「ウロス島」 – チチカカ湖に浮かぶ、葦でできた島【ペルー】

「ウロス島」 – チチカカ湖に浮かぶ、葦でできた島【ペルー】

ペルー ウロス島 ペルーの旅
ウロス島(ペルー)
記事内に広告が含まれています。

「チチカカ湖」は、ペルー南部とボリビア西部にまたがって広がる淡水湖。

「汽船などが航行可能な湖として世界最高所」と言われています。

琵琶湖の12倍の面積の湖には、いくつもの島があり、湖畔の町「プーノ」から船に乗って島巡りをすることができます。

今回は、チチカカ湖の島「ウロス島」についてご紹介します。

マチュピチュ」のある「アグアス・カリエンテス」の町からクスコへ戻り、丸一日高地順応のため休んだ後、クルス・デル・スル社のバスに乗り、ペルー南部、標高3,855メートルの所にある「プーノ」へと向かいました。

クスコからプーノへは約6時間ほどの行程。

このルートには、世界第2位の高所を走る観光列車も運行されているのですが、所要が10時間もかかる上、プーノ到着が夜になるということから、私は断念することにしました。

旅行中、「プーノ」で身ぐるみ剥がされたという旅行者の話を何回か聞いたことがあったからです。

スポンサーリンク

チチカカ湖畔の町「プーノ」到着

ペルー プーノプーノの「カテドラル」

 

バスは標高4,000mを超える峠を越え、一路南へと進みます。

辺りは荒涼とした大地、所々にアルパカやリャマの姿がちらほらと見えました。

そのうち、バスの窓から深い蒼色をした湖の姿が見えてきます。

「チチカカ湖」です!

紺碧の湖と、雲ひとつない真っ青な空。その間には赤茶色の山々が見え、山々の合間には、小さな建物が寄せ合うようにへばり付いているのが見えました。

「プーノ」の町です。

「プーノ」に到着してバスを降りると、町の中心にある「アルマス広場」に程近い宿「オスタル・ロス・ウロス」(シャワートイレ付きシングル 21ソル:731円)にチェックインしました。

スポンサーリンク

「チチカカ湖」とは?

ペルー プーノ「チチカカ湖」

 

「チチカカ湖」

名前を聞くだけでも神秘的な湖です。

ケチュア語での意味は「ピューマの石」であるとのこと。

面積は8,562㎢、琵琶湖の12倍の面積です。

最大水深は285m、水面の標高は3,812m、汽船が航行する湖としては世界最高所にあります。

「チチカカ湖」は、古くからアンデスに住む人々に崇められてきた神聖な湖として知られています。

インカ発祥の伝説には、2つの説があります。

ひとつは、創造神ビラコチャの命を受けた8人の兄弟姉妹がクスコに住みつき、その中のひとりがインカ創始者である「マンコ・カパック」であるという説。

もうひとつは、インカ創始者「マンコ・カパック」がチチカカ湖にある「太陽の島」に降臨し、クスコへとやってきたのだという説。

「チチカカ湖」は、後者の説の拠り所となる湖として、インカ人にとっては重要な「聖地」なのです。

チチカカ湖中には、41の島々が浮かんでいます。

かつて、スペイン人が当地を征服したとき、湖周辺に住んでいたケチュア族、アイマラ族、ウル族などの先住民たちは、湖中の島々へと逃れました。

それらの島々では、現在でも古代アンデスそのままの生活スタイルを送る人々が住んでいます。

それをクルーズ船やボートで巡って見て周るというのが、プーノでの観光ハイライトのひとつとなっているのです。

スポンサーリンク

ウロス島とタキーレ島を回るローカルボート

ペルー プーノ三輪のサイクルタクシー

 

翌朝7時半、三輪のサイクルタクシーで港へと向かいました。

港に着くと、桟橋でボートの客引きと島巡りのボートの交渉をします。

結局、私が乗ることに決めたのは、「ウロス島」「タキーレ島」を回るローカルボート(25ソル:870円)。

ツアーやチャーターではなく、ただの連絡ボートに便乗して、島巡りをすることになりました。それが一番リーズナブルで、必要十分な選択肢だったからです。

ペルー プーノローカルボートで「プーノ」の港を出港

ペルー プーノ湖面は緑色の藻に覆われていました。

 

ローカルボートは、数人の外国人と民族衣装を着た大勢のインディヘナを乗せ「プーノ」の港を出港しました。

港の付近の湖面は緑色の藻に覆われていました。

まるで草原の上を進んでいくような気分。なんとも不思議な感覚です。

ペルー プーノ湖には葦が林立しています。

 

しばらくすると船は、葦の林立する地帯に入り込みました。

黄金色の細長い葦が延々と湖を覆っています。

船は、湖面に映った葦の映像をゆらゆらと揺らしながら進んでいきました。

スポンサーリンク

葦で作られた浮き島「ウロス島」

ペルー ウロス島葦で出来た浮き島「ウロス島」

 

程なくして、湖の中に、葦で造られた住居が建ち並んでいるのが見えてきます。

葦で出来た浮き島「ウロス島」です!

ウロス島は、「トトラ」と呼ばれる葦を積み重ねて出来ており、この辺りには大小40ほどの浮島が浮かんでいるのだそうです。

大きな島には学校や教会もあるとのことですが、私の降りた島は30メートル四方ほどの小さな島でした。

ペルー ウロス島「ウロス島」に建ち並ぶトトラで作られた住居

 

船が島に着くと、トトラ作りの「ウロス島」へ勢いよく飛び降りてみました。

そして、バシバシ!と地面を踏んでみます。

「ウロス島」は、かなり頑丈なつくりをしていました。普通の地面と大した変わりはありません。

ペルー ウロス島「ウロス島」で土産物を売る人々

 

島にはトトラで造られた家が並んでいます。

観光客が多く訪れるのでしょう。家の前で土産物を売る人々がいます。売られている土産もトトラ製です。

ペルー ウロス島トトラ製の舟「バルサ」

 

島には、トトラ製の舟が横付けされていました。

この舟の名は、「バルサ」といいます。

「バルサ」は、トトラの束をヒモで縛っただけの船です。

乗ってみると、意外としっかりしていました。

 

この「ウロス島」に住んでいるのは、「ウル族」と呼ばれる人々。

「ウル族」はチチカカ湖畔において、最も古い民族だと言われています。

残念ながら純血のウル族は既に途絶え、現在住んでいるのはケチュア族やアイマラ族との混血であるそうです。

 

旅行時期:2003年7月

スポンサーリンク

続きの記事・関連記事

続きの記事

関連記事

「アンデス、ふたりぼっち」過酷な大自然の中で生きる老夫婦とその暮らしの行き着く先【映画】
南米ペルー。標高5,000mを超えるアンデスの高地。社会から遠く離れた過酷な自然の中で、先住民アイマラ族の老夫婦がふたりきりで暮らしています。そんなふたりの切なる願いは都会に出ていった息子が戻ってきてくれること。この映画は過酷な大自然の中で逞しく生きるふたりの姿と、その暮らしの行き着く先を描いた作品です。
古代アンデス文明展★アンデスの9つの文明の発掘品が大集合!
古代アンデス文明の謎を追い、その魅力を世界に紹介する「TBSアンデス・プロジェクト」。1991年にスタートしたこのプロジェクトの集大成となる展覧会「古代アンデス文明展」が、東京、上野の「国立科学博物館」で、2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日)の期間で開催されました!
♪ザ・ルーツ・オヴ・チーチャ〜ペルーのサイケデリック・クンビア(ユルさがたまらない!)
コロンビアのクンビアとアンデス先住民族の音楽、サーフ・ロックなどを融合してできたペルーの音楽「チーチャ」。このアルバムは、60~70年代にかけてペルーで大流行した知られざる音楽「チーチャ」を聴くことができる貴重なアルバムです。
アンデス地方の布、ボリビアの「マンタ」とタキーレ島の織物ベルト
ペルーやボリビアなどのアンデス高地では、インカを始めとした古代アンデス諸文明の時代から美しい手織り布が作られてきました。綿や羊毛、リャマやアルパカ、ビクーニャなどの毛を用い、複数の色糸で模様を作りだす「アワヨ」という布は、現在でも地元の人々が日常的に使用する万能布です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました