バルカン諸国(旧ユーゴスラビア)の旅。
“アドリア海の真珠”とも謳われる南クロアチアの都市、世界遺産「ドゥブロヴニク(Dubrovnik)」の旧市街街巡り。
午前中は、バニェ・ビーチやスルジ山で旧市街の街の眺めを堪能し、ドミニコ会修道院や聖母被昇天大聖堂などの旧跡を巡りました。
午後は、フランシスコ会修道院や旧港、そして、城壁の上を歩きます。
オノフリオの大噴水
旧市街のメインストリート「プラツァ通り」
ランチをいただいた後、街歩きを再開♪
旧市街のメインストリート「プラツァ通り」をぶらぶら散歩していると、西の入口のピレ門近くにある「オノフリオの大噴水」に辿り着きました。
「オノフリオの大噴水」
「オノフリオの大噴水」の水場
「オノフリオの大噴水」は、12㎞離れたドゥブロヴァチュカ川から水を運ぶため、建築家オノフリオ・ジョルダーノ・デラ・カヴァの設計により、1438年に建設されました。
大噴水はドームで覆われており、かつては多くの彫刻や装飾で飾られていましたが、1667年に起こった大地震により、それらの装飾は失われ、現在では水の注ぎ口に顔のレリーフが残るのみとなっています。
噴水の水は飲むことも出来ます。
フランシスコ会修道院(マラ・ブラーチャ薬局)
「フランシスコ会修道院」の外観
「オノフリオの大噴水」を見た後、大噴水のすぐ向かい側にある「フランシスコ会修道院」を訪れました。
この修道院の中には、ヨーロッパでも3番目に古い薬局があります。
「フランシスコ会修道院」の入口
こちらが、「フランシスコ会修道院」の入口。
入場は、4月〜10月までは9:00〜18:00。11月〜3月までは9:00〜14:00。入場料は40kn(640円)です。
回廊の壁に描かれたフレスコ画
「フランシスコ会修道院」は、14世紀に建てられました。
当初、この修道院は城壁の外に建てられたそうですが、外敵から守るために現在の城壁の中へと移されました。
回廊の壁には、聖フランチェスコの生涯などが描かれたフレスコ画があります。
「フランシスコ会修道院」の回廊のアーチ
修道院の内部には、美しいアーチを持つロマネスク様式の回廊があります。
14世紀当時の姿をそのまま残すアーチの回廊。美しいです。
修道院内には宗教画や宗教用具なども展示
修道院内に掲げられた宗教画
古のドゥブロヴニクを描いた絵画(フランシスコ会修道院)
回廊の奥は博物館になっており、宗教画やかつて使用された礼拝用の衣装や宝飾品などが展示されています。
古のドゥブロヴニクを描いた絵画も掲げられていました。
薬が入れられていた壺などが展示されています。
「フランシスコ会修道院」には、1317年に開設されたクロアチア最古かつ、ヨーロッパで3番目に古い薬局「マラ・ブラーチャ薬局」があります。
薬局では14世紀当時からの同じ製法で調合されたクリームが販売されていて、地元の人に愛用されているとのこと。
上の写真は、博物館に展示されている、中世の当時に実際に使用されていたという薬草を入れる壺や処方箋、薬を調合する秤など。
修道院内には、薬局の他、治療院や病院などもあります。
なお、薬局は入口から入ってすぐのところにありますが、写真撮影は不可です。
薬局で購入したローズウォーター
薬局で購入したクリーム
薬局では、ローズウォーターとクリームを購入しました。
商品を入れる買い物袋がお洒落な感じ★
ドゥブロヴニク旧市街、路地歩き
ホテル前の路地の風景
「フランシスコ会修道院」を訪問した後は、世界遺産ドゥブロヴニク旧市街の路地歩き。
ドゥブロヴニクらしい石造りの建物が並ぶ階段を見て回ります。
洗濯物が干されています。ドゥブロヴニク旧市街の人口は約28,000人とのこと。
ドゥブロヴニク旧市街は階段と坂道が多い町
街はかなり高低差があるので結構息が切れます。
クリーム色の石造りの建物が並ぶ街並み
14〜15世紀から続く歴史ある街並み
街は世界遺産に登録されています。
どの路地も雰囲気抜群でとっても魅力的★
洗濯物が干されていたり、階段に座ってまったりする人がいたり、人々の生活の様子が垣間見えます。
建物に絡まった緑の蔦とか、クラシカルな街灯とか、味があります。
船の手作り模型を売るお店
路地沿いに船の手作り模型を売るお店がありました。
ドゥブロヴニクは、歴史的に海洋貿易で栄えた都市。
ドゥブロヴニクを擁した中世の都市国家「ラグーサ共和国」は、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアと共に5つの海洋共和国に数えられ、15世紀から16世紀にかけて特に発展したのだそう。
路地歩きを堪能した後は、ラグーサ海洋共和国の礎となった、旧市街の北東にある旧港へと向かいます。
旧港
ドゥブロヴニクの旧港の様子
こちらが、ドゥブロヴニクの旧港です。
もともとドゥブロヴニクは、ボスニアやセルビアで産出される鉱石の積み出し港として栄えていましたが、15世紀にオスマン帝国がバルカン半島に進出すると、その宗主権を容認。
ライバルのヴェネツィアが、オスマン帝国と敵対し何度も戦火を交え、交易が度々停滞したのとは対照的に、その繁栄を強固なものにしていきました。
旧港から見たドゥブロヴニクのシティハーバー
旧港でねこが日向ぼっこ
聖イヴァン要塞の裏手には市民の憩いの場が
旧港の波止場沿いをクルーズ船や釣り船などを眺めながら歩いていくと、海洋博物館がある聖イヴァン要塞の裏手に出ます。
聖イヴァン要塞の裏手は市民の憩いの場となっており、堤防の上で日光浴をする人や、サッカーやバスケをする人、海で泳いでいる人などがいました。
ここで、堤防に座ってちょっとひと休み。
アドリア海の紺碧の海が広がっています。
水球の練習をしている若者たちがいました。
アドリア海の紺碧の海と向こうに浮かぶロクルム島。
海には、大きなクルーズ船が航行していたり、カヌーを漕ぐ集団がやってきたり、水球を練習する若者たちがいたり。
そんな様子をのんびりと眺めます。
ドルチェビータ
旧市街の路地の風景
海べりでのんびりした後、ちょっと甘い物が食べたくなったのでアイスクリームを食べに行くことに。
路地裏にあった教会
ジェラート屋さん「ドルチェビータ」
路地裏にあったジェラート屋さん「ドルチェビータ」です。
さっそく店内へ。
ジェラートの種類がたくさん!
レモン&ピスタチオのアイス
ショーケースには様々な種類のジェラートがたくさん!
どれにしようか迷います。
結局、レモンとピスタチオのアイスをチョイス!
テイクアウトもできますが、座りたい気分だったのでイートインすることに。
お値段は24kn(384円)
ジェラートはもちろん美味しかったです♪
さて、そろそろ時刻は夕暮れ時。
ドゥブロヴニク観光のハイライトのひとつである城壁へと向かいましょう〜★
城壁の上からはドゥブロヴニク旧市街の美しい街並みを見下ろすことができます。
日中の日差しが強烈な夏のドゥブロヴニク。
夕暮れ時が城壁歩きをするベストな時間帯なんです。
城壁
旧市街の城壁に登って街をぐるりと一周!城壁は夏季8:00~19:30入場できます。
ドゥブロヴニク旧市街を取り囲む城壁は、周囲約1,940mの長さがあり、城壁の上は遊歩道として、約1時間ほどでぐるりと一周できるようになっています。
城壁の入口は、西のピレ門の近くと、北東のドミニコ会修道院の側、南東の聖イヴァン要塞の脇の3箇所です。
今回は、西のピレ門の近くの入口から入場しました。料金は200k(3,200円)。夏季の入場可能時間は8:00~19:30です。
城壁の上から見たオノフリオの大噴水
城壁に登るとまず最初に、眼下に「オノフリオの大噴水」が見えました。
ドーム型の大噴水と、大噴水の周りで憩う人々の姿が見えます。
ドゥブロヴニクの中で最も高い建物「ミンチェタ要塞」
正面に見える塔は「ミンチェタ要塞」
「ミンチェタ要塞」は、ドゥブロヴニクの中で最も高い建物であり、この要塞の上からはドゥブロヴニク旧市街の街並みの全景を見下ろすことができます。
城壁は一方通行(反時計回り)なので、ピレ門から入った場合、ぐるりと一周回った最後に訪れることになります。
ドゥブロヴニク城壁は周囲約1,940mもあります。城壁の厚さは約5m、高さは約20m。
城壁から新市街の方を眺めます。
城壁が最初に造られたのは7世紀ですが、主要部分は12世紀〜17世紀に掛けて造られたもの
左手に旧市街の街並みのオレンジ色の屋根が見えます。
夕方の斜めから差し込む陽の光を浴びて、屋根のオレンジ色が鮮やかに輝いています。
城壁は7世紀に最初に造られたそうですが、現在残る主要部分は12世紀〜17世紀に掛けて造られたものであるとのこと。
アドリア海沿岸の岸壁に沿って城壁が築かれています。
右手に紺碧のアドリア海、左手にオレンジ屋根の旧市街
城壁の南西に向かうと、アドリア海の紺碧の海が右手に現れます。
城壁のクリーム色と屋根のオレンジ色、アドリア海の紺碧の青。
見事な色彩のコントラスト♪
聖イヴァン要塞の裏手あたり
オレンジ色の屋根が連なるドゥブロヴニク旧市街の街並み
城壁を歩いて町の南東側、聖イヴァン要塞の辺りまで差し掛かりました。
城壁の遊歩道には、南側の途中にカフェとトイレが1カ所あるだけなので、入場する前にトイレを済ませておいたり、水分を持参したりした方が良いと思います。
城壁から旧港を眺める
夕暮れの旧港
たくさんのボートが停泊しています。
城壁の東側を北上していくと、右手に旧港が現れました。
ドゥブロヴニク繁栄の礎となった港の風景を眺めながら歩いていきます。
北側の城壁からは見事な旧市街の眺めが!
中世そのままの風景です。
日中は日差しが強烈なので、城壁を歩くのは夕暮れ時がおすすめ
城壁の北側にやってきました!
北側は高台に位置していて、旧市街の街並みを上から見下ろすことができます。
城壁からの眺めは北側からからがベストです★
城壁の入場は200kn(約3,200円)もしますが、その価値は十分あり
一面に広がるオレンジ色の屋根瓦
屋根のオレンジ色とアドリア海の青のコントラスト
何枚も写真を撮ってしまいます。
一面に広がるオレンジ色の屋根瓦。
城壁の入場は200kn(約3,200円)もしますが、その価値は十分あります。
みなさん写真を撮りまくり!
城壁は反時計回りの一方通行
夕方の日差しに照らされたドゥブロヴニク旧市街の街並み
オレンジ色の屋根で統一されています。
ドゥブロヴニク旧市街の城壁からの眺め。まさに絶景です★
城壁の一番の絶景ポイントは、ドゥブロヴニクで最も高い建物である「ミンチェタ要塞」の上から。
オレンジ色の屋根の街並みとアドリア海、その中に浮かぶロクルム島のパノラマが一望できます。
まさに絶景です★
そろそろスタート地点まで戻ってきました。
入場して約1時間弱。スタート地点のピレ門の辺りまで戻ってきました。
ドゥブロヴニク旧市街の城壁ウォーキング、存分に堪能しました♪
さて、ディナータイムです★
モービーディック(Moby Dick)
レストラン「モービーディック(Moby Dick)」
ディナーは、旧市街の路地の中にあるレストラン「モービーディック(Moby Dick)」
シーフード料理が美味しいと評判のレストランで、日本語メニューもあるお店です。
ちょっと早めの時間だったせいか、席が空いていたので、さっそく入店。
お洒落なテーブルクロスの座席
お料理は店内でもいただけますが、ここはもちろん、路地沿いに並べられたオープンテラス席を選択!
旧市街の街並みを眺めながらのディナー、テンション高まります♪
クロアチアビール「Ozujsko(オジュイスコ)」
ビールは、クロアチアビール「Ozujsko(オジュイスコ)」を注文。
クロアチアで売上ナンバーワンの定番ビール。
アルコール度数は5%で炭酸弱め。お味は普通な感じですが、この暑さの中飲むビールは最高です★
DOLPHIN(シーフード・魚・サラダ)
お料理は、シーフードと魚、サラダのプレート「DOLPHIN」を注文。
ムール貝やエビ、イカ、お魚をグリルしたシンプルなお料理ですが、魚介の新鮮さと搾り掛けたレモンの酸味が抜群の美味しさを出していました★
「モービーディック(Moby Dick)」のテラス席
世界遺産ドゥブロヴニク旧市街の雰囲気のある路地を眺めながら、新鮮なシーフード料理をいただけるお店「モービーディック(Moby Dick)」
スタッフも親切だしオススメです★
会計は、「DOLPHIN」とトマトスープとビール2本で600kn(9,600円)
「モービーディック(Moby Dick)」の詳細は↓
夜のドゥブロヴニク旧市街
夜のプラツァ大通り
お腹が満腹になった後、夜のドゥブロヴニク旧市街をぶらぶら散歩♪
プラツァ大通りは雰囲気のある街灯でライトアップされていました。
皆さんオープンテラスでお食事しています。
夜は旧市街の随所がライトアップされます。
プラツァ大通りでは、皆さんオープンテラス席でディナーの真っ最中。
プラツァ大通りの夜は日中よりも賑やかな感じです。
聖ヴラホ教会
光り輝くステンドグラスが綺麗です。
聖ヴラホ教会の内部
こちらは、ルジャ広場の前に建つ「聖ヴラホ教会」
「聖ヴラホ」とは、316年に殉教した実在したアルメニアの司教。
伝説によると、聖ヴラホは972年、この地に現れ、ヴェネツィア軍による奇襲を事前に察知し、ドゥブロヴニクの街と住民を襲撃から守ったのだとのこと。
この伝説により、聖ヴラホはドゥブロヴニクの町の守護聖人となり、現在に至るまで千年以上もの間、人々に信仰されることとなるのです。
「聖ヴラホ教会」が建立されたのは14世紀のこと。その後、1667年のドゥブロヴニク大地震で倒壊し、1714年に現在のバロック様式の教会として再建されました。
夜の「総督邸」
夜の「総督邸」です。
「総督邸」は、ラグーサ共和国(1358年〜1806年)の最高権力者であった総督の住居であり、評議会や元老院、裁判所、公証人役場などの行政機関が置かれていたドゥブロヴニクの心臓部とも呼べる場所。
15世紀の初め、当時の有名建築家であったオノフリオ・デッラ・ツァッヴによってゴシック様式で建てられました。
現在では文化歴史博物館として、当時のラグーサ共和国の武器や貨幣、陶磁器などが展示され、見事な家具や絵画が飾られた居室なども見ることができます。
すでに博物館は閉まっていましたが、何やら内部でコンサートかパーティーなんかが行われていたようで、着飾った男女が館内に続々と入っていっていました。
旧港の夜
市民の憩いの場にはDJが出現
ぶらぶらと歩きながら夜の旧港へと向かいます。
港に停泊されたボートと背後に建つ聖イヴァン要塞。港の向こうの山の斜面には家々の灯り。
いい雰囲気です♪
旧港の裏手の憩いの場ではDJが音楽を掛けていました。
夜のドゥブロヴニクを眺めるカップル
ライトアップされた旧港
ドゥブロヴニク旧市街は、1979年に世界遺産に登録されています。
しかし、1991年にユーゴスラビアからクロアチアが独立すると、セルビア、モンテネグロを中心としたユーゴスラビア人民軍によって旧市街は7ヶ月もの間包囲され、砲撃により多くの死傷者を出したそうです。
ユネスコは、1991年から1998年までドゥブロヴニク旧市街を危機遺産に指定しています。
旧港に面したレストランの入口でピアニストによる演奏が行われていました♪
眠らない街ドゥブロヴニク
夜になるとさらに賑やかさを増す、眠らない夏のドゥブロヴニクの街。
もうちょっとこの華やいだ雰囲気を楽しみたい気もしましたが、翌日も朝早いのでそろそろホテルへと戻ることにします。
夜のホテル前の風景
翌日は、早朝のバスに乗って、ボスニア・ヘルツェゴビナの町「モスタル」へと向かう予定です。
ドゥブロヴニク、噂通り、美しい町でした★
ドゥブロヴニクMAP
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