ここ数年、埼玉県の草加市や春日部市の南桜井には、ガーナやナイジェリア、カメルーンなど西アフリカ系の人が多く集まるようになり、西アフリカ料理のレストランや食材店がいくつも誕生しているのは、知る人ぞ知るお話。
草加市新田駅近くにある『アメイジンググレイスレストラン』も、そんな在日西アフリカ人が集まる憩いの場的なお店のひとつです。
草加在住の西アフリカ人が集まる「ガーナ料理」のお店
『アメイジンググレイスレストラン』の外観
東武スカイツリーライン新田駅から徒歩3分。メインストリートを東へ少し歩き、路地を左折した左手に、ガーナ料理のお店『アメイジンググレイスレストラン』は、あります。
お店の外観はこんな感じ。
ガーナ国旗があしらわれた真っ赤な看板。扉も真っ赤で内部の様子が見えず、半分シャッターが閉じている状態。
中に入るのにちょっと躊躇してしまいそうですが、ドアの上の電光掲示板に「OPEN」と表示されているので、どうやら営業しているようです。
『アメイジンググレイスレストラン』の入り口
入り口ドアの横には、メニューが書かれていました。日本語表記もあります。
さてさて、さっそく中に入ってみましょう〜♪
『アメイジンググレイスレストラン』の店内
こちらが、『アメイジンググレイスレストラン』の店内です。
店内は、お店というよりも、在住アフリカ人が集まる集会所って感じ。
座席は15席くらい。土曜日の遅めのランチタイムに訪問しましたが、地元の方らしい日本人女性2人組がいて、帰り際にアフリカ人男女4人組が来店しました。
お店は、ガーナ人の女性店主がおひとりで切り盛りされている様子。
店内に掲げられたガーナ国旗
「AKWABA(WELCOME)」
テレビではガーナのPVが流れていました。
コールドドリンク
店内には、ガーナの国旗が掲げられていたり、テレビではガーナのポップな音楽PVが流されていたり、なぜかダーツがあったり。
ところで、この『アメイジンググレイスレストラン』、ガーナ料理のお店ということですが、ガーナってどんな国? ガーナ料理ってどんな料理? ということで、ちょっと調べてみました。
ガーナとは? ガーナ料理とは?
ガーナってどんな国?
「ガーナ共和国」は、西アフリカにある共和政の国。ギニア湾に面した日本の3分の2ほどの面積の国で、気候は全土が熱帯に属します。
人口は3,280万人。首都はアクラ。多民族国家で、最大の民族はアカン人(人口の約45%)。イギリスの植民地支配を受けた影響から公用語は英語。国民の約7割がキリスト教徒です。
16世紀から19世紀にかけて奴隷貿易の拠点となり、その後、イギリスの植民地支配の下、カカオ豆の生産が普及し、世界最大の生産国となりました。
ガーナの最大の輸出品は金。近年は油田も発見され、原油は同国第2の輸出品となっています。
ガーナ料理ってどんな料理?
ガーナの食事は、主食にスープを付け合わせるのが基本のスタイル。
主食の種類はかなり豊富で、ヤムイモやキャッサバ、プランタンバナナ、モロコシ、トウモロコシ、トウジンビエなどがあるほか、近年では米も多く食べられているとのこと。
穀物を練って作るモチ状の主食が多く、発酵させた酸味のあるものから、発酵しない甘みのあるもの、粘度の高いものから、水分が多く滑らかなものまで様々。
主食の代表格としては、キャッサバとトウモロコシを使った「バンクー」、トウモロコシのみ使った「ケンケ」、キャッサバのみ使った「フフ」など。
付け合わせのスープは、トマトやパームオイルを多用するため、赤い色のものが多いのが特徴。具材は、牛や鶏、豚、ヤギなどの肉、ティラピアなどの魚、野菜はオクラがよく使われています。
また、お料理には「シト」(乾燥させた魚と海老の粉末を唐辛子をはじめとしたスパイスで煮込んだペースト)が必ず付いてくるのもガーナ料理の特徴です。
代表的なお料理としては、乾燥ソルガムの葉で赤く色付けされたお米を豆と一緒に焚いた炊き込みご飯「ワチェ」、トマト味の炊き込みご飯「ジョロフライス」など。
モチ状の主食の付け合わせのスープ料理も、ミネストローネのようなスープや、ピーナッツベースのスープ、パーム油をベースとしたスープなど多種多様。
また、お料理は盛り合わせで提供されることが多く、「ワチェ」や「ジョロフライス」にも、チキンの唐揚げや魚のフライ、茹で卵などがよく付いてきます。
さて、ガーナ料理の説明はこれくらいにして、そろそろ、メニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『アメイジンググレイスレストラン』のメニュー
『アメイジンググレイスレストラン』のメニュー
『アメイジンググレイスレストラン』のメニュー
バンク、ガリフーフー、ケンケ、パウンデッドヤム
ライスボールにピーナッツスープ、ヤシの実スープ
フーフープランテン、ココヤム。牛テール、牛肉、鯛、燻製魚のスープ
こちらが、『アメイジンググレイスレストラン』のメニューです。
こうしてメニューのお料理を見ると、お料理の名前が主食の名前になっていて、主食がメインなことがわかります。
まず、主食を選んで、次に主食と一緒に食べるおかずを選ぶという感じ。なかなか面白いです。
今回は、初めてということで、ガーナの国民食とも言われる「ワチェ」を選ぶことにしました♪
「マルタギネス」ガーナで人気のノンアルコールギネス
「マルタギネス」
まずは、お飲み物から。
こちらは、「マルタギネス」
「マルタ」とは、麦芽とホップを使ったビール的な飲料で、アフリカや中南米で大人気の飲料なのだそう。
「マルタ」は、麦芽とホップは加えるものの、ビール酵母は加えないため、ノンアルコールなのが特徴。ビール一歩手前って感じの飲み物です。
麦芽糖の甘味とホップの苦味が、コーラ的な感じもあり、アフリカや中南米ではエナジードリンク的に飲まれているのだとか。
「マルタ」は、各国で様々なメーカーの商品が出ているそうですが、ガーナやナイジェリアでは、「マルタギネス」が人気である様子。
「マルタギネス」、甘味が強く、アルコールのないギネスビールのようなお味で、確かにコーラ的な感じでごくごくいただけました♪
ボリュームのあるワンプレート料理「ワチェ」。仄かな苦味の調味料「シト」がアクセント
「ワチェ」1,500円
「マルタギネス」を飲みながら待っていると、程なくしてお料理が登場!
ボリューミーなワンプレートがドーンと来ました!「ワチェ」(WAAKYE)です。
「ワチェ」は、メニューの表記によると、「With Fish/Meat,gari,shito and salad」と記載されています。
プレートに載っているお料理は、下記。
- 赤いライス(ソルガムの葉で赤く色付けされ、黒目豆と一緒に炊いたご飯)
- トマトベースの赤いシチュー(肉入り)
- シト(茶色のソース)
- 魚のフライ
- スパゲティ
- 茹で卵
- ガリ(キャッサバの根の粉。上に掛かっているオレンジ色の粉)
この「ワチェ」、現地ガーナでは、朝食としていただくお料理なのだとか。
さてさて、さっそくいただきましょうか〜♪
シトの仄かな苦味がGood!
赤い炊き込みご飯は、パラパラではなくモチっとした感じの食感。黒目米がたくさん入っていて素朴なお味。トマトベースの赤いシチューは、硬く歯応えのあるお肉にトマトの酸味が絡んでなかなかのお味。
ティラピアのフライは淡白なお味。骨が結構多め。ガリは味的にはそんな印象がなかったですが、食感に変化を与えてくれる感じ。
間違いなく美味しい茹で卵と、おかず的なスパゲティもプレート全体の味と食感にバラエティを与えてくれています。
そして、茶色いソース「シト」。想像ほど辛くなかったですが、深みのあるビターな風味がかなりGood♪ ライスや魚、スパゲティなど、主食やおかずに掛けていただくと、一気に味わい深くなる感じ。
ガーナ料理の「ワチェ」、アフリカ料理の中では、かなり食べやすい一品ではないでしょうか〜♪
草加市新田駅近くにある、ガーナ料理のお店『アメイジンググレイスレストラン』
在日ガーナ人が集まるこのお店は、ガーナ料理のメニューがかなり充実! 日本語でメニューが書かれているのも嬉しいポイント♪ アフリカ料理に興味がある方なら、ぜひおすすめしたいお店です。
お店は一見入りづらそうですが、笑顔が素敵なガーナ人店主のママさんは、とっても気さくで親切な方。カタコトの日本語で説明してくれます。
◉『アメイジンググレイスレストラン』の地図・アクセス
- 住所:埼玉県草加市金明町351-6 1F
- アクセス:東武スカイツリーライン新田駅 徒歩3分
- 営業時間:12:00~20:00
- 定休日:火曜日
コメント