トビリシの歴史
ジョージア(グルジア)の首都「トビリシ」(Tbilisi:თბილისი)
この地に町が造られたのは5世紀のこととされています。
町を建設したのは、イベリア王国の「ワフタング・ゴルガサリ王」
言い伝えでは、「ワフタング・ゴルガサリ王」がこの地で狩りをしていた時、飛ばしていた鷹が雉を追っていなくなってしまったのだとのこと。
従者たちが探し回ると、鷹も雉も温泉に落ちていました。
温泉を見つけた王は、それをいたく気に入り、この地に町を建設するように命じました。
これが、トビリシの町発祥の由来です。
ちなみに、グルジアの古語で「トピリ」(Tpili)とは”温かい”を意味しており、それが「トビリシ」の町の名前の語源であるとされています。
以後、6世紀から現在に至るまで、ジョージア(グルジア)を支配した王朝はすべてこの町に都を置きました。
朝のトビリシ、アブラヴァリ界隈を歩く
Log inn Hotelの朝食
日本から首都トビリシに到着してすぐに北西部の地方都市「メスティア」に向かったため、前日に夜の「ルスタヴェリ大通り」と「コテ・アブハズィ通り」を歩いた以外、トビリシの街はまだあまり見ていませんでした。
この日は、トビリシの街観光とお土産を探し周るということで、早起き!
ホテルで簡単な朝食を済ませると、さっそく街歩きに出発です。
アブラヴァリ界隈のお店
アブラヴァリ界隈のスイカ屋さん
宿のある「アブラヴァリ」(Avlabari)界隈から歩き始めます。
朝の街の風情。徐々にお店が開き始めています。
アブラヴァリ駅
アブラヴァリ駅の風景
休日だったため通勤ラッシュなどはありませんでしたが、アブラヴァリの駅前はすでにそれなりの人通り、車通り。
アブラヴァリの教会
駅を抜け、西に向かって少し歩くと、教会がありました。
教会の名前はわからないですが、中に入ってみると・・・。
教会の内部で行われていたミサ
ミサが行われていました!
参列していたのは1家族のみ。
厳かなミサの様子。
静かな堂内に聖歌の歌声が響き渡ります。
見事な歌声です。
アブラヴァリ界隈の建物
ミサを眺めたあと、アブラヴァリ界隈を散策します。
木製の出窓のあるトルコやアラブに似た建物をいくつも見かけます。
そして、しばらく歩いて行くと・・・、
オブジェのような建物の並ぶ「リケ公園」のパノラマ
リケ公園(Rike Park:რიყის პარკი)と平和橋(Bridge of Peace:მშვიდობის ხიდი)
「リケ公園」(Rike Park:რიყის პარკი)のパノラマが目の前に現れました!
正面に見える橋は、「平和橋」(Bridge of Peace:მშვიდობის ხიდი)
その向こうに見える山は、「ムタツミンダ山」(Mt. Mtatsminda:მთაწმინდა)です。
リケ公園の眺め。右の銀色のは展示場の建物
リケ公園の風景。ロープウェイ乗り場とナリカラ要塞、メテヒ教会
インパクトのある展示場の建物
「リケ公園」は、近年できた新しい公園です。
園内には、銀色の土管みたいな展示場の建物や「平和橋」など、モダンでインパクトのある建物が建てられています。
平和橋(Bridge of Peace:მშვიდობის ხიდი)
「平和橋」(Bridge of Peace:მშვიდობის ხიდი)です。
2010年に造られた歩行者用の橋で、イタリアの建築家「ミケーレ・デ・ルッキ」(Michel De Lucchi)のデザインであるとのこと。
リケ公園のパノラマ
近くから見た「平和橋」
展示場と大統領官邸
朝早いということもあったのでしょうが、「リケ公園」は人の姿も少なく、ガラーンとした印象でした。
けれども、公園はかなり整備が行き届いているようで、植木を手入れしたり、清掃をしている係員の姿を見かけました。
ロープウェイ乗り場(運休中)
こちらは、「ナリカラ要塞」とを結ぶロープウェイの乗り場です。
このロープウェイ、眼下にトビリシのパノラマを見渡せるということで、かなりの人気の乗り物なのだそうですが、残念ながらこの日は運休中。
実は、このロープウェイに乗って「ナリカラ要塞」に行こうと思っていたのですが、プランBを考えなくてはならなくなりました。
ロープウェイとナリカラ要塞
ロープウェイの乗り場のところに木組みの作業台が造られています。
どうやら改修工事中のようです。
ロープエイの向こうの山の上に見えるのが「ナリカラ要塞」。
タクシーで「ナリカラ要塞」へ。トビリシ旧市街のパノラマを堪能
メテヒ橋から見た旧市街とナリカラ要塞
さて、ロープウェイが使えなくなったので、どうしようかと考えます。
歩いて登ってもいいのですが、意外と時間がかかりそう。
と、なればタクシーです!
ナリカラ要塞(Narikala:ნარიყალა)
とりあえず、「ナリカラ要塞」のふもとの「ゴルガサリ広場」まで歩いていって、タクシーを捕まえます。
上の写真は「ゴルガサリ広場」から見た「ナリカラ要塞」の全容。
ほどなくして、タクシーは捕まりました。
おじさんドライバーに「ナリカラ要塞に行きたい」旨を伝えると、びっくりしたことに、行ったことがない様子。
おじさん、いろんな人に「ナリカラ要塞」までの行き方を聞いて回っていました。
「ナリカラ要塞」へは、「ゴルガサリ広場」の脇の、かなり急な坂道を登っていきます。
相当急な坂道で、一度、タクシーは登れなくなってしまい、改めてエンジンを思いっきり吹かして再挑戦。
なんとか「ナリカラ要塞」に辿り着くことができました。
タクシーの運転手(ナリカラ要塞)
「ナリカラ要塞」までは10分もかからない距離。
料金は4Gel(200円)でした。
写真は、何とか「ナリカラ要塞」に辿り着き、ホッとひと息といった感じで一服するおじさんの図。
「ナリカラ要塞」の入り口から見たトビリシ旧市街
「ナリカラ要塞」の入り口から見たトビリシ旧市街の風景です。
町の中央を流れる「ムトゥクヴァリ川」、手前には「ゴルガサリ広場」があり、「メテヒ橋」と「平和橋」が川を跨いでいて、川向こうには「メテヒ教会」と「リケ公園」があります。
「メテヒ教会」の向こうにはアブラヴァリ地区があり、奥には「ツミンダ・サメバ大聖堂」の姿も見えます。
素晴らしい眺めです★
メテヒ教会とその向こうにツミンダ・サメバ教会とアブラヴァリ駅が見える。
ムトゥクヴァリ川とリケ公園
トビリシ旧市街のパノラマ
しばし、トビリシ旧市街のパノラマを鑑賞★
川が流れていて、起伏があって、歴史的な建造物とモダンな建物が調和している。
規模はちょっと小さい感じだけど、ハンガリーのブダペストやフランスのパリにも似た風情の街並みです。
ムトゥクヴァリ川とトビリシの街並み
メテヒ教会とツミンダ・サメバ大聖堂
トビリシの街並み
トビリシは、グルジア正教の町。
要塞からは、とんがり屋根のドームを持った教会の姿をいくつも見ることができます。
手前のドームが公衆浴場「アバノトウバニ」(Abanotubani)
「ナリカラ要塞」の眼下には、公衆浴場「アバノトウバニ」(Abanotubani)のドームも見えました。
「ハマム」とも呼ばれるこの公衆浴場は、17世紀から存在する天然硫黄温泉の大浴場。
街中に温泉があり、美味しいワインを飲めるというところ、ハンガリーのブダペストにそっくりです。
ナリカラ要塞
さてさて、そろそろ「ナリカラ要塞」の内部に入ってみましょうか。
「ナリカラ要塞」は、5世紀にトビリシを守るために創建された要塞です。
日干しレンガ造りの城砦はなかなかの立派さ。
夜は美しくライトアップされます。
ナリカラ要塞の入り口
入り口から要塞の中に入ります。
入り口から石畳の坂道を登り城内へと入っていきます。
ナリカラ要塞の内部
ナリカラ要塞内の十字架
19世紀に要塞内の火薬庫が爆発し、内部にあった多くの建物が失われたそうで、内部は廃墟同然。
建物と呼べる建物は、城内にある教会「聖ニコロズ教会」だけです。
トビリシの街並み
「ナリカラ要塞」の城内からは、先ほどの城の入り口からの眺めよりもさらに高みから、広がりを持ったパノラマが見渡せます。
「ムトゥクヴァリ川(クラ川)」(Mtkvari river:მტკვარი)の流れに沿って造られたトビリシの町。町は北西から南東に広がっていて、三方を山や小高い丘に囲まれています。
人口は140万人です。
ナリカラ要塞内の教会「聖ニコロズ教会」
「聖ニコロズ教会」の内部
イコンがたくさん!
ナリカラ要塞内にある教会「聖ニコロズ教会」です。
十字型のバシリカの建物に円筒形のドラムが乗っかり、その上にとんがり屋根があるジョージア(グルジア)の教会建築お馴染みのスタイル。
内部は彩色されたフレスコ画で埋め尽くされています。
教会内には、聖職者の方がいました。
きちんと管理されている様子。参拝する信者も多いみたいです。
ナリカラ要塞
「ナリカラ要塞」の城壁のさらに上へと登ってみます。
城壁の上から尾根伝いに進んで行こうと思ったのですが、残念ながら城壁からは出られず。
結局、元来た道を引き返すことになりました。
城壁の上からトビリシを眺める。
城壁の上から眺めたトビリシの街並み
「ナリカラ要塞」の城壁の上から眺めたトビリシの街並みです。
先ほどの城内からよりも、さらに高みからの雄大なパノラマが見渡せました★
5世紀のゴルガサリ王のイベリア王国に始まり、ササン朝ペルシャ、東ローマ帝国、ウマイヤ朝アラブ、セルジューク朝トルコ、タマル女王によるグルジア王国、モンゴル、ティムール、サファヴィー朝イラン、帝政ロシア、ソビエト連邦など、様々な王朝や民族に支配されてきた文明の十字路である「トビリシ」の町。
そんな歴史を思い、しばし感慨に耽りました。
アブラヴァリからナリカラ要塞へ
さて、そろそろ麓に下りて、町の中心「ルスタヴェリ大通り」へと向かいましょう。
次回は、ジョージア(グルジア)を代表する画家「ピロスマニ」の絵を見に行きます。
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