茨城県下妻市。関東鉄道常総線下妻駅から車で15分ほど。つくばバイパスを土浦方面に進んだ左手に、パキスタン料理のお店『マーフレストラン』は、あります。
このお店、2013年には隣の常総市で開店していたようで、緑色ドームを持つシーア派モスクに併設されたディープなパキスタン料理店として、一部のマニアの間ではかなり話題になっていたとのこと。なぜか食べログ100名店にも選ばれています。
現在の下妻市に移転したのは2024年になってからだそうです。
常総市時代の店舗に行くことは叶いませんでしたが、下妻に移転しても変わらぬ美味しさとディープな雰囲気を味わえると聞いて、行ってみることにしました。
『マーフレストラン』の外観と店内の雰囲気

『マーフレストラン』の外観
こちらが、『マーフレストラン』の外観です。
かなりアクセス不便な場所にあり、近くにバス停もあるものの、ちょうど良い時間帯の便が無いので、車かタクシーを使う必要があります。
今回は車で訪問しました。
お店はつくばバイパス沿いにあるのですが、路肩に案内も無ければ、建物にも目立った看板がありません。
カーナビやGooglemapの地図をしっかりと確認し、注意深く通り沿いをチェックしていないと見落とす恐れ大です。
ちなみに、お店の建物は、以前は「かりん」という和食レストランだったようです。

『マーフレストラン』の入り口
『マーフレストラン』の入り口です。
広い駐車場に車を停め、入り口ドアに近づくと、やっと店名を確認できました。
「OPEN」の案内表示。さっそく扉を開けて店内へ。

『マーフレストラン』の店内
『マーフレストラン』の店内です。
店内に入って、思わず「おお〜っ」と声が出てしまいました。
渋い、渋すぎる!
壁の薄汚れた感じ、テーブルや床の色、ガランとした空気感。
まるで、インドやパキスタンの現地の安食堂のような風情です。
モスク併設だった常総時代の店内も見てみたかったですが、現在の店内も十分過ぎるほどディープで魅力的な空間です。

インドやパキスタンの食堂のような風情
ランチタイムでの訪問でしたが、お客さんは一人もおらず。
店員さんは、接客を行い厨房で調理もしていた男性と、厨房に男性がもう1人。
奥からは女性の声も聴こえ、後で小学生くらいの男の子も店内に入ってきました。
もちろん、皆さん全員パキスタンの方です。

パキスタン国旗、コーラン

店内に流れるパキスタンのニュース
壁にはパキスタン国旗やコーランが飾られ、店内のテレビからは、パキスタンのニュースが延々と流されています。

謎なショーケース
入り口近くには謎なショーケースもあります。
ケースの中にパキスタンのスナックが数個置かれていたり、なぜか、トルコのハイチュウ「Damla」の箱が置かれていたり。これらは、販売しているのでしょうか?
虎やパンダなど子供向けのイラストが描かれた敷物もシュールな感じ。

「MAFHH」

店内に無造作に置かれている看板
窓の下には、赤い目立つ色をした英語で書かれた大きめの店名看板が無造作に置かれていました。
これをお店の外に掲げてくれれば、もっとわかりやすいのにと思ったり。
さて、座席に座ったところで、さっそくメニューを見てお料理の物色開始です。
『マーフレストラン』のメニュー

バーベキューメニュー

カレーメニュー

カレーメニュー

ナンメニュー

スープ・デザートメニュー
こちらが、『マーフレストラン』のメニューです。
日本語メインで、手書きで英語とウルドゥー語が書かれています。
在住パキスタン人と日本人のどちらが多く来店するのかはわかりませんが、メニューは日本人のお客さんを意識して作られている様子。
お料理は、バーベキュー料理がいくつかと、カレーはナハリ(ニハリ)、ファーヤ(パヤ)、チキンカライ(カラヒ)など、パキスタン系のカレーが16種類。
ローティやナンなどの主食と、ベリヤニ(ビリヤニ)やプラオもあります。

メニューには無いけどテーブルの上に「ダンポホ」の写真も
ちなみに、メニューには無いけどテーブルの上に「ダンポホ」(ローシュ?)の写真もありました。
注文できるかどうかは不明です。
それでもって、今回は下記の料理を頼むことにしました。
- 「チキンカライ」(1,000円)
- 「ローティ」(200円)
- 「マトンビリヤニ」(1,200円)
- 「ラッシー」(300円)
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。

セットのサラダ
注文後ほどなくして運ばれてきたのが、セットのサラダ。
白鳥の形のお皿の上に、レタス、キャベツ、ニンジン、キュウリ、トマトがかなり大量に乗っていて、オレンジ色のドレッシングが掛かっています。
このサラダは、ちょっとイマイチでした。
水切りが甘いせいか、全体的に水っぽくなってしまっていて、ドレッシングも味が薄くて微妙な感じ。

「ラッシー」(300円)
続いてお飲み物が登場。
「ラッシー」です。ジョッキのような大きめのグラスでの提供です。
濃厚過ぎずさっぱりと飲めるラッシー。レモンの果肉が入っていて柑橘の酸味爽やか。これは、まずまずの美味しさ。
ラッシーをちびちびと飲み、サラダをポリポリと食べていると、メインのお料理が運ばれてきました。
「チキンカライ」と「ローティ」

「チキンカライ」(1,000円)、「ローティ」(200円)
「チキンカライ」と「ローティ」です。
土鍋に入った「チキンカライ」は、茶色のグレイビーが色鮮やか。
ほど良い焼き色と素朴な質感をした「ローティ」は2枚。
見るからに美味しそう♪ 結構ボリュームあります。
さっそく、いただきましょう〜!

「チキンカライ」
「カライ(カラヒ)」とは、肉やトマトなどの野菜、生姜、青唐辛子、スパイスなどを蒸し煮にし、スパイスの風味を凝縮させた料理と認識していましたが、『マーフレストラン』の「チキンカライ」は、グレイビーがしっかりと残ったカレー風のビジュアル。
赤みを帯びたグレイビーの色は、カシミール料理の「ローガンジョシュ」を思わせる感じ。
お味はと言うと、これは絶品! 抜群に旨いです♪
トマトベースのグレイビーは濃厚且つトマトの酸味が爽やか。ピリッとした辛味がありつつも、仄かな甘味も感じさせます。そして、何より、ゴロゴロ入ったコリアンダーシードの風味が鮮烈なインパクト! 添えられたミントも良いアクセント。
たくさん入った骨付きのチキンは肉厚でほど良い柔らかさ。グレイビーの旨味を纏っていい感じのお味に。

「ローティ」
「チキンカライ」と一緒にいただいた主食は「ローティ」
あつあつの焼き立ての「ローティ」。全粒粉の素朴なお味が濃厚且つシャキッとした風味の「チキンカライ」のグレイビーと相性抜群!
たまらない美味しさ♪
「マトンビリヤニ」

「マトンビリヤニ」(1,200円)
続いて「マトンビリヤニ」も登場!
銀色の楕円形のプレートに盛られたビリヤニは、こちらもかなりのボリューム。
青唐辛子ベースのソースが付いていました。
こちらも、さっそく賞味。

コリアンダーシードがごろごろ
グレイビーがまだらに沁みたライスは、少ししっとりめ。チキンカライ同様、ごろごろ入ったコリアンダーシードがガツンと効いていて鮮烈。青唐辛子の辛味も結構強めで、食べている間に体が火照ってきます。
骨付きのマトンは、肉厚ジューシーで繊維質な肉と、コリっとした食感でマトン臭が強めの肉があり、どちらもそれぞれ美味しい。

強烈に辛い付け合わせのソース
そして、付け合わせの青唐辛子ベースのソース。
まさに辛さの権化みたいな激辛なソースですが、このソース、ただ辛いだけじゃない深みのある辛味で、ソースを掛けて食べるとビリヤニの美味しさが数段ジャンプアップ!
しかしながら、本当に辛いので、自分の舌の限界値を超えないように、控えめに少しずつ掛けていただきました。

流石の美味しさ!
「チキンカライ」と「ローティ」2枚と「マトンビリヤニ」
なかなかのボリューム。2人でこの3品を食べて、お腹いっぱいになりました。

「チャイ」(200円)
食後のお飲み物は「チャイ」
かなり大きめのカップに入って出てきました。チャイの量も結構多め。
ミルキーで甘さもほど良く飲みやすいチャイ。
カライやビリヤニで火照ったお口を優しく癒してくれます。

「フロートカスタード」(500円)
チャイと一緒にいただいたデザートは「フロートカスタード」
結構大きめの器にたっぷり入って出てきました。これもかなりのボリューム。
ババロワのようなソフトな食感のカスタードは、もちろん甘いですが、意外にさっぱりとしていてしつこくない甘さ。マンゴーやいちごなどのフルーツも良いアクセント。
結構な量であったにもかかわらず、すいすいと食べ進められ、あっという間に完食。

外観の写真を撮っているとシェフが登場
こちらは、接客と調理を担当していたお店のスタッフ。
料理を食べ終え、お店の外に出て外観の写真を撮っていると、走りながら入り口の前までやってきて、カメラの前でピースポーズ♪
この方は、アハマドさんという方で、出身はパキスタン北部のスカルドゥであるとのこと。
スカルドゥ近くのギルギットには行ったことがあると伝えると、アハマドさん、嬉しそうな顔になりました。

『マーフレストラン』
下妻にあるパキスタン料理のお店『マーフレストラン』
コリアンダーシードが鮮烈に効いた「チキンカライ」、青唐辛子の辛味がしっとり目のライスと合う「マトンビリヤニ」。どちらも美味♪
まるで、現地パキスタンの食堂のようなディープなお店の雰囲気も魅力です。
アクセスは不便ですが、いつかまた再訪し、他のお料理も食べてみたいです。
日本語カタコトだけど、にこやかで親切なお店のスタッフもGood!
『マーフレストラン』の地図・アクセス・営業時間
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