巣鴨駅から徒歩8分。文京区千石の住宅街のただ中に、モンゴル料理のお店『シリンゴル』はあります。
1995年に都内初のモンゴル料理店としてオープンしたこのお店。開店以来、モンゴルの羊肉料理を提供するレストランとして、モンゴルの文化を紹介する場として、そして、モンゴルと羊肉を愛する人たちの交流の場として、長らく愛され続けてきたお店です。
お店の名前は、内モンゴル自治区に流れるシリン川。その周辺に広がる美しい草原地帯「シリンゴル地方」から名付けられているのだそう。
このお店、テレビ東京の人気ドラマ「孤独のグルメ Season9」でも紹介されたお店です。
創業1995年。都内のモンゴル料理店のパイオニア『シリンゴル』
『シリンゴル』の外観
『シリンゴル』の外観です。
お店は住宅街のただ中の、こんなところにお店があるの?って場所にあります。
建物は一軒家ですが、お店があるのは地下1階部分。
マトンの匂いなどに配慮しているのでしょうか?
ニュージーランド産の羊を一頭丸ごと仕入れ解体しているとのこと。
こちらは、店頭に置かれていたお店の紹介看板。
草原の草で育つ羊は「百薬の庫」と言われ良質のタンパク質やビタミンを豊富に含んでます。又、カルニチンを多く含みダイエットに適していると言われています。
当店ではニュージーランド産の羊を一頭丸ごと仕入れ解体しています。羊の美味しさを当店でぜひお楽しみください。
テイクアウトも可能であるとのこと。
ちなみに、この『シリンゴル』、テレビ東京の人気ドラマ「孤独のグルメ Season9」でも紹介されたお店で、連日満席となるという人気店なのだそう。
予約なしでは入れないと思われたので、ネットで事前予約して行きました。
モンゴル文字の看板
モンゴル文字で書かれたシリンゴルの看板です。隣には漢字で書かれた看板もあります。
なお、モンゴル人はモンゴル国と中国の内モンゴル自治区に主に住んでいますが、モンゴル文字が使われているのは内モンゴル自治区のみなのだそう(モンゴル国はロシアの影響によりキリル文字)。
さてさて、ディナーのオープン時間の18時になったので、お店の中へと入ります。
『シリンゴル』の店内
こちらが、『シリンゴル』の店内。
入り口を入ると、テーブル席のある空間があって、その向こうにキッチンが見えます。そして、左手奥には貸し切り個室としても利用可能だというお座敷の席があります。
このお座敷の席、ネットの投稿写真などを見ると、天井にモンゴルの移動式住居「ゲル」の覆いが被さっていたりするのですが、今回は見当たらず。
貸し切りの時専用?それとも気づかなかっただけかな?
座席は、テーブル席、お座敷席合わせて28席。開店と同時に入店したので、「席はテーブル席・お座敷席どちらでもお好きな方をどうぞ」とのこと。
今回は、お座敷席にしました♪
店内に飾られていた馬頭琴
モンゴルの伝統衣装
店内には、モンゴルの衣装とか、馬頭琴とか、絵や写真とか、モンゴルのものが所々に飾られています。
今回、鑑賞することは出来ませんでしたが、夜の8時からはお店のシェフのチンゲルトさんによる馬頭琴の生演奏が楽しめるのだとのこと。
なんでも、チンゲルトさんは、内蒙古芸術大学で馬頭琴を学び、卒業後は「内蒙古歌舞伎団」というオーケストラで馬頭琴を演奏していたというプロの馬頭琴奏者なのだそう。
演奏の時間に合わせて予約すればよかったと、ちょっと後悔。。
モンゴル揚げパンと岩塩
お座敷の席に座ると、テーブルの上に置かれていたのが、こちら。
「ボーブ」というモンゴルの揚げパンと「岩塩」です。
ボーブは、羊の油で揚げたドーナツに似たほんのり甘い揚げパン。モンゴルでは日常的に食べられているパンであるとのこと。
岩塩は、写真のおろし金で削って、お肉などに掛けていただきます。
ひまわりの種
こちらもテーブルに常備されていた「ひまわりの種」。世界中でおつまみとして食べられているひまわりの種。中国でもベトナムでも中央アジアでもおつまみの定番です。
アメリカのメジャーリーガーもベンチで食べてますね♪
黒酢
もうひとつ、テーブルに常備されていたのが、こちらの黒酢。中国産です。
今回は使いませんでしたが、たぶん、何に掛けても美味しい。
さてさて、そろそろメニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
羊肉満載の『シリンゴル』のメニュー
肉中心メニュー
野菜中心メニュー
ほとんどのメニューが羊肉
麺、米メニュー
お酒のメニュー
アミールハイ、ヨーグルト酒、桂花陳酒、杏露酒、ズブロッカ
ノンアルコールメニュー
デザートメニュー
こちらが、『シリンゴル』のメニューです。
お料理のメニューですが、冷菜や炒め物などの数品以外は清々しいほど羊肉オンリー!
注文するメニューは、事前にネットでリサーチの上、↓のお料理をチョイスすることにしました。
- 「チャンサンマハ」(骨付き羊肉のモンゴル岩塩ゆで)1,700円
- 「シリンゴルサンド」(羊肉野菜サンド (皮4枚))1,100円
- 「土豆冷菜」(ジャガイモとピーマンの冷菜)450円
- 「黄瓜冷菜」(キュウリとニンニク唐辛子の冷菜)450円
- 「小葱半豆腐」(豆腐と小ネギの冷菜)450円
- 「羊肉ジャージャー麺」1,000円
モンゴル料理とは?
ところで、モンゴル料理とはどんな料理なの?って方も多いと思うので、ちょこっと調べてみました。
モンゴル料理は、モンゴル国と中国の内モンゴル自治区で主に食べられているお料理。
伝統的な遊牧生活の料理をベースとしており、冬季には「赤い食べ物」と呼ばれる肉料理を、夏季には「白い食べ物」と呼ばれる乳製品を食べるというサイクルがあるのだそう。
主食としては、小麦を使ったパンや麺料理、炊飯したお米などが食べられますが、食事量の半分以上は肉類なのだとのこと。
肉料理は羊肉が中心で、茹でる、煮る、蒸す料理が多く、スパイスをほとんど使わないことも特徴。
乳製品は多種多様ですが、牛の乳がメイン。馬の乳は馬乳酒として用いられるのだそう。
野菜はじゃがいもや玉ねぎ、にんじんなど、寒冷地に適した根菜類が中心。
代表的な料理は、塩茹で羊肉の「チャンサンマハ」、羊肉蒸し饅頭「ボーズ」、羊肉水餃子「バンシ」、羊肉スープうどん「シュルテホール」などなど。
シンプルな骨付き羊肉の塩茹で「チャンサンマハ」が感動的に美味い★
「生ビール」650円
さてさて、注文を済ませてほどなく、お飲み物が運ばれてきました。
「生ビール」です。これは普通の一番搾りの中ジョッキ。
暑い季節はビールが一番!ぐびぐび飲みながらお料理を待ちます♪
揚げパン「ボーブ」やひまわりの種をつまみながら。
冷菜3種(土豆冷菜、黄瓜冷菜、小葱半豆腐)各450円
お料理として最初に運ばれてきたのがこちら。
冷菜3種です。
- 「土豆冷菜」(ジャガイモとピーマンの冷菜)
- 「黄瓜冷菜」(キュウリとニンニク唐辛子の冷菜)
- 「小葱半豆腐」(豆腐と小ネギの冷菜)
この3つの冷菜は南モンゴルで定番です。とりあえず今宵のディナーはこの冷菜から始めましょう。「拍黄瓜」はよく唐辛子が効いています。
羊肉メインのモンゴル料理のお供にぴったりな3種の冷菜。
それぞれシンプルな味付けの冷菜ですが、3種ともさっぱりとしていて美味しい★
ビールのつまみに最適。羊肉料理のお供としても合いそうです。
「チャンサンマハ」1,700円
ビールを飲み、3種冷菜を食べていると、本日のメインのお料理が運ばれてきました!
「チャンサンマハ」(骨付き羊肉のモンゴル岩塩ゆで)です★
これぞモンゴル‼︎モンゴルで一番代表する料理。骨付の羊肉を岩塩で煮込み、ナイフで肉をそぎ落としながら食べます。ナイフさばきはいい男の条件‼︎当店の看板メニュー。
モンゴルの言葉で、“チャンサン”は茹でる。“マハ”は肉の意味だそう。
骨付きの羊の塊肉をナイフでそぎ落とし、酸味のあるタレ、もしくは削った岩塩を付けていただきます。
肉をナイフで削いで、タレや岩塩を付けていただきます。
この「チャンサンマハ」、以前、両国にある『ウランバートル』というモンゴル料理店でもいただいたことがあるのですが、これがめちゃくちゃに旨いんです★
ナイフで骨からそぎ落とすのは骨が折れるものの、お肉は程よく柔らかく、ワイルドな肉感がありながらも、臭みはあまりなく、ジューシーな羊肉の旨味がたまりません!
う〜ん、感動的な美味しさです♪
「シリンゴルサンド」1,100円
続いて登場したお料理はこちら。
「シリンゴルサンド」(羊肉野菜サンド (皮4枚))
北京ダックのように小麦の皮にお客様のお好みに応じて羊肉や野菜を包んで食べます。最初に甘みそを塗ってから具を入れて下さい。人気メニュー。
ネットでこのお料理を見て、「絶対美味しい!」と思い、注文しました!
小麦の皮に、刻んだ羊肉、スクランブルエッグ、春雨のようなもの、きゅうり、ネギなどの具材を包み、甘味噌を付けて、北京ダックのようにいただきます。
中国の自治区である内モンゴル。中国料理の影響を感じさせる一品です。
小麦の皮に羊肉や野菜を包んで甘みそを付けていただきます。
兎にも角にも、この「シリンゴルサンド」が絶品でした♪
柔らかくしっとりとした小麦の皮自体がまず美味しいし、羊肉や野菜とのコンビネーションも、そして、何より甘味と塩辛さの塩梅がちょうどいい甘みそタレが、小麦の皮や各具材とベストマッチ★
あっという間に完食です!
「ヨーグルト酒」750円
ビールが無くなったので、追加のお酒を注文。
「ヨーグルト酒」です。
アルコール8%「球磨のヨーグルト」を100%使用したヨーグルトリキュール。コクのあるヨーグルトに日本酒の香りがしっかりと残してあります。福島、会津、曙酒造の「スノードロップ」
フレッシュなヨーグルトと日本酒の甘味&香りが美味。モンゴルのドリンクではないけど、モンゴル料理にベストマッチです★
「羊肉ジャージャー麺」1,000円
〆のお料理はこちら。
「羊肉ジャージャー麺」です。
こちらは、シリンゴルのオリジナル料理であるとのこと。
シリンゴルオリジナルの炸々麺(ジャージャー麺)。使用する肉はもちろん羊。シンプルで美味しく自慢の一品。
混ぜ混ぜしていただきます。
甘みそ味の羊肉の挽き肉がほどよくコシのある麺に絡んでとっても美味しい♪
爽やかなキュウリとの相性も抜群です★
「アイスクリーム」600円
デザートは、「アイスクリーム」をいただきました★
ゴマペーストをバニラアイスの上にかけてます。ゴマペーストでなく生ビールをかけるのも人気があります。リクエストして下さい。バニラとビールの苦味が良く合います。
生ビールをかけるというのも試したい気はしたのですが、そのままのゴマペーストバージョンをチョイス。
ゴマペーストのお味、美味しかったです♪
「スーテーツァイ」350円
アイスクリームと一緒にいただいたお飲み物は、モンゴルのミルクティ「スーテーツァイ」
モンゴルミルクティ。モンゴルでお茶と言えばこのモンゴルミルクティ。塩が入っていてしょっぱくに飲みます。
煮出したお茶に乳と塩を加えて撹拌した、モンゴルで日常的に飲まれているお茶です。
遊牧民であるモンゴル人にとって重要なタンパク源である飲み物で、各家庭でポットに入れて常備する習慣があるのだそう。
ほんのりとしょっぱさを感じる程度で塩辛くはなく、飲みやすいお茶。甘いアイスクリームと一緒にいただくと丁度いい感じ♪
「カルピス(HOT)」450円
こちらは、「カルピス(HOT)」
1919年に発売され、昭和の時代にはどの家庭にも原液のボトルが常備されていたという国民的乳酸菌飲料「カルピス」です★
カルピスは実はモンゴルと深い関係があるのです。
メニューに↑のように書かれていたので、ちょっと調べてみたところ。
カルピスは、明治から昭和にかけて活躍した実業家「三島海雲」が、内モンゴルで出会った現地の飲料「酸乳」をヒントに生み出した乳酸菌飲料なのだそう。
久々にいただいたカルピスは懐かしい味。HOTになっているせいか、なんだかモンゴルを感じさせるお味。美味しいです★
モンゴルの絵が描かれたポット
モンゴル岩塩(300円)
入り口に飾られていた牛(ヤク?)の骨
『シリンゴル』の外観
巣鴨にあるモンゴル料理のお店『シリンゴル』
モンゴル料理は、日々の食事量の半分以上が羊肉であるという、羊肉好きにはたまらないお料理。ここ『シリンゴル』では羊肉をとことん堪能することができます♪
特に、シンプルに塩茹でした骨付き羊肉の塊をナイフでそぎ落として食べる「チャンサンマハ」は絶品!。羊肉のナチュラルな美味しさを最もよく味わえるお料理です★
羊肉が苦手な方も、ぜひ一度、お試しあれ!羊肉に対する印象が180度変わること請け合いです!
◉『シリンゴル』の地図・アクセス
- 住所:東京都文京区千石4-11-9
- アクセス:巣鴨駅から徒歩8分
- 営業時間:18:00~23:00
- 定休日:定休日無し
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