エジプト(Egypt:مصر)
肥沃なナイル川の恵みに育まれ、紀元前3000年の古代エジプト文明の成立から5000年以上もの歴史を持つエジプト。
ピラミッドやスフィンクス、ルクソールの王家の谷などの古代エジプトの遺跡、中世から近世までのイスラムの中心地としてのカイロの街並み、広大な砂漠とオアシス、紅海の美しい海。見どころたくさんのエジプトです!
今回は、イスラム都市カイロをご紹介します。
カイロの旧市街とカイロ最大のスーク「ハーン・アルハリーリー」
モスクの尖塔が建ち並ぶ「カイロ」の街並み
カイロ(Cairo:القاهرة)。ナイル川の畔にあるエジプトの首都です。
カイロはアラブ文化圏の中心都市。隣のギザを含めたカイロ首都圏の人口は1,500万人強。これは、アフリカ大陸および中東において最大です。
また、カイロはイスラムの中心地でもあり、ここにはイスラムの最高学府のひとつでもある「アズハル・モスク」があります。
カイロの街並み
カイロのモスクの尖塔
モスクの尖塔が見えます。カイロはイスラム圏なので、一日5回、アザーンの呼び掛けが街中のモスクから鳴り響きます。
町としてのカイロの歴史は7世紀に遡ります。
古代エジプト時代、小さな村落に過ぎなかったこの地に初めて都市を建設したのはイスラム教徒でした。
「アズハル・モスク」が建設されたのは、10世紀のこと。その当時、カイロを治めていたのは、シーア派のファーティマ朝であったそうです。
12世紀に興ったアイユーブ朝と13世紀から約250年続いたマムルーク朝の時代に、カイロは大いに繁栄しました。この時、現在世界遺産にも認定されている「イスラム都市カイロ」の原型が造られました。
スーク・ハーン・アルハリーリー
カイロは3つの地域に分けられます。
官公庁やビジネス街のある「新市街」とイスラム地区である「旧市街」、コプト教徒が多く住む「オールド・カイロ」です。地理的には、ナイル川の東岸に新市街、その東に旧市街、オールド・カイロは新市街の南に位置しています。
最も見どころが集まっているのは、旧市街(イスラム地区)。
ここに「アズハル・モスク」とイスラム最古の大学である「アズハル大学」があります。「アズハル大学」の隣には、カイロ最大のスーク「ハーン・アルハリーリー」があります。
「ハーン・アルハリーリー」には、たくさんの土産物屋が軒を連ね、伝統的な金銀細工や木工細工などが売られています。買うときは値段交渉が必要ですが、路地を歩いているだけでも楽しい界隈です。
「ハーン・アルハリーリー」の喫茶店
旧市街の南部のモカッタムの丘には、「シタデル」があります。
「シタデル」は、1176年にアイユーブ朝の創始者「サラーフ・アッディーン」が築いた王宮です。
ここには、町のランドマークともなっているモスク「ムハンマド・アリ・モスク(ガーマ・ムハンマド・アリ)」があります。
1857年に完成したこのモスクは、オスマン様式で作られていて、いくつものドームと2本の高いミナレットを持っています。
カイロ新市街と「エジプト考古学博物館」
新市街の中心は「タハリール広場」
この広場の周辺には、政府庁舎のビルが建ち並び、高級ホテルが林立しています。ビジネス街や繁華街もこの近辺にあります。
タハリール広場の近くには、カイロ最大の見どころのひとつ「エジプト考古学博物館」があります。
あまりにも有名なツタンカーメン王の黄金のマスクは、ここに展示されています。
それ以外にも、黄金の玉座や厨子、歴代の王の座像や立像、ミイラなど必見の収蔵品が盛りだくさん!
収蔵点数は20万点におよぶと言われています。
考古学博物館の職員アリー
新市街の路上市場
カイロ新市街の路上市場です。
エジプトはフルーツ天国!
バナナ、りんご、オレンジ、いちご、キウイ、マンゴー、桃、ぶどう、西洋梨、スイカ、季節にもよりますが、何でもあります。
街にはフレッシュジュース屋さんがたくさんあって、様々なフルーツをミックスした美味しいフレッシュジュースを飲むことができます!
カイロの地下鉄
カイロには地下鉄も走っています。アフリカ最古の地下鉄で1987年に開業しました。
現在3路線が運行中で、タハリール広場から、ルクソールなどへの列車の出発駅「ラムセス中央駅」や、オールドカイロへと向かうときに便利です。
夕暮れのカイロタワー
ナイル川に浮かぶ中洲「ゲジーラ島」には、カイロタワーがあります。
高さは187m。上部の展望台からはカイロ市街やギザのピラミッドを見ることが可能。回転する展望レストランやカフェテリアもあります。
「オールド・カイロ」についてはあらためてご紹介します。
旅行時期:1996年8月・1998年2月
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