ジョージア(グルジア)の首都「トビリシ」(Tbilisi:თბილისი)散歩。
ナリカラ要塞でトビリシの街のパノラマを眺めた後、「コテ・アブハズィ通り」を歩いて「自由広場」へと向かいます。
「自由広場」は、トビリシの目抜き通りである「ルスタヴェリ大通り」の南の起点。
「自由広場」は、ソビエト崩壊後に起こった軍事クーデターや2003年11月の「バラ革命」の舞台ともなった場所で、ソビエト時代は「レーニン広場」と呼ばれていたのだそうです。
ダンキンドーナツでひと休みして、ルスタヴェリ大通りを北へ
自由広場の角には、ダンキンドーナツの店舗があります。
朝から、アブラヴァリ〜リケ公園〜ゴルガサリ広場〜ナリカラ要塞〜コテ・アブハズィ通り〜自由広場と歩き詰めだったので、ここでひと休み。
ダンキンドーナツの店舗は、どことなく日本のスターバックスの店舗に似たスタイリッシュでお洒落な空間となっていました。
店内には、お洒落っぽいカップルがいたり、パソコンをカタカタといじっている若者がいたり、スーツ姿のビジネスマンが休んでいたりと、日本のカフェと変わらない風景。
気持ちの良い空間でコーヒーとドーナツをいただきながら、しばし休憩します。
ひと休みして鋭気を養った後、再びトビリシ街歩き。
自由広場の一角にある「プーシキン広場」を訪れます。
ここにはツーリストインフォメーションセンターがあり、ちょっとここで聞いてみたいことがあったのです。
ツーリストインフォメーションセンターでは、女性スタッフが対応してくれました。
聞きたかったこととは、ジョージアの民族音楽やポップスなどのコンサートを聴ける場所やスケジュールについて。
けれども、残念ながら滞在中はコンサートの予定はなく、帰国した次の週に民族音楽の祭典が行われるとのことでした。
仕方ないので音楽を聴くのはあきらめ、再び街を歩き始めます。
プーシキン広場は市民の憩いの場、緑の木々がたくさん植えられており、大きな噴水があって、インフォメーションセンターの他に、コーヒーやタバコを売るキオスクがあります。
市内バスやマルシュルートカの乗り場も公園の傍にありました。
プーシキン広場を出て、ルスタヴェリ大通りを北西に向かって歩き始めます。
通りの東側には、国立博物館や映画館があります。
映画館で上映されていたのは、ほとんどがハリウッド映画でした。
通りの反対側には、国会議事堂が見えます。
正面に列柱が並ぶ、アテネのパルテノン神殿を彷彿とさせるような立派な建物です。
しばらく道なりに進むと、教会が現れました。
「カシュヴェティ教会」です。
「カシュヴェティ教会」は、ダヴィッド・ガレジャが6世紀に創建したという教会。
「カシュヴェティ」は「石の誕生」の意味だそうで、修道女がガレシャの子を身籠ったと嘘をついたため、石が生まれたという伝説が残っているのだとのこと。
現在ある建物は1910年にグルジアの資本家の寄付によって再建されたものであるそうです。
内部には地下礼拝堂があり、イコンなどが飾られています。
ジョージア(グルジア)では、多くの人がグルジア正教会のキリスト教を信仰しています。
グルジア正教会の伝承によると、グルジアのキリスト教は、使徒熱心党のシモンとアンデレによって1世紀に宣教されたのが始まりであるとのこと。
史実として確かなのは、4世紀のカッパドキアの聖ニノによる布教が最初。
以後、グルジア人は正教会のキリスト教を信仰するようになり、度重なるイスラム教徒の侵攻にも拘らず、キリスト教徒であり続けたのだそうです。
現在でもグルジア人たちの信仰は篤く、若い人たちも教会の前では十字を切っていました。
国立美術館で、グルジアの国民的画家「ニコ・ピロスマニ」の絵を見る
「カシュヴェティ教会」を出て少し歩くと、右手にあるのが「国立美術館」(ナショナルギャラリー)
この美術館では観たいものがありました。
グルジアの国民的画家「ニコ・ピロスマニ」(Niko Pirosmani:ნიკო ფიროსმანაშვილი)の絵です。
大通りの裏手にある入り口から中に入り、ロビーにてチケットを購入(5Gel:250円)。2階のギャラリーへと向かいます。
2011年にリニューアルオープンした建物はとてもモダンで綺麗。
ギャラリーには、20世紀初頭からのグルジア人画家の作品がたくさん展示されています。
全体的に画風は暗め。素朴な農村の様子や陰鬱な都会の風景を描いた作品が印象に残りました。
さて、お目当ての「ニコ・ピロスマニ」のギャラリーへと向かいます。
ナショナルギャラリーには、ピロスマニの作品がたくさん展示されていて、彼の代表作は概ねここで見ることができます。
ギャラリーの様子です。
ほとんどお客さんがおらず、観ている間、誰ひとりとして入って来なかったので、プライベート気分で鑑賞することができました。
「ニコ・ピロスマニ」(1862〜1918)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したグルジアの画家です。
グルジア東部のミルザーニの村で生まれ、若い頃はグルジア鉄道で働いたり、自分の商店を経営したりしたそうですが、うまくいかず、その後独学で習得した絵の制作に没頭していったそうです。
ピロスマニの絵の主題は、動物たちやグルジアの人々の生活が中心。暗い絵の具を多用した素朴な画風が特徴で、プリミティヴィズム(原始主義)あるいは素朴派(ナイーブ・アート)の画家に分類されています。
グルジアを放浪して絵を描きながらその日暮らしを続けたそうです。
彼の絵は一旦はロシアの美術界に注目されましたが、その後、幼稚であるという批判にさらされます。
そして、1918年。彼は失意のうちにその生涯を終えることとなるのです。
左上の絵は、ピロスマニの代表作「女優マルガリータ」です。
加藤登紀子が歌ってヒットさせた「百万本のバラ」の画家の題材ともなった作品。
Wikipediaには、この絵について以下のようなエピソードが書かれています。
ピロスマニは、1894年に彼の町を訪れたフランス人女優マルガリータとのロマンチックな出会いで知られている。彼女を深く愛したピロスマニは、その愛を示すために彼女の泊まるホテルの前の広場を花で埋め尽くしたという。この伝説はアンドレイ・ヴォズネセンスキーの詩によって有名になり、歌となってヒットした。その後、放浪の旅にでたピロスマニは15年後に『女優マルガリータ』を描いた。
ニコ・ピロスマニ – Wikipedia
ピロスマニは、その死後、グルジアの国民的画家として愛されるようになりました。
グルジアだけでなく、ロシアをはじめとした旧ソビエト各国にも広く知られ、映画化もされています。
グルジアの1ラリ紙幣には彼の肖像画が使われています。
見応えのあるピロスマニの絵を心ゆくまで鑑賞して大満足★
お土産にロビーに併設されていたショップでポストカードを購入しました。
国立美術館(ナショナルギャラリー)の外観です。
美術館の裏手は広々とした公園になっています。
公園のベンチに座ってひと休み。
しばし、ピロスマニの絵とその生涯について想いを馳せます。
静かな公園には、カップルの姿があったり、老人がひとりでぼんやりと佇んでいる姿などがありました。
美術館を後にし、再びルスタヴェリ大通りを北西に進みます。
そろそろお昼時、お腹も空いてきました。
ランチは、ルスタヴェリ大通りの北の基点「バラ革命広場」の一角にあるマクドナルドで。
さてさて、ジョージア(グルジア)のマクドナルドってどんな感じなのでしょうか。
気になります。
注文したのは、ちょつとリッチなハンバーガーとサラダ、フライドポテト、オレンジジュース。
17.35Gel(868円)なのでそこそこのお値段です。
サラダは日本にないタイプで結構ボリュームありました。
ハンバーガーもお肉が大きくて満足。
店内は日本のマクドナルドと変わらない感じで、ポップでおしゃれな雰囲気。
お客さんも若者を中心にかなり入っていて人気があることが窺えます。
食後は一旦ホテルへ。
メトロに乗ってアブラヴァリへと戻ります。
ICカードで自動改札を抜けて。
長〜いエスカレーターを降りていって。
二駅先のアブラヴァリ駅で下車。
歩いて5分ほどのホテルへ。
ホテルで少し休んだあと、トビリシ名物の温泉、ハマムに入りに向かいます♨️
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