インドで一番豪華なマハラジャの宮殿「マイソールパレス」|内部の様子と夜のライトアップ

マイソールパレス(夜) エスニックな旅
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南インド・カルナータカ州第二の都市「マイソール(マイスール)Mysore:Mysuru」

14世紀からイギリス間接統治下の20世紀中頃にかけて、インドの中でも屈指の繁栄を謳歌した「マイソール王国」の首都だった町です。

この町の中心部にある「マイソールパレス」は、インド一の規模と豪華さで知られている宮殿。年間300万人を超える観光客が訪れる、タージ・マハルに次ぐインドで最も有名な観光名所の1つです。

今回は、日中に訪れた「マイソールパレス」の内部の様子と、夜に鑑賞した「マイソール宮殿」のライトアップの模様について、豊富な写真や動画を混じえてご紹介します。

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「マイソールパレス」とは?

マイソールパレス(マイソール)「マイソールパレス」の全景

 

「マイソールパレス(アンバ・ヴィラス宮殿)」(Mysore Palace:Amba Vilas Palace)は、マイソール王国の「オデヤ王朝(ウォディヤール)」の宮殿で王室の住居だった建物です。

「オデヤ王朝」は、マイソール王国の歴史において、その大部分の期間を統治した王朝。特に、イギリス間接統治下の藩王国時代にマハラジャとなったクリシュナ・ラージャ4世は、開明的で近代的思考を持った人物であり、マイソールの近代化に大きく貢献した名君として知られています。

現在ある宮殿は、1912年に建造された建物です。

1897年、火事によって木造の旧宮殿が消失すると、クリシュナ・ラージャ4世はイギリス人建築家のヘンリー・アーウィンに新しい宮殿の設計を依頼。

アーウィンは、イスラム、ラージプート、ゴシック建築の要素を取り入れたインド・サラセン様式の建物を設計し、1897年に着工、1912年に完成しました。建設費は約3,000万ドルと言われています。

「マイソールパレス」は現在もオデヤ家が所有しているものの、管理はカルナータカ州政府によって行われており、博物館として一般公開されています。

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『マイソールパレス』の場所と入場料・営業時間

「マイソールパレス」は、マイソールの町の中心にあります。

500㎡四方ほどもある広大な敷地には、東西南北に入り口がありますが、一般の観光客が入場できる入り口は南側のみ。

マイソールパレス(マイソール)「マイソールパレス」の入場料

 

宮殿の開館時間は毎日10:00〜17:30

宮殿は日曜日の夜19:00〜20:00にライトアップされ、宮殿の敷地内に無料で入ることができます(建物内は不可)。

平日および土曜の夜には、英語もしくはカンナダ語による Sound & Light Program も開催されています。

日中のマイソール宮殿の入場料は、外国人は1,000ルピー(インド人は120ルピー)です。

「マイソールパレス」の概要

  • 開館時間:10:00〜17:30 ※日曜のライトアップ時(19:00〜20:00)は、敷地内に無料で入場可能
  • 入場料:1,000ルピー(外国人)
  • HP:mysorepalace.karnataka.gov.in
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豪華絢爛!日中に訪れた『マイソールパレス』の内部の様子

マイソールパレス(マイソール)「マイソールパレス」の入り口

 

「マイソールパレス」へは、日曜の午後3時過ぎに訪問。

日曜のこの時間帯、入り口のゲートの前には長い行列が出来ていました。

炎天下の中、約40分待つことに。

並んでいる客は9割9分、インド国内から来たインド人観光客です。

40分後、ようやく順番が回り、インド人の10倍の外国人料金(1,000ルピー)を支払ってチケットを購入。宮殿の敷地内へと入場しました。

マイソールパレス(マイソール)前方に見えるのが「マイソールパレス」

 

敷地内に入ると、すぐ左手の方向にトイレがあります。

宮殿の建物内にはないので、行きたい人はここで行っておくと良いでしょう。

敷地内は大勢の観光客で混雑しています。前方に見える宮殿の建物へと向かいます。

マイソールパレス(マイソール)靴預かり所の前に居たインド人女学生の集団

 

宮殿内は土足厳禁。宮殿の入り口に靴預かり所があるので、そこで靴を脱いで預ける必要があります。荷物を預ける必要はありません。カメラやスマホの持ち込みもOKです。

写真は、靴預かり所の前に居たインド人女学生の集団。

見慣れない東洋人に興味津々です。

マイソールパレス(マイソール)写真の左手の方に宮殿の入り口があります。

 

靴を預けて裸足になったら、人の流れに乗って歩いていくと宮殿の建物の入り口があるので、チケットを提示しそこから入場。

行列が延々と続きますが、進み具合は比較的スムースでした。

マイソールパレス(マイソール)「マイソールパレス」の館内

 

「マイソールパレス」の館内の様子。

建物のアーチの造形や天井の装飾が素晴らしいです。

通路の向こう側には、マハラジャの収集品や、宮殿で使われていたと思われる豪華な家具や衣装、武具などが展示されていますが、大勢の人並みによってなかなか見ることができず。

マイソールパレス(マイソール)巨大な象の彫像

マイソールパレス(マイソール)宮殿内の中庭

マイソールパレス(マイソール)ダルバールホール

 

混雑をかき分けて進んでいくと、大きな広間に出ました。

ここは、「ダルバールホール」と呼ばれる部屋で、王室の儀式が行われていた場所。

マイソール王国27代目の現マハラジャであるヤドヴィアも、2016年にここで盛大な結婚式を挙げたのだそう。

マイソールパレス(マイソール)ゴシックの大聖堂を思わせる壮大な空間

 

上昇感を感じさせるたくさんの細い柱。ホールの上部をぐるりと取り囲むトレサリー窓。天井を彩るステンドグラス。

まるで、ヨーロッパのゴシック教会を思わせる壮大な空間です。

マイソールパレス(マイソール)ここで現マハラジャは結婚式を挙げました。

マイソールパレス(マイソール)床のモザイクタイルの模様も美しい

マイソールパレス(マイソール)孔雀の図柄がデザインされた天井のステンドグラス

 

孔雀の図柄がデザインされた天井のステンドグラス。ステンドグラスはイギリスのグラスゴーの工房で製作されたものだそう。

マイソールパレス(マイソール)豪華なチェコスロバキア製のシャンデリアが吊り下げられています。

 

まさに圧倒的な空間!

大勢のインド人たちが天井を見上げ、スマホで写メを撮りまくっていました。

「ダルバールホール」を抜け、再び通路を進んでいきます。

マイソールパレス(マイソール)「ダルバールホール」を抜け、通路を進んでいきます。

マイソールパレス(マイソール)美しいモザイクタイル

マイソールパレス(マイソール)修学旅行の訪問地になっているようで、子供の集団が多い

マイソールパレス(マイソール)狭い通路では花火大会の後のような大混雑

マイソールパレス(マイソール)マハラジャの姿を再現した人形

マイソールパレス(マイソール)宮殿正面の広大な広場が見える。

 

花火大会の後のような大混雑にまみれながら進んでいくと、広大な空間が目の前に開けました。

宮殿正面の広場の前に開けたオープンバルコニーです。

ここは、毎年9月から10月に掛けて広場で行われるヒンドゥー教の祝祭「ダサラ祭」のパレードやイベントを見るために造られた観覧席。

マイソールパレス(マイソール)観覧席のホールの造形も見事

マイソールパレス(マイソール)柱とアーチが奥まで続いています。

 

観覧席から続くホールの造形も見事。

精緻に装飾された無数の柱とリズミカルなパターンを盛ったアーチ、それが奥まで延々と続いています。

マイソールパレス(マイソール)観覧席の天井の装飾

マイソールパレス(マイソール)マハラジャはここで玉座に座り、ダサラ祭のパレードを観たのでしょうか

マイソールパレス(マイソール)写メを撮りまくるインド人観光客たち

マイソールパレス(マイソール)広大な広場が見渡せます

マイソールパレス(マイソール)黄金の装飾が施されたホール

 

続いて入ったホールは、柱が黄金の装飾で飾られているホール。

全て本物の金で装飾されています。

右側の衝立の向こうには黄金の玉座があるそうですが、今回は公開されておらず、見ることはできませんでした。

マイソールパレス(マイソール)豪華な柱頭装飾

マイソールパレス(マイソール)天井から吊り下げられたシャンデリア

マイソールパレス(マイソール)正面の広場から見た「マイソールパレス」

マイソールパレス(マイソール)「マイソールパレス」の前で子供たちが記念撮影

 

宮殿を出て正面の広場へ。広場から「マイソールパレス」の全景を眺めます。

「マイソールパレス」は、灰色の花崗岩でできた3階建ての建物で、長さ約75m、幅約48m。東西南北に5階建ての四角い塔が建ち並び、その頂上にはピンク色のドームがあります。最も高い塔は高さ44mで宮殿の中央にあり、頂上には金メッキのドームがあります。

ファサードにはアーチ、天蓋、出窓があり、中央のアーチの上には、豊穣の女神ラクシュミの両側に象が描かれたガジャラクシュミの彫刻があります。

マイソールパレス(マイソール)宮殿の敷地内にあるヒンドゥー寺院

マイソールパレス(マイソール)花で彩られたヒンドゥー寺院

 

宮殿の敷地内にはヒンドゥー教の寺院もいくつかあります。

マイソールパレス(マイソール)大勢の観光客で賑わう「マイソールパレス」

 

日中に訪れた「マイソールパレス」の宮殿内部。

インド随一の富を有していたというマイソール王国のマハラジャの栄華を垣間見ることができる、マイソールを訪れたら必見の場所です。

参考:Mysore Palace(Wikipedia)

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黄金の輝き!夜に鑑賞した『マイソールパレス』のライトアップ

マイソールパレス(夜)マイソールパレスの北門「ジャヤラマ」

 

マイソールパレスは、日曜日の夜19:00〜20:00にライトアップされ、宮殿の敷地内に無料で入ることができます。

18時半頃、ライトアップを見るため、再び宮殿へと向かいました。

写真は、マイソールパレスの北門「ジャヤラマ」

夕暮れ時、門が仄かにライトアップされています。

この北門からは入れないので、歩いて入場口である南門へと向かいます。

マイソールパレス(夜)宮殿の敷地の外の道を歩いて南門へ

 

宮殿の敷地の外側をぐるりと囲んでいる大通り。

そこを歩いて南門へ。徐々に辺りは薄暗くなってきました。

マイソールパレス(夜)マイソールパレスの正門「ジャヤ・マールタンダ」

 

こちらは、マイソールパレスの正門「ジャヤ・マールタンダ」

門が間接照明によってライトアップされ雰囲気抜群。門の向こう側には、「マイソールパレス」の建物が見えます。

マイソールパレス(夜)辺りが暗くなるに連れ、ライトアップの明度が高くなってきました。

マイソールパレス(夜)美しい光景に息を呑み、写メを撮るインド人が多数

 

この正門(東門)「ジャヤ・マールタンダ」からも、中には入れないので、再び大通りを南門へと歩いていきます。

南門「バララマ」に近づくに連れ、観光客の姿が増えてきました。

そして、南門に到着。人並みをかき分け、宮殿の敷地内へと入ります。

宮殿の全景を正面から眺められる広場へと向かうと、そこには既に大勢に人々の姿が。

マイソールパレス(夜)ライトアップされた夜の「マイソールパレス」

 

そして、広場の正面には、美しくライトアップされた夜の「マイソールパレス」の姿がありました♪

マイソールパレス(夜)オレンジ色の照明に照らされた「マイソールパレス」

 

オレンジ色の照明に照らされた「マイソールパレス」

昼間の姿の数倍も美しいです。広場に集まったインド人観光客たちも写真を撮りまくり。

動画もご覧ください↓

時刻は19時少し前。ライトアップの開始時間は19時からだと聞いていたので、早めに点灯させたのかな?と思っていると。

マイソールパレス(夜)19時ちょうど、約1,000個の電灯が一斉に点灯!

 

19時ちょうど、宮殿の全面に設置された約1,000個の電灯が一斉に点灯!

いきなり眩く光り輝き始める「マイソールパレス」。広場に集った大勢の人から「わっ!」という歓声が挙がりました。

動画でもご覧ください↓

マイソールパレス(夜)ため息の出る美しさ

 

ただ、宮殿に1,000個の電灯を点けただけで、砂糖菓子のような軽薄さがあるものの、夜空の下で煌びやかに輝くその姿は、ビジュアル的に単純に美しいです。

延々と眺め、写真を撮り続けてしまいます。

マイソールパレス(夜)大勢の人がスマホで写真を撮っています。

マイソールパレス(夜)宮殿を取り囲む門や外壁も黄金色にライトアップ

マイソールパレス(夜)もう少し近づいて見てみましょう。

マイソールパレス(夜)仕切り柵の最前列から撮った「マイソールパレス」のライトアップ

マイソールパレス(夜)美しい宮殿の景観を前に、和やかな雰囲気が漂う広場

 

大勢のインド人たちが、煌びやかに輝く宮殿を眺め、写真を撮影し写メを撮り、カップルで肩を寄せ合ったり、子供を抱き抱えたり肩に乗せたり。

広場は和やかで平和な雰囲気に包まれていました。

これを眺めるために、日曜日に合わせてマイソールを訪れる価値は絶対あります。

マイソールパレス(夜)敷地内のヒンドゥー寺院もライトアップ

 

南インド・カルナータカ州第二の都市マイソールの中心にある、インド一の規模と豪華さで知られる「マイソールパレス」

日中に観覧できる豪華絢爛な宮殿内のホールも、日曜の夜に眺められる眩いばかりの宮殿のライトアップも、いずれも必見。

最高の富を有したマハラジャの栄華を垣間見ることのできる、マイソールを訪れたら、まず第一に訪れたいスポットです。

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