2017年8月8日(火)~9月24日(日)の期間、渋谷の松涛美術館で開催されている『畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華』。
インドの染織布の素晴らしさを実感。
インドという枠にとらわれず、楽しむことのできる展覧会でした。
インドに咲く染と織の華
9月24日(日)まで渋谷の松涛美術館で開催されている『畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華』に行ってきました。
松涛美術館は初めて行きましたが、住宅街の中に紛れているこじんまりとした落ち着いた美術館で、居心地が良かったです。
入館料は、なんと500円!
大きい美術館でないにしろ、ワンコインとは優しいですね♪
入口入ってすぐの窓口で入館料を支払うと、記念にと、インドの紋様がプリントされた”しおり”をいただけました。
こういうオマケ的なちょっとしたサービスが嬉しいです。
展示室は、地下1階と地上2階の2フロア。まずは、地下1階へ。
中央には、たくさんのカラフルな細長い布が天井から吊り下げられていて、壁には大きなインドの染織品が展示されています。
そうそう、この展覧会、作品の写真撮影が可なんです。
『SNS等で紹介してください』と書いてあったので、たくさん写真を撮ってブログでご紹介します!
インドの布ですぐに思いつくのが、木版捺染(ブロックプリント)です。
個人的にもブロックプリントは大好き。
手で彫った木版に染料を塗って版画のようにプリントを重ねていくので、とても優しくて色味も絶妙です。
模様も色もかなりツボです。
このように、綿の布に色々な文様を色々な色で描き、型押しであらわしたものは「更紗(さらさ)」と言われ、インドの布製品の中では特に有名なものです。
17世紀頃は、ヨーロッパでも綿をカラフルに染めることはできなかったため、インド製の綿布は日本だけでなくヨーロッパでも憧れの的だったそうです。
展示されている布は、1700年代~1900年代にかけての「更紗」を始め、色鮮やかなインドの木綿の布が中心となっています。
華やかな文様の布。
とても素敵です。ずっと見ていたい感じ。
これらは、ヨーロッパへ輸出されベッドカバーなどに使われた布のようです。
ほんとに色合いが素晴らしい!
しばし、色々な色と文様をお楽しみください♪
どうでしょう。うっとりしてしまいますよね!
ところで、勾玉の形の柄の「ペイズリー」は、もともとインドでは「ブータ」「カルカ」と呼ばれていて、17世紀頃のカシミールショールにすでに見られていたそうです。
それなのに、この柄が「ペイズリー」と呼ばれるようになったのは、インドがイギリスの植民地時代にスコットランドの工業都市ペイズリーで大量に模倣され、出回ったことからその都市の名前に定着していったのだそう。。
こちらは、なんとパッチワークです。
すごく細かい! これは気の遠くなる作業ですね。。どのくらいの時間がかかったのでしょう。。
インドの手仕事は、本当に素晴らしいです。
フロアの真ん中に展示されていた、天井から吊るされた細長い布。
これ、何だろうと思ったら、なんとターバンでした。155本あるそうです。
ターバンってこんなに長いんですね。
儀礼用のターバンとして使われていたらしく、立派なターバンボックスも展示されていました。
インド人のイメージは、ターバンを巻いている姿ですが、ターバンを巻くのはシーク教徒のみ。しかもシーク教徒はインドの人口のたった2%しかいないそうです。
そして今では、シーク教徒でも若者はターバンを巻いたり、髭を伸ばしたりする人は少数になっているようです。。
広大なインドでは、地域によって作られている布が異なります。
展示されている布には、染織が行われた地域名が書かれているので、この地図で確認すると、この辺りの布なのかーと、より興味深く見ることができます。
私はやはり、ブロックプリントで有名なジャイプールに興味津々です。
エレベーターで2階へ上がります。
2階はまたかなり落ち着いた雰囲気です。
こちらは、”絞り”だったかな。
光沢のある布。サリー用でしょうか。
素朴な鳥の柄がかわいい
珍しい落ち着いたグレー
素敵すぎる! カシミールショールです。
この色、柄、やわらかい感じが何とも言えません。。
パッチワーク?
ミラーワーク
これもかなり素敵です☆
白地もシンプルでいいです!
ブロックプリントの木版も少し展示されていました。
これは、かなり大きいもの。ペイズリー柄ですね。
とても細かい手彫りが素晴らしい! これぞ職人技です!!
刺繍(刺し子)の布。
とても細かいステッチで、相当な時間がかかってるのでは。
地域によって刺繍の種類も異なるようですが、刺繍やパッチワークは特別な技法はいらないので、インド全土の民衆によって作られてきたそうです。
2階は、中央に大きなソファとテーブルがあって、そこでちょっと休憩することもでき、テーブルには、展覧会の図録の見本も置いてあって、ゆっくり見ることができました。
規模の大きい美術館だと、人も多く疲れてしまうこともありますが、松濤美術館は、適度な大きさに適度な人の入り具合で、なんだかとても居心地の良い美術館&展覧会でした。
展示物も見応えがあって、素敵な布をたくさん見られて、心も満足した休日となりました♪
※会期は、9月24日(日)までです。
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