メキシコの南、中米にある国「グアテマラ(Guatemala)」
前日、チチカステナンゴの日曜市を観た後、アティトラン湖畔の町「パナハッチェル」に到着しました。
一泊して、この日はアティトラン湖周辺に点在する先住民の村々を巡ります★
まずは、パナハッチェルから湖を縦断した南岸にある「サンティアゴ・アティトラン(Santiago Atitlán)」の町へ。
朝早起きして、7時半頃ボート乗り場へと向かいました♪
ボートに乗ってアティトラン湖を縦断。サンティアゴ・アティトランへ!
アティトラン湖MAP
「アティトラン湖(Lago de Atitlán)」は、グアテマラ西部高原地帯のソロラ県にある、面積130.1㎢、最大水深340m、水面の標高1,562mの湖。
8万4千年前の火山の噴火によってできたカルデラ湖で、周囲を3つの火山(トリマン山:3,158m、アティトラン山:3,535m、サン・ペドロ山:3,020m)に囲まれています。
湖の周囲には、サンティアゴ・アティトラン、サン・ペドロ・ラ・ラグーナ、サン・ルーカス・トリマン、サン・アントニオ・パロポ、サンタ・カタリーナ・パロポなどのマヤ系先住民族の村が点在しており、それらの村々をボートやフェリー、バスやタクシーなどで周遊して周るのがアティトラン湖観光のスタンダードなスタイル。
今回は、時間が1日しかなかったので、南岸にある「サンティアゴ・アティトラン(Santiago Atitlán)」と東岸にある「サン・アントニオ・パロポ(San Antonio Palopó)」「サンタ・カタリーナ・パロポ(Santa Catarina Palopó)」という3つの村を訪問することにしました。
清々しい朝のアティトラン湖
サンティアゴ・アティトラン行きボートの船着場
ここが、「サンティアゴ・アティトラン」行きボートの船着場です。
船着場に居た人に聞いてみると、出発は8時半であるとのこと。
今は7時半。あと1時間も待たなくてはなりません(汗)
「サンティアゴ・アティトラン」行きのボート
「サンティアゴ・アティトラン」行きのボートです。
定員は20人くらい。まだ1時間前のため、お客さんは2人しかおりません。
だけど、早めに来たおかげで、一番揺れが少ないという最後尾の座席をゲット!
ボートの座席に座ってしばらくすると、ポツポツと乗客が集まり始めました。
そして、出発の8時半。ボートはほぼ満席となりました。
乗客は、外国人観光客も数人いたものの、ほとんどが地元グアテマラの先住民の人々。
女性は民族衣装率高いです。
隣には民族衣装のスカートを履いた若い女の子が座りましたが、ずっとスマホで電話。
グアテマラもスマホはかなり普及している様子です。
ボートの船内の様子
8時半過ぎ、ようやく出発!
ボートは一路、湖の南にある「サンティアゴ・アティトラン」を目指します。
ちなみに、ボートは50ケツァール(2人分)750円。
ボートからパナハッチェルの街を眺める。
ボートから見たアティトラン湖の風景
ボートはそこそこのスピードで進んで行きます。
揺れはそれほどありませんでした。
ボートからは穏やかなアティトラン湖の水面が見え、前方右手には「サン・ペドロ山」、前方左手には「トリマン山」と「アティトラン山」の3つの火山の姿が見えました。
30分ほどでボートは「サンティアゴ・アティトラン」に到着!
サンティアゴ・アティトランに到着!
格子柄のウィピルの町「サンティアゴ・アティトラン」
正面に見える山は「サン・ペドロ山」(3,020m)
「サンティアゴ・アティトラン(Santiago Atitlán)」は、アティトラン湖南岸の入江の奥にあるソロラ県の町。人口は約3万2千人で、住民の大多数はマヤ先住民のツトゥヒル族です。
「サンティアゴ・アティトラン」は、ツトゥヒル族の文化的中心地で、1970年代までほぼ全ての住民が民族衣装を身に付けていたのだとのこと。
現在でも多くの住民が民族衣装を着ていて、他の多くの村と違って民族衣装を着る男性の姿を見掛けることもできます。
グアテマラの先住民の女性は、“ウィピル”という刺繍入りのブラウスを着ることで知られています。“ウィピル”は村ごとに色や柄が異なっていて、「サンティアゴ・アティトラン」の“ウィピル”は、白と臙脂の格子模様。それに、かすり模様のスカートを合わせます。
また、年配の女性は赤い帯を幾重にも頭に巻いて帽子のようにする頭飾りが特徴。
頭に帯を幾重にも巻きます。
帯の一番上には刺繍が織り込まれています。
こちらが、「サンティアゴ・アティトラン」の年配の女性の頭飾り。
船着場の前にいた女性が頭に巻くプロセスをパフォーマンスしてくれました★
「サンティアゴ・アティトラン」の街並み
「サンティアゴ・アティトラン」の街並みです。
港から緩やかな坂を登りつつ、街の中心部へと向かいます。
道の両側は旅行者向けの土産物屋やカフェ、レストランなどが並んでいました。
土産物屋さんが並びます。
おしゃれな感じの雑貨屋さん
民族衣装を着た男性
坂を登っている途中、民族衣装を着たおじさんが2人、何やら声を掛けてきました。
案内してくれようとしているみたいなのですが、何を言っているのか分からず(汗)
上の写真が民族衣装を着たおじさん。「サンティアゴ・アティトラン」の男性の民族衣装は、テンガロンハットと縞模様のハーフパンツが特徴。
「サンティアゴ・アティトラン」の民族衣装は、格子柄のウィピルとかすり模様のスカート
ウィピル屋さん。左に見えるのがウィピル
市場へと向かうウィピルを着た女性たち
街の中心部のメルカドへと向かうストリートを歩いていきます。
通りには、市場へと向かう女性たちがたくさん!
みんな、「サンティアゴ・アティトラン」の格子柄のウィピルを着ています。
乗合トラックも人々の足
「サンティアゴ・アティトラン」のメルカド
こちらが、「サンティアゴ・アティトラン」のメルカド。
野菜や果物を始め、様々な食材が売られていました。
サンティアゴ・アティトランの守護神「マシモン」を探す
「サンティアゴ・アティトラン」の教会
実は、この「サンティアゴ・アティトラン」で目的がひとつありました。
それは、“マシモン”に会うこと★
“マシモン”(または、サン・シモン)とは、グアテマラ南西部、特にアティトラン湖周辺のマヤ先住民の間で信仰されている神様のこと。
マヤ時代からの伝統信仰とキリスト教が習合して生まれたのが由来とされており、帽子を目深に被り、タバコを咥えラム酒を嗜むという独特なスタイルの御神体が有名。
“マシモン”のビジュアルや儀式の様子などはかなりインパクトあるとの噂です。
「サンティアゴ・アティトラン」は、マシモン信仰のメッカとも言える場所で、ガイドブックやネットの情報でも、この街に“マシモン”が祀られている場所があると書かれていました。
ただし、正確な場所はわからず・・・。
とりあえず、地元の人に聞いて、“マシモン”がどこに居るのか、探して見ることにしましょう〜★
上の写真は、街の中心にあるカトリックの教会。
まずはここで聞き込み開始です!
教会の前で鈴なりになる学生たち
教会の前の石段に鈴なりになって座っている学生風の若者たちがいたので、「マシモンはどこにいるの?」と聞いてみました。
教会の前で
すると、若者たち、「その道を右に曲がってすぐ左折して、しばらく歩いてまた左折」というようなことを身振り手振りを交えて教えてくれました!
詳しくは理解できなかったのですが、とりあえず、言われた方向に歩いていってみます。
グラシアス!
トゥクトゥクと雰囲気のある黄色い建物
教会の正面向かって右手に進むと、この黄色の建物が。
ここを右に曲がります。
水色の建物を過ぎると広めの通りにぶつかります。
この広めの通りを左折してしばらく歩きます。
この、左手手前にある路地を左折。
この路地を直進
上の写真のおじさんに、マシモンの居場所を聞くと、通りの突き当たりに入口があるとのこと。
このピンクの建物の裏手辺りがマシモンの居るところ
ここが路地の突き当たり。
写真のピンクの建物の裏手にマシモンがいる建物があります。
建物の前で行われていた儀式
マシモンのいる建物の前には中庭があり、何やら儀式が行われていました。
マリンバの楽団が演奏する中、香が焚かれ、祈祷師がお祈りの文句を口ずさみ、先住民の家族が祈りを捧げています。
それでは、右手にあるマシモンのいる建物の中へ入っていきましょう〜。
酒とタバコを嗜む神様「マシモン」を見る!
こちらが“マシモン”
部屋の中に入ると、すぐ目の前に、いました!
こちらが、“マシモン”、サンティアゴ・アティトランの町の守護神です。
黒い帽子を被り、スカーフやネクタイをたくさん垂らしたお姿。お顔は木製です。
タバコを吸うマシモン
横にいるお二人は世話役の方々。
マシモンは、お酒とタバコが好きという神格のため、世話役の方々がタバコを吸わせたり、お酒を飲ませたりするのです。
お香が焚かれ、煙が充満した室内
手前には祈祷師が二人いて、お香を焚いたり、呪文を唱えたりしています。
なかなかディープな、アングラな感じの雰囲気です。
酒とタバコを嗜む神様「マシモン」を見る。
呪文を唱える祈祷師。地面にはロウソクがたくさん灯されています。
ラム酒を飲むマシモン
部屋の周囲にはカトリックのイエス像や聖人像なども置かれています。
“マシモン”は、スペイン人が侵略する前のマヤ時代の神「マム」を起源とする民間信仰です。
マヤの人々は植民地時代、スペイン人にカトリックの信仰を強制されてしまいますが、従来の伝統的な信仰を捨て去りはしませんでした。
ちなみに、“マシモン”は、「リラフ・マム(Ri Laj Mam)」と「ドン・シモン(Don Ximon)」という2人の人物の名前がミックスされた言葉であるとのこと。
伝説によると、スペイン人の悪行に人々が悩まされていた時代、「リラフ・マム(Ri Laj Mam)」という老人がスペイン人に対して反乱を起こすよう民衆に訴えました。
「リラフ・マム」はその後、スペイン人に処刑されてしまうのですが、19世紀に彼の生まれ変わりだとされる人物が出現しました。
それが「ドン・シモン(Don Ximon)」という人物です。
「ドン・シモン」は、腐敗した知事から先住民を守るために尽力した人物とされ、マヤの人々に土地を与えたり、裁判官となって過度の腐敗を取り除いたりしたため、何度も暗殺されそうになるのですが、ことごとく逃れたのだとのこと。
人々は、これを見て、「ドン・シモン」は「リラフ・マム」の生まれ変わりであり、魔法を使って暗殺から身を守っているのだと考えるようになりました。
ちなみに、「ドン・シモン」は重度の酒飲みで喫煙者であったと知られており、現在人々に崇拝されている“マシモン”も、タバコとお酒がお供え物であり、彼のトレードマークともなっています。
タバコを吸い続けるマシモン
床には花びらがたくさん敷かれていました。
“マシモン”は、場所によっては「サン・シモン」と呼ばれているところもあるそうです。
グアテマラ南西部の各地の村に“マシモン(サン・シモン)”がおりますが、サングラスを掛けていたり、グレーのスーツを着ていたり、ギャングのような黒いマスクを着けていたりと、その風貌は様々。
ただし、どのマシモン(サン・シモン)もお酒を飲み、タバコを吸う、神様とは思えないような悪そうな風貌なのは同じ。
モデルとなった「ドン・シモン」、きっと、ワルぶった風貌の人だったのでしょうね。
スペイン人にカトリックの信仰を強制されたマヤ先住民の人々。
表向きはキリスト教の信仰を受容しましたが、密かにマヤのアイデンティティーと信仰と、スペイン人に対するプロテスト精神を保ち続けてきたのです。
ちなみに、マシモン見物料&お布施として、25ケツァール(375円)支払いました。
「サンティアゴ・アティトラン」の教会
再び「サンティアゴ・アティトラン」の教会
マシモンを見た後、再び元の道を戻って「サンティアゴ・アティトラン」の教会へ。
先ほどは教会の中に入らなかったので、中に入ってみることにします。
教会の内部
教会の内部は広々としていて明るい雰囲気。
ミサが行われる時間ではないせいか、ほとんど人がおらずガランとしていました。
教会内部にあった聖人の像
かなり古そうな祭壇
イエス・キリストの前で祈る人々
侵略者であるスペイン人に強制されたキリスト教ではあるけれども、現代のマヤの人々にとっては、イエス・キリストこそが神様であり、彼らのアイデンティティーのひとつ。
ちなみに、スペイン人に支配され搾取され続けたマヤ先住民の人々ですが、現在でも非先住民との格差は激しく、差別も依然としてあるとのこと。
教会からサン・ペドロ火山を望む
教会前の広場
少し喉が渇いてきました。
カフェにでも寄って、美味しいグアテマラコーヒーでも飲みに行きましょう〜。
教会を出て、港へと続くストリートへ向かって歩きます。
広場に集まるツトゥヒル族の女性たち
街の中心の露天市場の様子
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」
船着場へと続く坂道の通り沿いに、オシャレっぽいカフェ「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」があったので入ってみることにしました。
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」のカウンター
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」の店内
壁に掲げられていたコーヒー豆でできたグアテマラ地図
テーブルの上にもコーヒー豆のオブジェが
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」の店内の様子です。
小ぢんまりとした店内は、コーヒーの香りが漂い、壁やテーブルにコーヒー豆のオブジェがたくさん!
カフェネグロ(15ケツァール)
カプチーノとカフェネグロ
ハム&チーズサンドイッチ
注文したのは、ブラックコーヒー(カフェ・ネグロ)とカプチーノ、そして、ハム&チーズのサンドイッチとチョコバナナクレープ(写真は撮り忘れてしまいました。)。
料金は合計60ケツァール(900円)
この日は朝食を食べていなかったので、ここで遅めのブランチです。
お食事のお味はまずまず。コーヒーは、さすが有名コーヒー産地のグアテマラ。美味しかったです★
ボートに乗って再び「パナハッチェル」へ
「サンティアゴ・アティトラン」の格子柄のウィピルが売られています。
「カフェ・ラファ(Cafe Rafa)」でお茶をした後、船着場へと向かいます。
ボートに乗って再びパナハッチェルへと戻るのです。
通りの両側に並ぶ色とりどりのウィピルやタペストリーを眺めながら、のんびりと歩いて行きます。
どのお店も色とりどりの織物がずらり!
ハンモックを売るお店も多かったです。
船着場からボートに乗りパナハッチェルへ
船着場に到着しました。
ボートの客引きが「パナハッチェル!」と連呼しているので、さっそく、ボートの方へ。
ボートに乗って出発!
乗り込んだ時、すでにボートは満席に近かったので、程なくして出発!
ボートは揺れも少なく快調に進み、行きよりも早い20分ほどでパナハッチェルに到着しました。
パナハッチェルに到着
到着したパナハッチェルの船着場からの眺めです。
前方右側に見えるのが、サン・ペドロ山(3,020m)、左に見えるのがアティトラン山(3,535m)、その裏に隠れて見えるのがトリマン山(3,158m)です。
パナハッチェル到着の時点で時刻はお昼の12時頃。
実はこの日、16時出発のパナハッチェルからアンティグアまでの乗り合いシャトルを予約済み。
それまでに荷物を預けているホテルに戻る必要がありますが、あと4時間ほど時間に余裕があります。
そこで、この4時間の時間を使って、パナハッチェルから乗り合いトラックで30分ほどの場所にある村「サン・アントニオ・パロポ」と「サンタ・カタリーナ・パロポ」に行ってみることにしました。
次回は、「サン・アントニオ・パロポ」と「サンタ・カタリーナ・パロポ」をご紹介します。
サンティアゴ・アティトランMAP
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