「シリア」(Syria:سوريا)は、世界で最も古い歴史を持つ地域のひとつです。
世界史の主舞台として、アッシリアやペルシャ、ローマ、イスラム帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国など様々な国の支配を受け、近代になってからはフランスの植民地となりました。
そして、現在では内戦状態となり、テロとの戦いの舞台となっているシリア。ここは世界史の縮図です。
2003年、内戦が起こる前に訪れたシリアをご紹介します。
今回は、「マアルーラ」についてご紹介します。
崖にへばりつく「マアルーラ」の町
「マアルーラ」の町
ダマスカスからバスで1時間。
崖にへばりつく「マアルーラ」(Maaloula:معلولا)の町です。
「マアルーラ」の町は、標高1,500mの岩山の中に築かれています。
町の人口は、2005年時点で2,000人ほどであるとのこと。
町の人口は、2,000人ほど
「マアルーラ」の住民は、ほとんどがキリスト教徒(ギリシャ正教)です。
ここでは、イエス・キリストの時代の言葉「アラム語」が今も話されているそうです。
「アラム語」とは、かつて、メソポタミア、アッシリア、バビロニア、ペルシャ帝国でも話され、当時の世界共通語として使用されていた言語です。
けれども、現在では、アラム語は、この「マアルーラ」をはじめとした3つの村(西方アラム語)や、シリア・イラク・イラン・トルコ・グルジア・アルメニアのいくつかの村(東方アラム語)で話されているに過ぎません。
「アラム語」は、「アラム人」によって作られ、世界に広まった言葉。
文字は、「アラム文字」で書かれていました。
「アラム人」は、もうこの世界にはおりません。滅亡してしまったのです。
民族は滅亡してしまいましたが、言葉だけは現在でも細々と生き続けているのです。
崖の上から見下ろした「マアルーラ」の町
崖の上から町を見下ろします。
町の向こう側は、延々と岩砂漠が連なっています。
崖の上のキリスト教会の祭壇
崖の上には、いくつかのキリスト教の教会がありました。聖テクラ教会や聖セルギウス教会などです。
教会内には、たくさんのイコンが飾られていました。
緑色のドームを持つ「マアルーラ」のモスク
「マアルーラ」には、緑色のドームを持つモスクがありました。
ここには少数ながらイスラム教徒も住んでいます。「マアルーラ」は、イスラムとキリスト教徒が共存する町なのです。
訪れた時はちょうど金曜日でしたので、ミナレットからは、金曜礼拝の祈りの声がずっと流れていました。
旅行時期:2003年5月〜6月
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