山陽電鉄霞ヶ丘駅から徒歩5分。明石海峡を望む海辺の住宅街の中に、兵庫県最大の前方後円墳「五色塚古墳」(別名:千壺古墳)があります。
五色塚古墳が建造されたのは、古墳時代前期の4世紀後半。昭和40年代に復元工事が行われ、古墳時代当時の姿を見ることができます。
全体が復元された古墳としては全国最大。古墳の上には登ることもでき、明石海峡や明石海峡大橋、淡路島を眺めることができる絶景スポットとしても知られています。
古墳の上に登って古代の歴史ロマンを味わうため、五色塚古墳に行ってみることにしました♪
五色塚古墳へのアクセス
五色塚古墳の最寄駅は山陽電鉄の「霞ヶ丘」駅。
大阪梅田からは約1時間、神戸からは40分ほどで着きます。
駅を出ると右手の石垣の前に案内板があります。
「五色塚古墳」までは350m。
5分ほど歩くと、前方に「五色塚古墳」が見えてきました!
「五色塚古墳」の概要(大きさ・築造時期・被葬者)
下が、GoogleMapで見た「五色塚古墳」。
「五色塚古墳」は、全長194m、前方部の高さ11.5m、後円部の高さ18.8mの前方後円墳。
墳丘は3段で築かれており、墳丘の周囲には深い濠と浅い溝で二重に取り囲まれています。
西側には小さな円墳「小壺古墳」が併設されています。
「五色塚古墳」の築造時期は、古墳時代中期の4世紀末〜5世紀初頭頃と推定されています。
埋葬施設の調査が実施されていないため、被葬者は明らかになってはいませんが、明石海峡やその周辺を支配した豪族首長と推測されているそう。
五色塚古墳は、1965年から10年かけて発掘調査・復元整備が行われ、1975年に国内初の築造当時の姿に復元された古墳公園として開園しました。
それでは、さっそく古墳の上へと登ってみましょう〜。
「五色塚古墳」の墳丘へと登る
階段を登り、たかさ11.5mの前方部へ。
古墳の上に埴輪がズラリと並んでいるのが見えます。
訪問したのは、休日の午前中。小雨がパラつく天気のせいか、古墳に登っている人は数えるほど。
人が少ないので、ゆったりと古墳を満喫できます。
古墳の斜面を覆っているのは拳大の大きさの葺石。
葺石は雨によって崩れるのを防ぐ目的で敷き詰められたと考えられており、その数は223万個。総重量は2,784トンにも及び、多くが対岸の淡路島から運ばれたものだと判明しているのだそう。
前方部の上に辿り着きました。
頂上の周囲には、高さ1mほどの円筒埴輪が2,200個ほど並べられています。
円筒埴輪は、古墳の領域を示す目印として並べられたと考えられています。
古墳の上に並べられた埴輪はレプリカですが、建造当時の様子を窺い知ることが出来ます。
樹木が生い茂り、朽ち果てた雰囲気の古墳もいいですが、こういう整備された古墳も、これはこれでGood!
ただ、解説パネルの文字が消えかけていて、読めなかったのは残念。
さて、五色塚古墳で最も高い後円部へと登っていきます。
階段の横には段丘に並べられた葺石と、向こうに小壺古墳。その向こうに団地の連なりが見えます。
五色塚古墳からの眺め
後円部の上に到着しました。
後円部の上段部分の直径は72.2m。下段は125.5mあります。
後円部は前方後円墳で最も大切な場所で、この部分に亡き首長が埋葬され、埋葬祭祀が行われたと考えられています。
1600年以上昔、この平らな後円部の頂上で行われたであろう盛大な祭祀。
どのような祭祀だったのでしょうか。
高さ18.8mの後円部からは、360度のパノラマを見渡すことができます。
階段の下の前方部と3段の墳丘。古墳の周りには住宅が建ち並び、その向こうに明石海峡と、そこに架かる明石海峡大橋。そして、遠くに見える淡路島。
この日はあいにくの曇り空で、空も海もグレーな感じでしたが、晴れていたら、かなり絶景に感じたと思います。
1600年前の当時の風景を想像し、歴史ロマンを満喫したところで、五色塚古墳を下山。
五色塚古墳管理事務所
こちらは、古墳の手前にある「五色塚古墳管理事務所」
建物内には、古墳からの出土品が数点展示されています。
中に入ってみることにしましょう。
事務所内には、五色塚古墳のペーパークラフトが売られていたり、五色塚古墳の空撮の写真が飾られていたり。
古墳の上に並べられていた円筒埴輪の実物も展示されていました。
円筒埴輪は、総数2,200本と推計されるうち600本が採集されていて、この事務所以外に、神戸市立博物館や神戸市埋蔵文化財センターなどで展示されているとのこと。
お墓のお供えに使われた土器や金環の展示もあり。
こちらは、古墳時代の前の弥生土器。
弥生時代のさらに前の、縄文時代の足跡の遺跡。これは五色塚古墳からほど近い、垂水日向遺跡から出土したものだそう。
7000〜8000年前のものです。
この日、五色塚古墳では「古墳まつり」が開催されていました。
まだ朝早かったので、物販用のテントなどを設営している段階でしたが、「古墳まつり」では、古代の火おこし道具「舞ぎり」を使った火おこし体験や、復元された古代衣装の試着体験。また、勾玉づくりや土器づくりなどの体験イベントも開催されていた様子。
神戸市垂水区にある兵庫県最大の前方後円墳「五色塚古墳」
4世紀後半に築造された古墳は美しく整備されており、無料で古墳の上部に登ることができます。
2200本の埴輪が並べられた巨大古墳はかなり見応えあり。古墳の上から見渡せる、明石海峡や明石海峡大橋、淡路島の景観も見事。
大阪から1時間。駅から徒歩5分とアクセスも良く、気軽に前方後円墳の全体像を眺めみることできる貴重な史跡です。
「五色塚古墳」の場所・営業時間
- 住所:兵庫県神戸市垂水区五色山4丁目1-22
- アクセス:山陽電鉄霞ヶ丘駅から徒歩5分
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:月曜日
- 入館料:無料
- HP:https://goshikiduka.org/
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