「バジュランギおじさんと、小さな迷子」★故郷を探してパキスタンへ二人旅【映画】

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」★故郷を探してパキスタンへ二人旅【映画】

【映画】バジュランギおじさんと、小さな迷子 エスニック映画館
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インドからパキスタン——

700キロの二人旅が、世界を笑顔に変えていく

映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』公式サイト

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インド映画歴代興行収入第3位の大ヒット作!

2015年公開のインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(原題:Bajrangi Bhaijaan)

2015年のインド映画興行収入No.2。インド国内の30近くもの映画賞を受賞し、映画批評サイトRotten Tomatoesで満足度100%をマーク。現在でも『ダンガル』『バーフバリ』に次ぐインド映画世界興収歴代第3位を継続中という大ヒット作品です(日本での公開は2019年1月)。

主演は、ボリウッド映画の希代のヒットメーカーであり、ボリウッド三大カーンの一人と言われる「サルマン・カーン」

これまで肉体派アクションスターの役柄が多かった彼が、お人好しの青年役に挑んだということでも注目された作品です。

コメディータッチのドラマをベースに、インド・パキスタン間の政治問題にも一石を投じた意欲作です。

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熱烈なハヌマーン信者の青年と、迷子のパキスタン少女の二人旅

パキスタン北部の小さな村に住む少女シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)

彼女は生まれつき言葉を発することが出来ないという病?を抱えていました。

そんなシャヒーダーを心配した村の長老は、彼女の両親に隣国インドのデリーにある「ニザーム・ウッディーン廟」に願掛けに行くことを勧めます。

インドはパキスタンと紛争状態にある国。軍人経験のある父にビザは降りず、母がシャビーダーを連れて行くことになりました。

 

インドに入国し、無事に願掛けを済ませた2人。列車に乗り、パキスタンへと向かいます。

ところが、国境付近で列車が停車した際、シャヒーダーが列車を降りてしまい、ひとり置き去りにされてしまうことに・・・。

取り残されたシャヒーダーは、通り掛かった貨物列車に乗って近くの町に辿り着きますが、言葉の喋れない少女である彼女。どうすることもできません。

そんな時、彼女と居合わせたのが、ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者である純朴な青年パワン(サルマン・カーン)でした。

シャヒーダーと出会ったパワンは、これも、ハヌマーン神の思し召しだとして、彼女を預かることにし、彼女の親の居所を探し始めます。

けれども、ある時、彼女がイスラム教徒であることを知り、さらに、あろうことかインドと対立するパキスタン出身であることも判明してしまいます!

家族の猛抗議、ハヌマーン信者としての葛藤。パキスタン大使館からの身元が明らかでないため対応できないという冷たい返事、悩むパワン・・・。

けれども、彼はパスポートもビザもなしにパキスタンへ密入国し、シャヒーダーを家族の元へと連れていくことを決意するのです。

手掛かりもないまま、パキスタンへ向かうパワンとシャヒーダー。

果たして2人は彼女の故郷を見つけ出すことができるのでしょうか!

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印パ対立という重い現実に投じられた爽やかな一石

純真無垢な主人公が素朴な正義感から社会問題にガチでぶつかり、本当に大切なものは何なのかを人々に問いかける。

インド映画大ヒットの方程式。最近こういう作品が増えてきている印象です。

昔からインドの大衆映画は、辛く苦しい現実を忘れ、束の間の幸福な夢を味わうことが出来るものとして、人々に支持されてきました。

美男美女の自由奔放な恋愛、エロチックな衣装、豪華絢爛な宮殿、横暴な権力者を打ち負かす勧善懲悪なストーリー・・・。

人々は、芸術映画であるサタジット・レイの『大地のうた』のような、リアリティーのある辛く苦しい現実ではなく、夢の世界を見せて欲しかったのです。

 

けれども近年、インド社会が大きく変貌するとともに、インドの大衆映画も昔とは随分と変わってきているようです。

夢が、もうちょっと現実的になってきている感じでしょうか?

都市部での生活が欧米化してきたことや、比較的裕福な中流層が増えてきたということもあるのでしょう。

そんな時代におけるインドの人々の夢。それは、どうにもならない状態に思えるインドとパキスタンの対立、そして、ヒンドゥーとイスラムの対立の解決なのかもしれません。

 

パワンは、インド人でありながら、熱烈なヒンドゥー教信者でありながら、時には法を破り、宗教的な戒律を破り(神様に謝りながらも)、シャヒーダーを助けるために奮闘します。

人として正しいと思ったことを自らの危険を顧みず行うパワンの姿に人々は感動するのです!

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目と表情だけで表現し切った若干6歳の演技力

感動を呼ぶストーリー、印パ問題を背景とした物語の深み以外にも、この映画には魅力がたくさん詰まっています。

特に、若干6歳のシャヒーダー役のハルシャーリー・マルホートラの演技が素晴らしいです!

言葉を発することが出来ない役柄ながら、表情と目だけでシャヒーダーの感情を表現しきっています。

その愛くるしい姿は魅力たっぷり!

 

脇を固めるキャストもパワンとシャヒーダーをよく引き立てています。

しっかりと自分を持ったパワンの彼女ラスィーカー役のカリーナ・カプール

パワンの行動を世の中の人々に知らせようと奮闘するジャーナリスト、チャンド・ナワーブ役のナワーズッディーン・シッディーキー

信仰に厳格なラスィーカーのお父さんや、国境警備隊のパキスタン軍人、パワンたちが逗留することになったモスクの白髭の宗教指導者など、みんないい味出してます。

シャヒーダーの故郷、パキスタン北部(ロケ地はインド北部カシミール地方)の壮大な山岳風景の映像も作品の魅力的な要素のひとつ。

そして、涙無くしては観れない感動のクライマックス!

ストーリー展開も結末も最初から予想出来てしまうストレートな作品ですが、わかっていても涙が溢れてきます。

 

2015年公開のインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』

インド映画が好きな人はもちろん、インド映画を観たことが無い人にも強烈におススメしたい作品。笑いと涙に溢れた、満足すること間違いなしの大傑作です★

キャスト

パワン(バジュランギ)  :サルマン・カーン
シャヒーダー(ムン二)  :ハルシャーリー・マルホートラ
ラスィカー             :カリーナ・カプール
チャンド・ナワーブ  :ナワーズッディーン・シッディーキー

スタッフ

監督・脚本  :カビール・カーン

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