東京・池袋。東口ロータリーからグリーン大通りを進んだ東口五叉路の角、1階にセブンイレブンがあり、2階にコメダ珈琲店が入った雑居ビルの5階に、中国西北、新疆中華のお店『火焔山 新疆・味道』(かえんざん しんきょう・あじどう)はあります。
近年、中国人留学生の増加に伴い、リトルチャイナタウンと化した池袋北口(通称:池袋チャイナタウン)を中心に、在留中国人向けの、本場そのものの中国料理を提供するお店が増えてきました。
この『火焔山 新疆・味道』もそんなお店のひとつ。同じ池袋東口の南池袋パーク街沿いに同店の麺料理専門店舗があります。お店のオープンは2019年9月です。
ちなみに、『火焔山 新疆・味道』で提供しているお料理「新疆中華」は、中国西北の新疆ウイグル自治区の土着の料理「ウイグル料理」と四川料理を始めとした中華料理の味付けをミックスさせたフュージョン料理。唐辛子や花椒を効かせたホットな味付けが特徴です。
エキゾチックな中央アジア風のインテリア。お客さんはほぼ100%在留中国人
『火焔山 新疆・味道』はビルの5階
こちらが『撒椒小酒館 上野店』の入り口。お店の建物は五叉路の角にあり、エレベーターを昇った5階がお店の場所です。
看板の右上に「清真」と書かれたマークがあります。「清真」とは“汚れがない”という意味。イスラム教のことを表し、ハラール(イスラム法で許された食材や料理を扱う)のお店であることも表しています。
『火焔山 新疆・味道』の店内
エレベーターで5階に昇り、お店に入店。こちらが『火焔山 新疆・味道』の店内です。
店内空間はかなり広く、総席数は80席。座席のスペースもゆったりめで、お店の角にはライブスペースもあります。
日曜日の早めのディナータイム(17時頃)に訪問したのですが、座席は8割方埋まっていました。予約なしで訪問し、お店のスタッフに入れるか聞いたところ、18時半までならOKとのこと。お料理を食べている間にも続々とお客さんが来店し、帰る頃にはお店の入り口に5,6組ほどの行列が出来ていました。
厨房の様子が見えました!
お客さんはほぼ100%在留中国人の方。スタッフはホール・厨房ともかなりの大人数が働いており、こちらも全て中国人。
完全なアウェイ感が、まるで現地中国にあるお店にいるかのよう。異国気分を満喫できます★
ゆったりとした座席空間。インテリアは中央アジア風
こちらが座席の様子。6人掛けの座席です。かなりゆったりとしたスペース。
インテリアは、クッションカバーもティッシュボックスも、壁紙やカーテン、ランプも中央アジア・イスラム風。エキゾチックな雰囲気です★
『火焔山 新疆・味道』のバーカウンター
イスラム風のカラフルなモザイクタイル
バーカウンターの壁にはイスラム風のカラフルなモザイクタイルが飾られていました。
ちなみに、近年、北京や上海などの中国の大都市部では、中国食品の安全性が問題になる中、イスラムの教えに従って生産されるハラール食材の安全性に注目が高まっており、清真料理がブームになっているのだそう。
そんな大都市部の漢族のお客さん向けに、イスラムの戒律では禁止されているアルコールを提供する店も増えてきているのだとか。
ちなみに、お店のオーナーは中国・新疆ウイグル自治区出身の漢族の方とのこと。
『火焔山 新疆・味道』のメニュー
メニューはタブレット式。日本語表記もあります。
経典熱菜のメニュー
主食のメニュー。ラグ麺の種類が豊富
焼烤メニュー。中央アジアと言えば肉串とナン
こちらが『火焔山 新疆・味道』のメニューです。
メニューはタブレット式。メニュー項目は「特色招牌菜(特製料理)」「涼菜(冷菜)」「焼烤(焼き物系)」「経典熱菜(温野菜系)」「主食(麺類やご飯物など)」があります。
お店の看板メニューは、特色招牌菜のメニューにある「新疆風大皿鶏肉辛口煮込」。鶏肉をジャガイモ・ピーマンなどと一緒にスパイシーに煮込んだ大皿料理で、山椒がかなり効いているとのこと。注文すると、きし麺に似た幅広の小麦麺が一緒に付いてきます。
お客さんの多くがこの「新疆風大皿鶏肉辛口煮込」を頼んでおり、かなり惹かれるところがあったのですが、今回は「ラグ麺(拌面)」を食べるという目的があったので、次回のお楽しみとすることに。
タッチパネル式なので、メニュー本と違って料理の説明がほぼないし、店員さんにも聞けないため、一皿のボリュームがわからず、詳細不明な謎料理も謎なままでしたが、兎にも角にも良さそうなお料理を選択・注文確定ボタンを送信!
それでもって、今回注文したお料理は↓です。
- 过油肉拌面(油かけ肉入り混ぜ麺)1,380円
- 羊肉串(2本から)280円
- 虎皮青椒 880円
- 南瓜味薄皮包子 880円
「ラグ麺(拌面)」には、ジャガイモの千切り入り、ニラ入り、酸菜入りなどもありましたが、スタンダードな「过油肉拌面」をチョイス。
それと、中央アジア・ウイグル料理を食べるなら必ず頼みたい「羊肉串」、野菜系として見た目にインパクトがあった「虎皮青椒」、こちらも中央アジア系料理でマストの包子として「南瓜味薄皮包子」を注文。お飲み物は「青島ビール」を頼みました★
抜群の美味しさ!唐辛子の辛味の効いたラグメン「过油肉拌面」
「青島ビール」500円
注文を済ませると、すぐさま「青島ビール」が運ばれてきました!
マイルドでさっぱり・スッキリとした味わいのお馴染みの中国産ビール。
ビールをちびちび飲みながらお料理を待っていると、程なくしてお目当てのお料理が運ばれてきました♪
「过油肉拌面」(油かけ肉入り混ぜ麺)1,380円
「过油肉拌面」(油かけ肉入り混ぜ麺)です★
ウイグルや中央アジアでは「ラグメン」と呼ばれる手延べ麺を使った混ぜ麺料理で、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、東トルキスタン(中国・新疆ウイグル自治区)などで日常的に食べられているお料理です。
ラグメンの麺は、中力粉の小麦粉に塩水を加え十分にこね、粘りが出てから引き伸ばして作るとのこと。コシが強いのが特徴です。
この麺を茹で、牛のスープにトマトペーストを加えた汁で煮た具材(トマト、ピーマン、パプリカ、玉ねぎ、羊肉or牛肉、セロリ、人参など)を食べる直前に掛け、麺と混ぜて食べるのが一般的なラグメンのスタイル(拌麺(混ぜ麺)の形式:掛けラグメン)。
ちなみに、中央アジアではスープ麺スタイルの汁ラグメンの方が主流であるほか、焼うどんのような焼きラグメンもあるとのこと。
中央アジアや、もともとのウイグルのラグメンは、スパイスをほとんど使わないそうですが、中華(主に四川料理)と融合した新疆料理のラグメンは、唐辛子を始めとしたスパイスが多用されるのだとのこと。
コシの強い麺。野菜やお肉の味付けも抜群に美味しい♪
さて、『火焔山 新疆・味道』のラグメン「过油肉拌面」(油かけ肉入り混ぜ麺)のお味ですが、もう本当に、抜群に美味しかったです★
手延べ麺のほどよいコシの強さと、旨味の沁み込んだ具材、唐辛子のビビッドな辛味のマッチングが最高!これまでいただいたラグメンの中でも一番美味しく感じたラグメンでした♪
中央アジア生まれの「ラグメン」は、辛味の効いた四川料理とフュージョンすることで、さらにバージョンアップしたようです。
「羊肉串」(2本から)280円
こちらは「羊肉串」。中央アジア系のお店に行ったら、必ず注文したい一品です。
どこでいただいても大抵美味しい羊肉串。焼くことで脂が落ち、マトンの臭みが消えるのでマトンの臭いが苦手な方でも美味しくいただけます。
中央アジアだけでなく、イランやアラブ諸国でもよく食べられている羊肉串ですが、『火焔山 新疆・味道』でいただいた羊肉串は、これまでで一番美味しく感じられた羊肉串でした★
やっぱり四川料理の影響でしょうか。唐辛子を始めとしたスパイスの量が半端なく、そのビビッドな辛味が羊肉の旨味を見事に引き立てています。
何本でも食べられそうな肉串です♪
「虎皮青椒」880円
こちらは「虎皮青椒」
野菜系を食べたいってことで、メニューの中でインパクトのある見た目だったこちらを注文しました。
この「虎皮青椒」は、ウイグル料理というよりも四川料理の一品の様子。
“青椒”とは、ピーマンを含めた青いトウガラシ属すべてを指す言葉だそうで、軽く焦げた青唐辛子の皮が虎の模様のように見えることからこの名前が付いたのだそう。
『火焔山 新疆・味道』の「虎皮青椒」は、ピーマンメインで真ん中に青唐辛子が3本。酸辣湯のような酸味の強いとろみスープに浸かっていました。
肉厚のピーマンの旨味とスープの酸味がたまらない一品★
「南瓜味薄皮包子」880円
こちらは「南瓜味薄皮包子」
包子の中に、マトンのひき肉や刻み玉ねぎ、刻みカボチャなどが入った一品。
この「南瓜味薄皮包子」、ちょっとイマイチでした(汗)
注文を急かせたせいか、刻みカボチャに十分に火が通っていなくて、硬いまま。。
ちゃんと火が通っていたら、カボチャの甘味とマトンや玉ねぎの旨味、包子の食感との高相性を感じられたのかもしれません。
中国西北本場料理『火焔山 新疆・味道』
池袋にある中国西北、新疆中華のお店『火焔山 新疆・味道』
新疆ウイグル自治区の土着の料理「ウイグル料理」と四川料理を始めとした中華料理をフュージョンさせた「新疆中華」の美味しさは新鮮な驚き★
唐辛子の辛味の効いたラグメン「过油肉拌面」(油かけ肉入り混ぜ麺)や、スパイスがガッツリ効いた「羊肉串」のお味は抜群でした♪
◉『火焔山 新疆・味道』の地図・アクセス
- 住所:東京都豊島区南池袋1-26-2 近代グループビル5F
- アクセス:池袋駅東口から徒歩3分
- 営業時間:11:00~23:00
- 定休日:なし
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