アイルランド西部コノート地方の中心都市「ゴールウェイ」(Galway)の町に到着しました。
「ゴールウェイ」は、失われつつあるゲール語文化の遺産を最も色濃く残している場所です。
ゴールウェイ市は東のダブリンに対する西の文化中心地として、伝統的なゲール語文化の保存や再生に積極的に取り組んでいる町として知られています。
市の人口は約5万3千人。ゴールウェイには大学や研究機関が多いそうです。そのせいか、小ぢんまりとした中にもどこか華やぎが感じられます。

写真は街の中心、「キー・ストリート」
歩行者天国のこの道には大勢の人々が歩いていました。大道芸人や辻音楽師も多くいます。
通りの並びにはしゃれたブティックやカフェ、アランセーターを売る店があります。
パステルカラーの可愛らしい建物が並び、ダブリンよりも随分と明るい印象です。
ゲール語を使用する地域(ゲールタハト)の中心地

街角のパブ

カラフルなゴールウェイの街並み

静かな町はずれの界隈

ダブリンよりも明るい雰囲気
ゴールウェイは、ゲール語を使用する地域(ゲールタハト)の中心地です。
ゲール語は、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派に属する言語で、アイルランドだけでなく、スコットランドやマン島にもゲール語話者が存在します。
ゲールタハトの人口は約85,000。アイルランド・ゲール語は、アイルランドにおける第一公用語(国語)として指定されており、政府によってその復興がすすめられているのですが、話者は年々減少しているそうです。
ゲールタハトでは、現在でも日常的にゲール語が使用されています。私も地元の人々がゲール語で話しているのをそこかしこで耳にしました。
英語と全然違っているので、すぐにわかりました。

ゴールウェイの石畳の路地
ショッピングセンター、「エア・スクエア・センター」

「エア・スクエア・センター」の内部
アイルランド、ゴールウェイ中心部にあるショッピングセンター、「エア・スクエア・センター」の内部です。
町の中心にあるのが、エア・スクエアと呼ばれる広場。 その脇にあるのが、この近代的なショッピングモールです。
写真のあの石積みは城壁です。
ここは、モールの建設途中で、城の遺構が発見されたのですが、これをそのまま活かしてモールを造ったのだそうです。

モール内のカフェ
モール内のカフェです。
モールには、スーパーマーケット、ブティック、本屋や文房具屋、カフェやレストランがあります。
城壁があること以外は、日本のショッピングモールと少しも変わらない雰囲気です。

ドリンクコーナー

惣菜コーナー
スーパーマーケットのドリンクコーナーです。
売られている商品が若干違うものの、日本と変わりませんね。
アイルランドは物価が日本並みに高いです。ケバブのミールが6.57ユーロ(850円)、コーヒーが1.8ユーロ(234円)くらいしました。
ところで、アイルランドはアラブやトルコのケバブのスタンドがかなり普及していたのですが、これがまたうまいんです。
どうやら、羊の肉そのものの品質がいいからみたいです。本場のものよりもうまかったです。
ゴールウェイ大聖堂

「ゴールウェイ大聖堂」

「ゴールウェイ大聖堂」の祭壇

天井のドーム

緑色の大理石が綺麗「ゴールウェイ大聖堂」
ゴールウェイの町のランドマークとなっているのが、この「ゴールウェイ大聖堂」です。
この聖堂は意外と新しく、1967年の完成だそうです。
ルネサンス式、ラテン十字形式の聖堂で、内部は美しいバラ窓や壁画で彩られています。
床にはコネマラ地方産の有名な緑色の大理石が使われており、神秘的で落ち着いた風情を醸し出しています。

ウイスキーを飲む若者たち
ゴールウェイの中心を流れるコリヴ川。
その川岸は遊歩道となっており、真昼間から若者たちがウイスキーを飲んでいました。
コリヴ川の河口と海岸の風景

コリヴ川の河口にある「スペイン門」
ゴールウェイは13世紀にアングロ・ノルマン領主リチャード・デ・バーが制圧して以来急速に発展した町です。
特に大航海時代にはヨーロッパ大陸との貿易における中心地へと成長し、スペインから多くの貿易商が来航し大いに賑わったそうです。
写真は、コリヴ川の河口にある「スペイン門」。
ゴールウェイの街を取り囲んでいた城壁の一部で、埠頭を波から守る砦であったと言われています。
その名前が華やかだったスペイン貿易の記憶を今に伝えています。

ぐるりと曲がった海岸線のカーブ
町をぶらぶらと歩いた後、私は海を見に行きました。
もう既に、日が傾きかけています。

コリヴ川の河口とうみねこ

海岸沿いの街並み

ボートが停まっています。
向こうに見えるパステルカラーの街並み。
鳥が飛んでいます。
静かな港には、海鳥の声だけが聴こえていました。
ゴールウェイ港はアイルランド西海岸の中心となる港です。
ゴールウェイ港からは、最果ての島「アラン諸島」への船が出ています。

白鳥たちが歩いてきました!

白鳥がたくさん!

ガアガア騒いでいます。
コリヴ川の河口には無数の白鳥がいました。
白い羽毛が夕陽を浴びオレンジ色に染まっています。

大きな犬を散歩させている老人

海岸沿いの風景

草サッカーをする少年たち

ベンチに座ってたそがれ
海岸沿いには大きな広場がありました。
夕方の広場は閑散としています。
遠くに見える草サッカーをする少年たち。大きな犬を散歩させている老人。ぽつんとあるベンチに一人座りたそがれる男性。
沖には夕陽を浴びたヨットの群れが見え、薄闇に包まれつつある辺りは強風が吹き続けていました。
私も同じようにベンチに座り、たそがれながら海の向こうを眺めました。
さあ、明日はあの海の向こうにある島、アラン諸島へと渡りましょう。
さいはての島への旅立ちです!
そのうち、日が沈んだ海岸には誰もいなくなりました。
私はベンチから立ち上がると、宿へ向けて家路を急ぎました。
旅行時期:2003年4月
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