「ダンブッラ」(Dambulla)は、キャンディの北72km、バスで2時間ほどの場所にある町。
ここには、「ダンブッラの黄金寺院」(Golden Temple of Dambulla)と呼ばれる世界遺産に登録された石窟寺院があります。
「ダンブッラの黄金寺院」は、石窟寺院としてはスリランカ最大。
中心となる5つの石窟寺院には、153体の釈迦像と3体のスリランカ王像、4体のヒンドゥー神像が祀られていいます。
また、石窟の天井や壁は、壁画で埋め尽くされていて、その総面積は2,100平方メートルにもおよぶそうです。
キャンディからダンブッラまでミニバスで行く
「ダンブッラ」までは、前日の「シーギリヤ」へ向かう時と同じで、バスで行きました。
だけど、今回乗ったのはミニバス。エアコン付きで快適!
ただし、一般のバスの2倍のRs.200(122円)します。
乗客は、ツーリストはおらず、地元のスリランカ人のみでした。
ダンブッラの街
2時間ほどで、ダンブッラの町に到着。
だけど、ちょっと降りる場所を間違えてしまいました。
キャンディから来ると、まず、最初にダンブッラ旧市街に辿り着きます。
旧市街は、町とも呼べないような街道沿いの集落。ここには、黄金色の仏像がある寺院があります。
実は、この寺院こそが、「ダンブッラの黄金寺院」なのですが、うたた寝していて見過ごしてしまい、そのまま1kmほど走って終点の新市街まで行ってしまいました!
新市街は、それなりに栄えている町。上の写真がダンブッラ新市街です。
新市街で周りの人に尋ねると、石窟寺院は1kmほど戻ったところにあると言われます。
しょうがないので、トゥクトゥクを捕まえ、石窟寺院まで行ってもらうことにしました(Rs.100:61円)。
トゥクトゥクに乗って石窟寺院へ
トゥクトゥクに乗って石窟寺院へと向かいます。
石窟寺院へはすぐ。あっと言う間に辿り着きました。
ただし、とても暑いので歩いたら結構しんどそうです。
金ぴか仏像のある麓で、チケットを購入
ダンブッラ石窟寺院入り口
バス通りの「キャンディ・ロード」沿いにこんな巨大な金ぴか仏像が座っています。
すごいインパクト!
うたた寝していなかったら、絶対に見逃すはずのない建物です。
あの金ぴか仏像の下の建物は博物館になっていて、実はそんなに見る必要もない場所。
メインの石窟寺院は、建物の左手にある階段を15分ほど登った高台にあります。
しかし、ここで注意です!
石窟寺院の入場チケットは、この麓でしか買えないのです。
チケット売り場は、建物の前の広場を右に進んだところに事務所があって、そこで購入します。
料金は、Rs.1,500(915円)
もし、チケットを買い忘れて石窟寺院まで行っても、追い返されてしまいます。
暑い中、もう一度麓まで戻って、再びきつい高さ180mもの階段を登らないといけない羽目になります。
絶対に、麓でチケットを買うのを忘れないようにしましょう。
ダンブッラ石窟寺院外観
ダンブッラ石窟寺院外観
蓮の葉と花
階段を登ること15分、「ダンブッラの黄金寺院」に辿り着きました!
炎天下の中での180mの階段は結構しんどいです。
登っている途中に、地平線まで広がる広大なジャングルのパノラマが見渡せます。
遠くに「シーギリヤ・ロック」も見えました。
入り口でチケットチェックを受け、靴を預けて石窟寺院内に入ります。
裸足で歩くと、日光に照らされた石の地面はとても熱いですが、石窟寺院の中に入るとひんやり。
さてさて、寺院の中を見てみましょう〜♪
窮屈に収まった真っ赤な足の涅槃仏
「ダンブッラの石窟寺院」は、5つの石窟で構成されています。
紀元前1世紀にシンハラ王の「ワラガムバーフ王」によって、聖地として開かれたと考えられており、「ダンブッラ」とは、「水のわき出る岩」という意味だそうです。
第1窟、デーワ・ラージャ・ヴィハーラ(Deva Raja Vihara)
寝釈迦の顔
全長15メートル
まず、入り口の近くにあるのが第1窟「デーワ・ラージャ・ヴィハーラ」(Deva Raja Vihara)です。
「神々の王の寺」という意味だそうで、内部には、全長15mの巨大な涅槃仏が洞窟の中いっぱいに収まっています。
この涅槃仏こそが、「ダンブッラ黄金寺院」の本尊仏であり、最も古い石窟でもあるそうです。
涅槃仏は、全身は金色に塗られていますが、足の裏だけ真っ赤です。
黄金仏が並ぶ最大の石窟「マハー・ラージャ・ヴィハーラ」
第2窟、マハー・ラージャ・ヴィハーラ(Maha Raja Vihara)
石窟寺院のメインである第2窟「マハー・ラージャ・ヴィハーラ」(Maha Raja Vihara)です。
「偉大な王の寺」という意味だそうで、幅約52m、奥行き約25m、高さ最大約6mの、ダンブッラ最大の洞窟です。
偉大な王とは、この寺院を建てた「ワラガムバーフ王」のことを指しているのだとのこと。
洞内には、56体の仏像が安置されていて、壮観です!
涅槃仏(第2窟、マハー・ラージャ・ヴィハーラ)
仏像がたくさん!
涅槃仏のまくら
涅槃仏パノラマ
仏像がズラリ
暗がりで見ると結構こわい
有難い仏様にお参り
広大な第2窟の内部の様子
ダンブッラ最大の見どころ、天井に描かれた鮮やかな仏画
第2窟、マハー・ラージャ・ヴィハーラの壁画
「ダンブッラ石窟寺院」いちばんの見どころは、天井や壁に描かれた壁画。
色とりどりでとても鮮やかです!
壁画の内容は、仏陀の生涯や、スリランカの歴史が中心。
紀元前から徐々に壁画は増えていき、各時代の王によって壁画は何度も修復されたそうです。
元の絵とは違う絵を上書きすることもあったようで、最初のオリジナルの絵はほとんど残っていないと考えられているのだとのこと。
仏陀の生涯やスリランカの歴史が描かれている
歴史的に修復が繰り返され、オリジナルはほとんど残っていない。
鮮やかな仏陀像
壁にも様々な模様が描かれている
第3窟の見事な壁画
第3窟〜第5窟まで。ひんやりとした石窟内で仏像と壁画を観て回る
第3窟「マハー・アルト・ヴィハーラ」(Maha Alut Vihara)の寝釈迦
第3窟「マハー・アルト・ヴィハーラ」(Maha Alut Vihara)です。
「偉大な新しい寺」という意味だそうで、18世紀後半の王、キルティ・スリ・ラージャーハーによって造られました。
第2窟の半分の広さの洞窟内に、全長9mの寝釈迦をはじめとした合計57体の仏像が、ぎゅうぎゅうにひしめき合っています。
寝釈迦のまくらの模様がきれい
第3窟の寝釈迦の全体像
第3窟の仏陀の坐像
ほかに、第4窟「パッツィーマ・ヴィハーラ」(Pachima Vihara)、第5窟「デワナ・アルト・ヴィハーラ」(Devana Alut Vihara)などの比較的新しい石窟なども鑑賞。
ヒンヤリとした薄暗い石窟内にズラリと並んだ黄金の仏像、壁と天井一面に描かれた極彩色の仏画、なかなか見応えありました★
内部は、こういった遺跡では珍しく写真撮影が許可されています。
歴史的に修復するのが前提の壁画だからなのでしょう。
「ダンブッラ石窟寺院」には、欧米人やアジア人だけでなく、地元のスリランカ人の団体も結構たくさん来ていて、仏画や仏像に真剣に手を合わせていました。
ここは、2000年前から続く、今でも生きている信仰の地です。
ダンブッラからの眺め
さて、そろそろ山を降りましょうか。
ダンブッラの丘の上からは、スリランカ中部の広大な森林風景が見渡せます。
なかなか気持ちのいい眺め♪
麓に降りると、来た時と同じくトゥクトゥクでダンブッラ新市街へ。
新市街のバスターミナルからキャンディ行きのバスに乗り、キャンディに着いたのが午後3時頃。
朝、出発したのが午前9時頃なので、約6時間のデイトリップとなりました。
旅行時期:2014年8月
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