南インド、タミル・ナードゥ(Tamil Nadu:தமிழ்நாடு)の旅。
聖地「ラーメシュワラム」からバスに乗って、古都「マドゥライ」に到着しました。
ランチをいただいた後、午後は、マドゥライ名産品である手織り(ハンドルーム)タオルの工房「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」に訪問します★
マドゥライのホテル「ロイヤル・コート(Royal Court)」
宿泊していたホテル「Royal Court(ロイヤルコート)」の前の大通りでリキシャを捕まえ、手織りタオルのお店「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」へと向かいます。
リキシャの運ちゃんに、事前にネットで調べておいたタオル工房の住所と場所を見せ、出発。途中ちょっと迷ったものの、人に聞きつつリキシャの運ちゃん、目的地のお店まで連れて行ってくれました!
リキシャは15分ほどでお店に到着。運賃はRs.120(183円)でした。
サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル(SARASWATHI HANDLOOM TEXTILES)の店舗でタオルを物色♪
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の販売店舗
こちらが、「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル(SARASWATHI HANDLOOM TEXTILES)」の販売店舗です。
マドゥライは、インドコットンのハンドルーム(手織り)タオルの生産で有名であるとのこと。
そんなことは全然知らなかったのですが、KAIRASというユニットが出版した「持ち帰りたいインド」という本に、このハンドルームタオルの工房のことが紹介されていて、ぜひ、訪問してみたいと思ったのです。
そこで、ネットで店舗の名前を突き止め、GoogleMapで場所を探し、今回、お店に辿り着くことができたというわけです。
お店の前を牛がうろついていました。
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の店舗の場所は、マドゥライの町を東西に流れるヴァイハイ川の北、セルラー地区にあります。
リキシャを降り、さっそく店舗の中へ。
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の店内
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の店内です。
お店に入り、タオルを買いに来たと伝えると、さっそく店員さんがやってきて2階の倉庫に案内してくれました。
2階の倉庫を見せてもらい、購入するタオルを物色
2階の倉庫に入ると、そこには大量のタオルの山が!
棚にも床にも、サイズ、色、柄など様々なタオルが盛り沢山!
さっそく、購入するタオルの物色開始です★
様々な大きさや柄のタオルがあります。
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の紹介パネル
いろいろなタオルを見せてもらい、購入するタオルを検討。
色違い、柄違い、サイズ違いの品があるかと聞くと、店員さんはタオルの山の中を探し、引っ張り出してきてくれました。
検討の上、購入したのが↓のタオルです。
購入したハンドルームタオル。4種類のタオルを合計15枚購入♪
購入したタオル。魚や孔雀、花などの図柄4色
購入したタオル。カラフルなストライプ柄
購入したタオル。細かなギンガムチェック柄
購入したタオル。一番シンプルでスタンダードなタイプ
4種類のタオルを合計15枚購入♪
料金は合計でRs.1,114(1,700円)。安い!
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル(SARASWATHI HANDLOOM TEXTILES)」のタオルは、インドコットンを手で紡ぎ、織り機で手織りして作られているハンドルームタオル。
「持ち帰りたいインド」という本の紹介や、ネットでの情報によると、かなり使い心地がよいと評判なので、実際に使ってみるのが楽しみです♪
タオル工房を見せてもらうため、店内で待ちます。
タオルを購入したからには、実際にタオルを手織りしている工房を見てみたいもの。
「持ち帰りたいインド」という本にも、昔ながらの手織り機でタオルを織っている工房の様子が紹介されていて、ぜひ見たいと思っていました。
店員さんに「工房を見学したい」と言うと、オーナーに聞いてみるとのこと。
そこで、店員さんと一緒にオーナーにお願いしに行くと、今は昼休みなので15時にならないと工場が始まらないので、ちょっと待って欲しいとのことです。
15時まで30分以上時間がありましたが、店内に座って待つことにしました。
お店の前を歩く牛たち
そして、15時半過ぎ、オーナーからようやく声が掛かり、店員さんが工房に案内してくれることに。
結局1時間くらい待つこととなりましたが、オーナーは「待たせてしまってごめんね」と声を掛けてくれました。
手織りコットンタオル工房を見学♪インダス文明時代から変わらぬ技法で作られ続けるハンドルームタオル
お店から徒歩1分。「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の工房
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の工房は、お店から歩いて1分ほど。
すぐ近くにありました♪
さっそく、工房の中に入らせてもらうことに。
チャルカ(糸車)を回す職人たち
たくさんの職人たちがチャルカを回し続けています。
入り口を入ると、廊下部分にチャルカ(糸車)を回す職人たちが並んでいました。
マハトマ・ガンディーが自ら使い、インド独立の象徴ともなったチャルカ。
いきなり、インドの文化の真髄を目の当たりにする感じ。
工房の中に入ってびっくり!ズラリと織り機が並んでいました!
こちらが、タオル工房の内部です。
意外と広い内部には、クラシカルな木製の織り機がずらりと並び、たくさんの職人さんたちが軽快な音を立てながら、黙々と織り機を動かし続けていました。
その光景は、圧巻のひと言★
織り機でタオルを織る職人さんたち
タオル工房の伝統的な機織り作業の様子
コットン(木綿)は、インドにとって、文化的にも民族的にも国家的にも、最も大事な産品のひとつ。紡績や機織りの技法は約五千年前のインダス文明時代に生まれ、現在でもその技術が受け継がれています。
以後、古代から近世にかけて、インドは世界最大の綿織物の生産地でした。
インドの人々は綿花を栽培し、木綿を紡ぎ、機織りした織物を交易によってヨーロッパに提供しました。綿織物はインド最大の産業だったのです。
そんな状況を一変させたのが、18世紀半ばから始まった産業革命とイギリスのインド植民地支配です。
イギリスは紡績機で大量生産された綿布をインドに無税で輸出。インド産の綿布は関税が吊り上げられたため売れなくなり、その結果、インドの綿織物産業は衰退していくこととなります。
イギリスの植民地運営により、インドは原綿だけを供給することを強いられ、イギリスで製造した織物を購入することを強制されることとなったのです。
クラシカルなスタイルの織り機
チャルカを回すおばあちゃん
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」は1951年に操業を開始したのだそう。
そんなインドの状況を憂い、イギリス支配からの独立を求めて立ち上がったのが、マハトマ・ガンディーでした。
彼は、イギリス植民地支配への抵抗のシンボルとして「チャルカ(糸車)」を用い、インドの人々と世界に向かってアピールしました。
チャルカで紡ぎ、手織りで作られたインド産の手織り綿布は、インダス文明時代から続くインドの産業の象徴であり、イギリス植民地支配によって奪われたものの代表でもあったのです。
インドはコットンの生産世界第二位です。
インダス文明時代に生まれ、現在でも使われ続けている紡績や機織りの技法
機織りに使われるスピンドル
ガンディーは、独立運動時代、インド各地を歩いて、人々に手紡ぎ、手織りの布を作ることを奨励しました。そうして広められた手紡ぎ手織り布「カディ・コットン(Khadi Cotton)」は、人々に仕事を与え、自立を促し、団結させ、インドの独立に貢献したと考えられています。
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の操業開始はインドの独立から4年後の1951年。この工房も、ガンディーの運動のたまもののひとつです。
カメラを向けると照れ臭そうに笑顔を見せるおばちゃん
工房では、たくさんの職人さんがクラシカルな織り機を黙々と動かし、作業をしておりました。
カメラを向けると照れ臭そうに笑顔を見せる人がいれば、ちらりと一瞥しただけで黙々と仕事に没頭する人がいたり。
職人さんは、女性が大半でしたが男性もちらほらいて、年代は40代〜80代くらいまで。ベテラン揃いの様子です。
黙々と真剣に作業しているおばちゃん
タオルを織る職人さんは女性が多いです。
見事な織り機捌き!
見てください!上の動画。見事な織り機捌きです★
操業以来60年、インド全土で数千年。このような光景が毎日のように行われてきたのでしょう。
無心に織り機を動かし続けます。
「日本の本で紹介されているらしいわよ」などと、所々で女性たちが話していました。
自分たちが写真を撮っているのを見て、所々で作業している女性たちから「日本の本で紹介されているらしいわよ」などというような会話が聴こえてきます。
そう言えば、店舗で待っている時、オーナーがお店に置かれた「持ち帰りたいインド」という本を見せてくれました。
この本の紹介を見て、時々日本人がタオルを買いに店舗に訪れることがあるのだそう。
渋い感じの男性の職人さん
60年変わらない工房の佇まい。
5000年の歴史を持つインドの手織り技術を継承する人たち
「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」の工房の様子
インドのカディ・コットン・タオルの工房を見ることができて満足!
5000年の歴史を持つインドの手織り綿布の工房の様子。かなり見応えがありました。
インドの文化の真髄のひとつを見た感じで、ちょっと感動です★
工房の様子を見せてくれた、「サラスワティ・ハンドルーム・テキスタイル」のオーナーと職人さんたちに感謝です♪
リキシャに乗ってホテルへ
工房を出た後は、リキシャに乗って一旦ホテルに戻り(Rs.100:152円)、購入したタオルを部屋に置いた後、歩いてマドゥライの象徴とも言える寺院「ミーナークシー・アンマン寺院」へと向かいます。
マドゥライMAP
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