東京・新大久保。
大久保通りから「イスラム横丁(百人町文化通り)」に入ってすぐの左手。食材店「バラヒ・フーズ・アンド・スパイスセンター」のある建物(新大久保イニシャルハウス)の3階に、インドネシア料理のお店『メラプティカフェ』はあります。
お店は、2009年12月のオープン。インドネシア西スマトラ州パダン出身の女性店主さんによる、本場さながらのパダン料理をいただけるお店です。
インドネシア・パダン出身のママさんが営む在日インドネシア人憩いの場
「イスラム横丁(百人町文化通り)」
こちらが、「イスラム横丁」。通りの奥から正面に大久保通り(新大久保駅方向)を見たところです。
餃子の王将の手前に、『メラプティカフェ』の入ったビルの入り口があります。
お店はビル(新大久保イニシャルハウス)の3階。
こちらが、ビルの脇にある『メラプティカフェ』の看板。
看板が設置されている場所も目立たない場所だし、日本語表記もなし。
完全に在日インドネシア人をターゲットとしている感じです。
ちなみに、看板の背景の写真は、西スマトラ高地の民族「ミナンカバウ人」の伝統的住宅「ルマ・ガダン」
通路の奥の右手に階段があり、3階まで上がります。
こちらが、お店のある「新大久保イニシャルハウス」の入り口です。
餃子の王将と、食材店「バラヒ・フーズ・アンド・スパイスセンター」の間にあります。
この通路を進んで奥の右手に階段があり、3階まで上がったところがお店です。
1階の通路に掲げられていたお店の案内
1階の通路の左手には、日本語で書かれたお店の案内表示もありました。
お店の存在が確認できて、ちょっと安心♪
『メラプティカフェ』の入り口
階段を3階まで上がって、右手に『メラプティカフェ』の入り口があります。
インドネシア国旗色をベースに「Merah Putih」と書かれていますが、日本語表記は無く、入り口の扉も中が見えずにクローズドな感じ。
入るのにちょっと躊躇してしまいますが、店内の灯りは点いていそうなので、中に入ってみることにします。
入り口の扉にはこんな張り紙が!
こちらは、入り口のドアに貼られていた張り紙。
デヴィ夫人がお電話待ってます。「デヴィ・スカルノにデンワ・カカルノ」
2/27限定で、「TV TOKYO」のロゴ。何かの番組で紹介されたのでしょうか?
『メラプティカフェ』の店内
こちらが、『メラプティカフェ』の店内です。
ドアを開けると、「いらっしゃいませ〜!」とインドネシア人らしき、元気の良い女性の声が! 店主のママさんです。
空いている席に座ってとのことなので、とりあえず着席。
店内空間は雑然としていて、結構狭いです。食べログなどには、座席は25席と書かれていますが、そんなに入れそうもない感じ。
訪問したのは、土曜の18時頃。お客さんは、在日インドネシア人の若者2人組と、インドネシア人の夫婦が来店していました。夫婦の方は大きなスーツケースを持っていたので、旅行か、もしくは来日したばかりなのかもしれません。
お店の雰囲気は、まさに、在日インドネシア人の憩いの場といった感じ。
カウンターの様子
インドネシア国旗、テレビからインドネシアのPV
店内には、インドネシア国旗などの飾り付けが天井から吊り下げられていたり、メニューが手書きだったり、花や植物が所々に置かれていたり、手作り感たっぷりな感じ。
店内のテレビでは、インドネシア音楽のPVが流されていました。
棚に並べられたおかずの数々
インドネシアの食材も販売されています。
インドネシア食材の数々
店内の棚には、インドネシアらしい、作り置きのおかずが並べられたショーケースがありました。
雑然とした感じではありますが、インドネシア食材も色々置かれていました。
ところで、このお店『メラプティカフェ』が提供する「パダン料理」ってどんなお料理なのでしょうか。
ちょこっと調べてみました。
パダン料理とは?
「パダン料理」とは、インドネシア西スマトラ州で食べられているお料理。インドネシアでは、「ナシパダン」と呼ばれます(「ナシ」は、ご飯。「パダン」は、西スマトラ州最大の都市の名前)
ちなみに、パダン料理は、この地域の民族である「ミナンカバウ人」の名をとって、「ミナン料理」とも呼ばれます。
地域的にインドに近く、インド、中近東、イスラム文化の影響を受けているスマトラ島のパダン。そのお料理は、他のインドネシア料理とは異なり、香辛料(特に唐辛子)を多用した辛い味付けが特徴です。
また、ほとんどのお料理にはココナッツミルクが使われ、長時間煮込んで作られるカレー的なお料理が多いのも特徴。
お料理の素材としては、お肉は牛肉や鶏肉、ラム、ダックなど。イスラムの地域であるため、豚肉は使われません。お魚はフナやタウナギなどの淡水魚が用いられ、野菜は、キャッサバの葉、若いジャックフルーツなどが多用されます。
代表的なお料理としては、牛肉などの塊肉をココナッツミルクと香辛料で長時間煮込んだ肉料理「ルンダン」。朝食として食べられる牛肉(水牛)のスープ「ソトパダン」などがあります。
もともとは、西スマトラで生まれた「パダン料理」ですが、インドネシア全土で食べられる料理となり、現在ではインドネシアのみならず、マレーシアやシンガポールでも人気の料理となっているのだとのこと。
さてさて、「パダン料理」の説明はこのくらいにして、さっそくメニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『メラプティカフェ』のメニュー
手書きの日本語メニュー
手書きのインドネシア語メニュー
こちらが、『メラプティカフェ』のメニューです。
メニューは、「黄色のごはん盛り合わせ(ナシクニン)」や「パダン風ごはんの盛り合わせ(ナシパダン)」といったセットメニュー。
そして、「焼き飯(ナシゴレン)」「焼きそば(ミーゴレン)」「フライドチキン(アヤムゴレン)」「チキンカレー(グライアヤム)」「エビカレー(グライウダン)」「ピーナッツソースサラダ(ガドガド)」「焼き鳥(サテアヤム)」「チキンスープ(ソトアヤム)」「肉団子スープ(バッソ)」など、インドネシア料理の定番が勢揃い!
日本語メニューには書かれていませんが、「テンペ(インドネシア納豆)」や「ルンダン(牛肉のスパイス&ココナッツミルク煮込み)」などもあります。
「ルンダン」や「ソトアヤム」もかなり気になるところでしたが、今回は、初めてということで、セットメニューの「パダン風ごはんの盛り合わせ(ナシパダン)」を注文することに。
お飲み物は、ママさんに「パダンらしいものを」とリクエストしたところ、「エス・チンチャウ」というものをおススメされたので、それをチョイス!
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
「パダン風のごはん盛り合わせ(ナシパダン)」と「エス・チンチャウ(Es Cincau)」
「パダン風のごはん盛り合わせ」1,280円
ほどなくして、お料理が運ばれてきました!
「パダン風のごはん盛り合わせ(ナシパダン)」です。
バナナリーフの上に、ローストチキン、サンバルの掛かったゆで卵、ビーフルンダン、えびせん、生野菜、ライスが載ったパダン料理の定食。
カラフルなビジュアルが食欲をそそります。
さっそくいただきましょう〜♪
ローストチキン、サンバルの掛かったゆで卵、ビーフルンダン、えびせん、生野菜、ライス
肉厚で食べ応えのあるローストチキン。サンバルの掛かったゆで卵は辛さがかなりありましたが、旨味たっぷり!
ビーフルンダンは、深みのあるビターなお味でライスに合います♪
クリスピーな食感のエビセンや、フレッシュな生野菜サラダも、プレートトータルでバランスが良い感じ。
シンプルですが、美味しいパダン定食でした★
「エス・チンチャウ」(Es Cincau)650円
お飲み物は、ママさんにおススメされた「エス・チンチャウ(Es Cincau)」
「チンチャウ(Cincau)」とは、シソ科の植物である「仙草」の茎や葉を煮出した汁をゼリー状に固めたものだそうで、暑い夏の疲労回復や、解熱剤として食される食材なのだとか。
インドネシアでは、ココナッツミルクや椰子砂糖、氷を入れたデザート的なドリンクとして供されることが多いのだそう。
実は、こちら、お料理が運ばれてくる前にサーブされたのですが、かなり甘々なお味だったので、お食事の後にいただくことにしました。
最初は、ちょっと甘過ぎと思ったのですが、ピリ辛のお食事の後にいただくと、この甘さがちょうどいい感じ。椰子砂糖の深みのある甘さとゼリー状のチンチャウのマッチングがいい感じ♪
ところで、『メラプティカフェ』のママさんですが、かなりの話好きです!
お食事をいただいている間、インドネシア人夫婦とずっとマシンガントークを繰り広げておりました(会話中の単語から、都内のインドネシア人コミュニティやモスク、インドネシア料理レストランや食材店などの情報を教えてあげていた様子)。
食後、お会計時に、ママさんにパダンについて聞いてみたところ、パダンの魅力や見どころ、パダンへの行き方やおすすめのホテルまで、スマホのサイトや動画を見せながら、延々とレクチャーしてくれました!
東京・新大久保。イスラム横丁にあるインドネシア料理のお店『メラプティカフェ』
話好きのパダン出身のママさんの作る「パダン料理」をいただけるお店。
ほぼ、インドネシア人しか来店しないであろうディープな雰囲気と、親切なママさんのマシンガントークが魅力♪
ママさんのおかげで、俄然、パダンという土地とパダン料理に興味津々となりました!
近いうちに再訪し、今度は、アラカルトの「ルンダン」や「ソトアヤム」をいただいてみたいと思います。
◉『メラプティカフェ』の地図・アクセス
- 住所:東京都新宿区百人町2-10-9 新大久保イニシャルハウス304
- アクセス:新大久保駅から徒歩1分
- 営業時間:11:30~23:00
- 定休日:月曜日
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