韓国、朝鮮の伝統民謡である「アリラン」
韓国人、朝鮮人なら子供から老人まで誰でも歌えるそうです。
そんな朝鮮民族の「こころの歌」を聴くため、私はアリランの公演「倡優(チャンウ)アリラン」を鑑賞しに行きました。
韓国、朝鮮民族の心の歌、アリランを聴きました♪
「北村倡優劇場」
倡優アリランが行われる「北村倡優劇場」は、客席100席ほどの小劇場。
場所は、昌徳宮の正門から徒歩2分ほどの、北村韓屋マウルの入り口にあります。
パンフレットには、
北村倡優劇場は、韓国演劇の始まりである「マダン劇」と「パンソリ」を舞台化した唱劇と韓国伝統演戯祭りの開拓者であり先駆者だった演劇演出家の故許圭(ホギュ)先生(1934~2000)によって建てられた小劇場である。
と書かれています。
韓国伝統芸能に携わる人々の熱い思いが込められた劇場。
それが、「北村倡優劇場」です。
倡優アリランの公演は約1時間ほど。
アリランやパンソリなどの伝統音楽と、現代的にアレンジされた音楽が演奏されます。
上の動画は、伽耶琴(カヤグム)の並唱グループ「カヤスル」によるアリランです。
伽耶琴は、朝鮮半島を代表する伝統弦楽器で、3世紀から6世紀頃に半島南部にあった国、伽耶で生まれた楽器です。
どこか懐かしく感じられるようなメロディー。
日本の歌で言えば、唱歌の「ふるさと」みたいな歌ですね。
「アリラン」とは、伝説上の峠である「アリラン峠」のことを意味します。
もともと、アリランは咸鏡道地方の農民歌だったそうですが、日韓併合時代に公開された映画「アリラン」の主題歌になったことにより、全国に広まったのだとか。
カヤスルのリーダーの女性
スクリーンには日本語の字幕(英語も)も
倡優アリランでは、アーティストたちが歌うだけでなく、観客にもアリランを歌わせます。
サービス精神旺盛なカヤスルのリーダーの女性。
「さん、ハイ!」っていう感じで、皆さんを歌わせました。
聴衆は韓国人ばかりだったので、皆さんちゃんと歌っていました。
ちなみに、スクリーンには日本語の字幕(英語も)も用意されているので、日本人も一緒に歌うことができます。
♪アリラン アリラン アラリヨ(アリラン アリラン アラリヨ)
♪アリラン コーゲルル ノモカンダ(アリラン峠を越えて行く)
♪ナルル ポリゴ カシヌンニムン(私を捨てて行かれる方は、)
♪シムニド モッカソ パルビョナンダ(十里も行けずに足が痛む)
この歌詞には、朝鮮民族の民族感情である「恨(ハン)」の感情が表わされているといいます。
Wikipediaは「恨」について、次のように紹介しています。
「朝鮮文化における思考様式の一つ。古田博司は朝鮮文化における恨(ハン)を「伝統規範からみて責任を他者に押し付けられない状況のもとで、階層型秩序で下位に置かれた不満の累積とその解消願望」と説明している。」
カヤスルは、昔ながらのアリランだけでなく、現代風にアレンジした新しい民謡も披露してくれました。
動画は「豊年歌」という伝統民謡の現代風アレンジ「新豊年歌(シンプンニョンガ)」です。
この曲では、本来の12弦ではなく、現代風にアレンジされた25弦の伽耶琴が使われているそうです。
ドラマチックで明るい曲調。
哀愁を帯びたアリランとはまた違った魅力があります。
伝統歌を演奏する彼らもアーティスト。
伝統を伝え広めるだけでなく、日々新しい表現を創造し続けているんですね。
「パンソリ」
倡優アリランでは、他にも様々な伝統音楽、アーティストの演奏が楽しめます。
上は、「パンソリ」。
歌い手が物語性のある歌を歌い、太鼓が演奏する、ユネスコの無形遺産にも指定されている伝統歌です。
ゴスペル風で伝統歌を歌うグループ
こちらは、伝統民謡と現代的な音楽をミックスさせたアーティストのパフォーマンス。
上はアカペラのゴスペル風で伝統歌を歌うグループです。
「フュージョン国楽」という音楽を演奏する「アヤナ」
上はジャズやラテンテイストで伝統民謡をアレンジし、ラップや歌謡のヴォーカルが入った「フュージョン国楽」という音楽を演奏する「アヤナ」というグループです。
バラエティーに富んだアーティストたちの競演。
かなり聴き応えがありました。
司会の女性
ちなみに、上は司会の女性。
ニュースキャスター風の、ソツがなく気配りも上手そうなタイプです。
聴衆に日本人は私ひとりでしたが、しっかりと日本語説明をしてくれました。
韓国の伝統民謡を学び、体験できる「倡優アリラン」
エンターテインメントとしても楽しめますし、おすすめです。
倡優アリランの公演は、毎週金・土・日の午前11時から(2011年の情報です)。
チケットは、R席が30,000ウォン、S席が20,000ウォン。
住所は、ソウル市 鍾路区苑西洞158-2(서울시 종로구 원서동 158-2)
電話番号は、02-747-3809 です。
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