神々の島「バリ島」(Pulau Bali)
約90%の人々がバリ・ヒンドゥーを信仰するこの島では、毎日どこかしらで宗教的な祭礼が行われています。
着飾った人々が行列して、ガムラン音楽が奏でられ、舞踊が披露される祭礼。それはお祭りのように華やいでいます。
祭礼と芸術の島、穏やかで癒されるバリ島の旅。
今回は、ウブドのオダラン行列です!
神々の島「バリ島」では、そこかしこで祭礼に出くわします。
オダランの行列
バリは祭礼の島です。
例えば、ウブドに数日滞在したならば、かならずどこかで一度は祭礼を見かけます。
まるで毎日祭りをやっているのではないかと思えてしまうくらい・・・。
私も5日ほどの滞在の間、至るところでお祭りらしきものと出くわしました。
魔女「ランダ」
正装をしたバリ島の人たち
バリ島には210日を1年とする「ウク暦」と、月の満ち欠けを基準とする「サカ暦」という2つの暦があります。
バリの祭礼は、それぞれの暦に合わせて執り行われています。
「ウク暦」で行われているのが、祖先の霊を送り出すお盆に似た「ガルンガン」「クニンガン」、文学の神サラスワティを讃える「サラスワティの日」、家族や村の加護を願う「パケルウェシ」など。
「サカ暦」によって行われるのが、新年を祝う「ニュピ」、豊饒儀礼である「グサボ」などです。
暦が2つあるということだけでも、祭礼が多いことがうかがえますね。
写真は、いろいろな供物を持った正装の男女。
男性は「サファリ(シャツ)」に「サルン(腰巻)」、頭には「ウドゥン」。女性は「クバヤ(ブラウス)」に「サルン」といったいでたちです。
魔女「ランダ」と対になる神様「バロン」
バリ島に於いて、祭礼の数を多くしているのが「オダラン」という宗教的祭礼の存在です。
これは、バリ・ヒンドゥー寺院の創設記念祭のことで、ウク暦の1年(210日)に1回、それぞれの寺院において行われます。
バリ島には数万もの寺院があるといわれますから、毎日お祭りと言うのもあながち間違ってはいないんでしょうね!
王宮横で行われていた祭礼
また、バリは、葬式が盛大に行われることでも有名です。バリの葬式は、それはそれは、まるで祭りのような華やかさに満ちているのだそうです。
ヒンドゥー教の輪廻転生観が、死というものをプラスのイメージで捉えさせているのでしょう。
さらに、バリ島では、伝統芸能を披露するアート・フェスティバルが各地で行われるため、本当にお祭りが多いのです。
祭礼では正装をして供物を持った人々が村を練り歩き、方々でいろいろな飾り付けがなされます。
そして、特にオダランに於いては、深夜に観光用でない本物の、神への奉納音楽や舞踊が行われるのだそうです。
バリのお供え物「チャナン」
お供えもの「チャナン」
バリのお供え物「チャナン」です。
バナナの葉をベースに、いろいろなものを載せて作る「チャナン」。チャナンを作ると、人々はお香を炊き、聖水を振り掛けてお祈りをするそうです。
バリの人々は毎日このチャナンを作って様々なところにお供えします。
神様にも、そして、悪霊にも・・・。
「チャナン」を供える女性
お姉さんがチャナンをお供えしています。これは神様でしょうか、それとも悪霊でしょうか・・・。
神様から悪霊まで、全てのものを大切に扱う、そんなバリの文化が私は好きです。
癒される!ウブドの村と近郊の見どころをのんびり観光♪
コテージから眺めるウブドの田園風景
青々とした田園を望む静かなコテージ。
燦燦とした眩しい陽光が田園を明るい黄緑色に輝かせたかと思うと、次の瞬間、雲のヴェールが日の光を遮り、田園は深みのあるエメラルドグリーン色に彩られます。
そんな風景をトロピカルドリンクのグラスを傾けながら、飽きることなく眺め続けるウブドの午後。
至福のひとときです!
ウブドの田園風景
ウブドの村
椰子の木とハイビスカス
「ウブド」は、デンパサールの国際空港からタクシーで約1時間。
ウブド郡の中心の村で、「バリ島文化の中心地」と呼ばれるところです。
ウブドは、ガムラン音楽、バリ舞踊、バリ絵画、影絵芝居、工芸などが盛んな芸術の村として知られ、村に住む人々は誰しもが何らかの芸術活動を行っているほどだそうです。
デンパサールの空港からウブドの村までタクシーで向かったのは夕暮れ時でした。
夜の闇の中、通り過ぎる村々の灯りから虫の声に混じって聴こえてくるガムランの音色♪
芸能の村に来た!って実感しました。
ウブドの中央市場(パサール・ウブド)
ウブドの中央市場(パサール・ウブド)
パサール・ウブドのにぎわい
ジャックフルーツ、ジャワフトモモ、ドリアン
「パサール・ウブド」は、ウブドのメインストリートである「ラヤ・ウブド通り」と「モンキーフォレスト通り」の角、ウブド王宮の正面にある市場です。
ウブドの王宮の前にあるため、「パサール・ウブド」には観光客の姿も多く見かけます。
地元民御用達の青果・精肉・鮮魚から、観光客御用達のお土産まで何でも揃う、「パサール・ウブド」は、ウブド最大の市場です。
豊富な食材を眺めて、人々の熱気を感じて、お土産もここでゲット!
テガラランのライステラス
テガラランのライステラス
ウブドから車で8Kmほどのところにあるのが「テガララン村」。
ここは、ライステラス(棚田)で有名なところ。
ウブドからのアクセスも良く、棚田もバリ島随一の美しさだということで、なかなかおすすめのスポットです♪
テガラランでは、棚田を見下ろせるところに、いくつかのカフェがあります。
綺麗な棚田を眺めながら飲むインドネシアコーヒーの味も、また格別です!
テガララン村へと向かう道には、民芸雑貨の工房がたくさん並んでいます。
これらの工房で買うと、街中の土産物屋さんよりもかなり安く買うことができるそうです。
グヌン・カウィ・スバトゥ寺院
グヌン・カウィ・スバトゥ寺院
「グヌン・カウィ・スバトゥ寺院」は、テガララン村の北のスバトゥ村にある寺院、ウブドからは10Kmほどの距離です。
ここには「聖なる泉」があります。
緑に囲まれたこの寺院は、ウブドから近いわりに観光客の数もあまり多くありません 穏やかな地元の風情を味わえる穴場的な寺院です。
池には鯉がたくさん
魔女ランダがお出迎え
藁葺き屋根の寺院のお堂
このお寺に祀られているのはヒンドゥー教の神様「ヴィシュヌ神」です。
インドラ神との戦いに敗れスバトゥ村に逃れてきた悪王マヤデナワ王。悪王を恐れた住民は山に避難したのですが、そこには食べ物も飲み水もありません。
そんな住民を見かねたヴィシュヌ神は、この地に湧き水を施しました。
それが、この「グヌン・カウィ・スバトゥ寺院」の由来だそうです。
合掌する受付のおじさん
入場料4,100ルピア(約57円)を払うと、おじちゃんが合掌してくれました。
「トゥリマ・カスィ(ありがとう)」
ウブドの田園
ウブドの近郊には、他にも11世紀頃の古代遺跡「ゴアガジャ遺跡」や、大きな沐浴場のある「ティルタエンプル寺院」など多くのみどころがあります。
おすすめなのは、ウブドの村にある「ネカ美術館」。
ヒンドゥー神話を題材とした伝統的な「カマサンスタイル」の絵画、西洋の影響を受けた印象画や写実風の絵画、現代的なポップアートなど、バリ絵画の今昔を味わうことができます。
旅行時期:2002年9月
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