEE MYSORE PAK」「BADAM MYSORE PAK」「DRY FRUIT MYSORE PAK」
「KAJU MYSORE PAK」
お店のショーケースを見ると、『Guru Sweet Mart』で売られている「マイソールパク」は6種類ありました。
- GHEE MYSORE PAK
- GHEE & MILK MYSORE PAK
- JAGGERY MYSORE PAK
- BADAM MYSORE PAK
- DRY FRUIT MYSORE PAK
- KAJU MYSORE PAK
「JAGGERY」は黒糖入り、「BADAM」はアーモンド入り、「KAJU」はカシューナッツ入りです。
お店では試食も出来るとのことですが、そんな余裕は無く、押してくる人波のプレッシャーを感じながら選んだのは、「GHEE & MILK MYSORE PAK」と「JAGGERY MYSORE PAK」の2品(₹180)。
少量でしたが、箱詰めしてもらい、ホテルに戻ってからいただくことにしました。
バルフィやラドゥなど、その他のミタイもたくさんあり
店内には、バルフィやラドゥなど、その他のミタイもたくさん売られていましたが、このお店に来て「マイソールパク」を選ばないことなんて考えられません!
『Guru Sweet Mart』の「マイソールパク」を賞味
購入した「マイソールパク」
こちらが、購入した「マイソールパク」
箱の横には、ライトアップされた「マイソールパレス」の写真が掲載されています。
「GHEE & MILK MYSORE PAK」と「JAGGERY MYSORE PAK」
いただいた「GHEE & MILK MYSORE PAK」と「JAGGERY MYSORE PAK」のお味は、まさに絶品でした!
甘過ぎない上品な甘さ。口の中でシュッと溶けるような高貴さを感じさせる食感。優しいミルキーな風味の「GHEE & MILK MYSORE PAK」も良いですが、黒糖の素朴な甘さが仄かに感じられる「JAGGERY MYSORE PAK」が個人的にヒット!
とにかく、数あるミタイ(インドスイーツ)の中でも、他とはレベルの違う完成度と美味しさです。
グラム粉(ベサン粉)、ギー、砂糖というシンプルな材料で作られる「マイソールパク」ですが、それを煮詰めて作られる「パカシロップ」の作り方は、ごく少数の料理人だけが習得できる熟練の技なのだそう。
オリジナルのレシピを受け継いだ『Guru Sweet Mart』の「マイソールパク」
マイソールのこのお店でしか食べられない、マイソールを訪れたら必食の一品です。
『Guru Sweet Mart』の住所・営業時間
- 住所:Shop No: 1, Devaraja Market Building, Near K.R. Circle, Sayyaji Rao Rd, Devaraja Mohalla, Mysuru, Karnataka 570001 インド
- 電話:+919448609059
- 営業時間:8:30~22:30
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