前日、キルギスの首都ビシュケクからマルシュルートカで7時間かけて、イシク・クル湖東端の町、天山山脈へのトレッキングルートの拠点でもある「カラコル」の町に到着しました。
カラコルで一泊し、翌朝、いよいよ海抜約3,000mの高地にある温泉地「アルティン・アラシャン(Altyn Arashan)」へのトレッキングへと出発です!
朝9時にホテルでガイドと待ち合わせて出発!
「マダヌール・ホテル(Madanur Hotel)」で朝9時に待ち合わせ
ホテルの朝食バイキングをいただいた後、朝9時にロビーへ向かうと、既にロビーにはガイドさんが待っておりました。
ガイドは若い女性の方(名前はド忘れしてしまいました)。
「ハロー!」と元気に挨拶してきました!
前日にJKSキルギス現地旅行会社のテンチクさんから話を伺っていましたが、若いながらもトレッキングガイドとしてはベテランであるとのこと。
トレッキングの行程はこんな感じ。
- ガイドさんの車でアクスー村行きマルシュルートカ乗り場へ(途中でランチを買い出し)
- マルシュルートカでアクスー村へ(約20分)
- アクスー村からトレッキング(約5時間半)
- アルティン・アラシャンのユルタで宿泊(夕食・温泉入浴)
- 翌朝、朝食後に下山(約4時間)
- アクスー村からマルシュルートカでカラコルへ
ガイド料と宿泊料は、昨日ビシュケクのテンチクさんに支払い済み(ガイドさんの宿泊料と食事代もこちら持ち)。
マルシュルートカとランチ代はその場で適宜支払い、2リットルのお水はサービスでもらえました。
さて、ホテルのチェックアウトを済ませ、荷物を預かってもらいます。
トレッキングに持っていくのは、小さなデイバックと着替えやタオル、洗面用具、カメラなど最小限のもののみ。山の上は寒いと予想されるので、パーカーも詰め込みました(実際はパーカーだけだと夏でも寒かったので、薄手のダウンかフリースを持って行った方がいいかも)
ホテルを出た後、まずはガイドさんのお母様の車に乗って市場へ。
ここで、パンとビスケットを購入します(58キルギスソム:98円)
そして、アクスー村行きのマルシュルートカ乗り場へ行き、停まっていた350番のマルシュルートカに乗り込みます。
アクスー村までは、およそ20分ほど(30ソム)。
「アルティン・アラシャン」への登山口
こちらが、マルシュルートカを下車した「アルティン・アラシャン」への登山口。
ここから、いよいよ「アルティン・アラシャン」へ向けて約5時間半のトレッキングのスタートです。
のどかな一本道を歩いていきます。
カラコルの標高は1,600mほどなので、標高約2,600mの「アルティン・アラシャン」まで、5時間半かけて1,000mを登っていくことになります。
牛が屯っていたり
登山道沿いの民家では子供が遊んでいたり
川沿いを進んでいきます。
山から流れ落ちてくる清流
歩き始めてからしばらくは平坦な道。
登山道沿いには、牛が屯っていたり、民家で子供が遊んでいたり。
横には川が流れていて、その川と並走しながらのんびりと歩いていきます。
季節は8月半ば。暑さも日差しもそれほどではなく、快適なトレッキングです。
でも、帽子と歩きやすい靴は必須ですよ!
馬に乗った人たちが通りかかりました。
針葉樹が広がる美しい風景
この辺りはまだまだ余裕な感じ。
針葉樹が広がる美しい山並みを眺めながら歩きます。
風景は最高!大自然の国、キルギスな風景です★
アップダウンも少なく、この辺りはまだまだ余裕な感じ。元気に歩いていきます。
途中、山の上から降りてくるトレッカー(西洋人が多いです)と幾度かすれ違います。
休憩ポイントでひと休み。ここからきつい登り坂へ
ゲートが立つ休憩ポイント
2時間ほど歩いたところで、木製のゲートが見えてきました。
この脇に簡単な休憩所があるというので、ちょっとひと休み&ランチをすることに。
ちなみに、写真に写っているのが、一緒にトレッキングしたガイドさんです。
このゲートの先は登り坂
ここで、ちょっとひと休み&ランチ
クッキーやパン、きゅうり
休憩所と言っても、ただ木で出来たテーブルと椅子があるだけの場所でしたが、ここで市場で買って来たパンとクッキー、そして、ガイドさんが持って来たキュウリをいただきました。
キュウリは、水分補給できるし美味しいのでおすすめ。
塩や胡椒を持っていくとより美味しくいただけると思います。
ここからは登りです(汗)
さて、休憩&ランチを済ませ、英気を養ったあと、再び「アルティン・アラシャン」に向けてトレッキング開始!
ここからは、きつい登り坂が始まります(汗)
つづら折りの道が延々と続き、高度がどんどん上がっていきます。
可愛いトラックがやって来ました!
あの川沿いの右端に見えるのが先ほどのゲート
上の写真の川沿いの右端に見えるのが、先ほどの休憩所のゲート。
いつの間にかこんなに高い所まで登ってきてしまいました!
時折、馬に乗った地元の人たちとすれ違います。
青空、白い雲、緑の針葉樹、山道を走るジープ
針葉樹が並ぶ山腹。合間にある空間は冬にはスキーコースになるのでしょうか。
山間の一本道を川と並走しながら奥へ奥へと
さらに山道をずんずんと登っていきます。
このトレッキングルート、アルティン・アラシャンまで馬に乗って行く「ホース・トレッキング」や、ジープをチャーターして行くこともできます。
ただし、なかなかの山道なので、いずれの方法でもキツい行程であるとのこと。
引き続き、息を切らせながらキツい坂を登っていくと、開けた空間が現れました。
開けた草原地帯にたくさんの馬が!
黄緑色の草地が広がる草原地帯です。
そして、草原には、草を食むたくさんの馬の姿が!
黒、白、茶の馬が草を食む、絵になる風景
針葉樹の山を背景に草原で草を食む、栗毛の馬、漆黒の馬、白馬。
絵になる風景ですね〜。
馬たちの姿に心癒された後、再び登り坂が始まります。
今度の坂はこれまでとは段違いに傾斜が急。半端じゃないキツさです(滝汗)
さらに登り。馬があんなに小さく!
山歩きに慣れているガイドさんはキツい坂をものともせず、どんどん進んでいきます。
その後ろで、滝汗を流しながらガイドさんからどんどん離されていく私。
ふと、後ろを見ると、先ほどの馬たちの姿があんなに小さく!
そして、さらに登りを進めていき、しばらくするとようやく峠の頂上に辿り着きました。
きつい山道を登り切ると視界が開けます。「アルティン・アラシャン」です!
峠を越えると一気に視界が開けました。
目の前に山に囲まれた美しい谷が広がっています。
「アルティン・アラシャン」です!
標高2,600mの温泉地「アルティン・アラシャン」到着!
「アルティン・アラシャン」の入り口ゲート
峠を下っていくと、「アルティン・アラシャン」の入り口ゲートがありました。
「アルティン・アラシャン」到着です♪
TOKYOまで5,233㎞
登山道入り口のアクスー村から16㎞。予定通り5時間半で「アルティン・アラシャン」に到着。
入り口近くには、こんなポールが立っていました。
東京まで5,233㎞、モスクワまで3,280㎞、ベルリンまで4,876㎞、パリまで5,742㎞、ニューヨークまで10,401㎞、ウェリントンまで13,391㎞
思えば遠くへ来たもんだ♪
ユルタがたくさん並びます。
緑の風景の中に映える真っ白なユルタ
標高は2,600mほど
「アルティン・アラシャン」の標高は2,600mほど。
宿泊できる山小屋は5軒ほどあり、いずれもキルギスの伝統的な住居「ユルタ」に泊まることができ、温泉にも入ることができます。
「アルティン・アラシャン」は温泉が湧く場所としても有名なのです♨︎
清流が流れ、橋を渡ったところが本日の宿泊地
山と山に囲まれた高原である「アルティン・アラシャン」
その真ん中には清流が流れており、その流れに架かる橋を渡ったところが本日の宿泊地である「VIPトラベル」です。
山から流れ落ちてきた冷たそうな水流
川沿いに小屋がありますが、あそこは温泉です。
「VIPトラベル」のユルタと山小屋
今回の宿泊は、JKSキルギス現地旅行会社に既に支払い済みですが、「VIPトラベル」の宿泊料は、一泊700ソム(1,190円)、夕食代は350ソム(595円)、朝食代は150ソム(255円)であるとのこと。
JKSのテンチクさんの話では、この「VIPトラベル」、「アルティン・アラシャン」の山小屋の中でも設備が一番充実しているとのことでしたが、他の山小屋と一見あまり大差ないような感じがしました。
上の写真の右の方に見える山小屋で食事を摂り、手前にあるユルタで宿泊することになります。
雄大な眺めです★
晴れ間の向こうに「パラータ山(テント峰)」(4,260m)の白い姿が!
青空と「パラータ山」
それにしても、「アルティン・アラシャン」の風景は本当に素晴らしいものでした。
広々とした高原の周りを針葉樹で埋め尽くされた緑の山々が囲み、谷の向こうには、万年雪をいただいた標高4,260mの「パラータ山(テント峰)」の白い峰が聳え立っているのが見えます。
話によると、ここからさらに5時間ほど急峻な山道を登った標高3,560mのところには、美しいエメラルドグリーン色の湖「アラ・コル湖」があるとのこと。
「アラコル湖」には宿泊施設はなく、テントを始めとした本格的な装備が必要なようで、今回は時間もないため断念しましたが、行ってみたかったです。
夕食にパローをいただき、ユルタで宿泊
夕食の「パロー」とサラダ
夕食には、キルギスのピラフ「パロー」とサラダが出ました。
「パロー」は、中央アジアで一般的に食べられている「プロフ」のキルギス名で、牛肉や羊肉などのお肉とニンジンやニラ、お米を入れて炊き上げたもの。キルギスの「パロー」は、ガーリックフライや赤唐辛子が香りづけとして使われることが多いそう。
この「パロー」、油っこさはありますが、かなり美味しかったです。
夕食をいただいた山小屋では、日本人の個人旅行者が何人か集まってきていて、キルギスや各国の旅の話などをしながら、みんなでお食事をしました。
夕食前には、温泉も入りました♨︎
温泉については、後ほど。
さて、夕食を済ませ、夜の帳が降り始める「アルティン・アラシャン」ですが、ここ、とんでもなく寒いです!!
季節は8月という真夏ですが、2,600mの標高は甘くみてはいけません。
防寒用としてパーカーを持ってきていたのですが、ガタガタ震えるほどの寒さ。
他の旅行者の中には厚手のダウンを着ている方もおりましたが、日本の冬並みの防寒着は持参して行った方がいいかもしれません。
こちらが、宿泊したユルタ
上の写真が宿泊した「ユルタ」です。
「ユルタ」とは、遊牧民が使用する伝統的な移動式住居のこと。モンゴルでは「ゲル」と呼ばれ、中国では「パオ」と呼ばれています。
ユルタの内部
ユルタの天井
このユルタの中も、かなりの寒さでした。
毛布を二枚重ねにして布団の中に包まり、なんとか暖をとりました。
夜中、トイレに行くためにユルタの外に出ると、辺りは真っ暗闇。
そして、ふと空を見上げると、びっくり!!
夜空一面が星で埋めつくされておりました★
高原の爽やかな朝と、極楽の温泉入浴♨︎
朝の「アルティン・アラシャン」
寒さに凍えた夜が明けました。
ユルタの外に出て見ると、朝日が眩しい!
高原の爽やかな朝です。
高原の爽やかな朝
起床して、さっそく温泉に入りに行きました。
昨日の夕方も一度入浴していましたが、「VIPトラベル」の入浴所はユルタから小川に架かる橋を渡った川沿いにあります。
洗面用具を持って、他の日本人旅行者の方(年配のおじさん旅行者)と2人で一緒に向かいました。
アルティン・アラシャンの温泉
ここが、アルティン・アラシャンの温泉が湧く、「VIPトラベル」の入浴所。
「VIPトラベル」のスタッフから渡された鍵を開け、小屋の中へ。
入浴所には、脱衣所、シャワー室(ちょろちょろシャワーがひとつだけですが)、浴室の3つの部屋があり、意外としっかりとした感じ。
山の上で入る温泉は格別の心地よさ★
服を脱いで、掛け湯をしてから、さっそく湯船にざぶり!
う〜ん、いい湯だな〜♪
寒さで凍えた体にラドン泉質の湯(源泉掛け流し)の温かさが沁み渡る感じ。
ちなみに、「アルティン」は“金”、「アラシャン」は“温泉”の意味。
16㎞の難儀な山道を登ってやっと辿り着くというシチュエーション。東洋のスイスとも謳われる絶景。
まさに、金メダル級の温泉です★
朝食の豆スープとナッツやクッキーなど
温泉に入って暖まったあと、朝食をいただきました。
濃厚な豆のスープと、ナッツやクッキーなどの簡単な朝食。
豆のスープが美味しい!体が温まります。
朝の陽の光に輝く「パラータ山」
小川のせせらぎのみが聴こえる風景
ホース・トレッキングの馬
なぜか、ブランコがありました。
食後は、しばし、朝の「アルティン・アラシャン」の絶景を堪能。
「パラータ山」が朝の日の光を浴びて輝いています。
雄大な風景の中、小川のせせらぎのみが聴こえてきます。
さあ、そろそろ出発の時間。再び、トレッキングルートを歩き、カラコルの町へと下っていきます。
さらば、アルティン・アラシャン。下りは4時間のトレッキング
「アルティン・アラシャン」を出発!
いよいよ「アルティン・アラシャン」を出発!
出発した時間は、朝9時頃。カラコルまでは4時間半、午後早い時間に到着する予定です。
上の写真、宿泊していた「VIPトラベル」のユルタがもうあんな小さく。
アルティン・アラシャン、つくづく美しい風景です★
見納めの「パラータ山」
「アルティン・アラシャン」、つくづく美しい風景です★
この風景とお別れなのはかなり名残惜しい気分でしたが、遥か遠くまで見渡せる雄大な景観、緩やかにそよぐ風、匂い、空気感、聴こえてくる音、日差しの当たる感覚など、様々なものを目と体に焼き付け、この地を発つことに致します。
さらば、アルティン・アラシャン!
下りの山道は楽チン♪
相当キツく感じた登りのトレッキングルートですが、下りは楽チン♪
スイスイと歩いて行けます。
天気も快晴。トレッキング日和です★
歩いていると、あっという間に休憩所のゲートが見えてきました。
あっという間に休憩所のゲートが見えてきました。
休憩所のゲートとミニバス
昨日と同じく、休憩所でランチ
昨日と同じく、休憩所でランチを摂ります。
ランチは、昨日と同様、市場で買ったパンとクッキー、そして、ガイドさんが持って来たキュウリをいただきました。
可愛いトラックがまた登場
食後、再び歩き始め、およそ4時間半後、登山道の入り口のアクスー村に到着!
アクスー村からはガイドさんのお母さんの車に乗ってカラコルへ約20分。
午後2時半頃、無事にカラコルに戻ってくることができました。
トレッキングガイドさん
こちらが、一泊二日のトレッキングをガイドしてくれたガイドさん。
若い女性ガイドですが、アメリカに留学していた経験があり英語が堪能。地元カラコルの出身でイシク・クル湖周辺の山やトレッキングルートなどについては詳しく、かなりのベテランガイドであるとのこと。
陽気でとても気の利くガイドさんです。
彼女のおかげで、「アルティン・アラシャン」へのトレッキングを安心して楽しむことができました。
感謝です!
アルティン・アラシャントレッキングルートMAP
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