東京メトロ副都心線、都営大江戸線東新宿駅から徒歩3分。大久保二丁目交差点から明治通りを北に80mほど進んだ左手。ビルの地下1階に、中国山西省のお料理を食べられる中国料理店『山西亭』はあります。
中国山西省は麺料理発祥の地とされ、200種類以上の麺料理があると言われています。
そんな、中国山西省の郷土料理を提供している都内でも唯一とも言われているお店が『山西亭』。山西省出身の夫婦が営むお店で、オープンは2015年1月。
中国料理マニアに熱い視線を注がれ続けている知る人ぞ知るお店です。
中国山西省の郷土料理を提供している都内でも唯一とも言われているお店
『山西亭』の入り口
お店は、韓流で賑わう大久保通りを抜けたガランとした明治通り沿いの一角にあるマンションの地下一階。
土曜日のディナータイム。開店時間の17時半で事前に電話予約をして訪問しました。
本場山西刀削麺
店頭に置かれていた看板。
山西省と言えば、中国五大麺のひとつ「刀削麺」が有名。
『山西亭』の看板メニューのひとつです。
17時半になったので、さっそくお店の中へと入っていきましょう〜♪
『山西亭』の店内
こちらが、『山西亭』の店内です。
店内はよくある街中華の雰囲気。座席はテーブル席のみで28席。仕切りで区切られた半個室風の席もあり、小宴会などにも使えそうです。
訪問時、お客さんは4組ほど。お店のメニューには山西料理だけでなく、普通の中華料理もたくさんある(むしろ、普通の中華料理の方が多い)ので、山西料理目当てでない感じのお客さんの方が多い印象。お客さんはほぼ日本人でした。
ちなみに、グランドメニューに載っている普通の中華(水餃子や青椒肉絲など)も、かなり美味しいとの噂です。
山西省の省都太原の写真
山西郷土料理のメニュー
普通の中華目当てのお客さんもたくさんいる『山西亭』ですが、やっぱり山西料理のシェフのお店。店内の壁には山西料理のメニューが目立つように貼られており、山西省の省都太原の写真も掲げられていました★
山西省とは?山西省の料理とは?
ところで、山西省ってどんなところ?山西省の料理ってどんなの?ってところだと思うので、ちょこっとご紹介。
山西省は、首都北京の西南、北に万里の長城、南と西に黄河が流れる華北の中央部、黄河の中流域に位置する省。省都は太原。略称は晋。
古くから鉄や石炭などの産地として知られ、明清時代には金融業で繁栄。中国三大石窟の一つである「雲崗石窟」や明の時代に栄えた城郭都市「平遥古城」などの世界遺産があり、三国志の武将である関羽の故郷としても知られています。
山西省の気候は乾燥して気温差の激しい大陸性気候。その厳しい自然条件でも栽培できる小麦やとうもろこし、高梁、ジャガイモなどがメインに栽培され、それらを素材とした料理が発達してきました。
山西省は麺料理が有名です。麺料理発祥の地とされ、麺の種類は200種類以上もあると言われています。麺生地を短冊状に削って作る「刀削麺」も山西省発祥の麺です。
また、お料理に黒酢が多用されるのも山西料理の特徴。高粱と麦を発酵させ、じっくり熟成させて作られる山西黒酢は、山西省のあらゆる料理に使われます。
『山西亭』の山西郷土料理メニュー
「莜麺栲栳栳(ヨウミェンラオカオカオ)」1,400円
「五彩猫耳朵(五色猫耳麺)」1,400円
「過油肉(グオヨウロウ)」1,050円
「不烂子(プランズ)」820円
さて、お料理ですが、もちろん、注文するのは山西料理!
いろいろ迷った挙句、選んだのは↓の4品。
- 「莜麺栲栳栳(ヨウミェンラオカオカオ)」1,400円
- 「五彩猫耳朵(五色猫耳麺)」1,400円
- 「過油肉(グオヨウロウ)」1,050円
- 「不烂子(プランズ)」820円
山西名物として有名な「刀削麺」や、麺をびゃんびゃん伸ばすところが見れる「ビャンビャン麺」(要事前予約)なども魅力的でしたが、たぶん、ここでしか食べられないであろうお料理をチョイスしました。
注文を済ませ、お料理を待ちます。
3種の山西省の麺料理と名産の黒酢を使った炒め物を堪能♪
生ビール(528円)
まずは、お飲み物。生ビール(モルツ・ザ・ドラフト)です。
暑いこの時期、生ビールが一番!ぐびぐび飲みながらお料理を待っていると、ほどなくしてお料理が運ばれてきました!
「莜麺栲栳栳(ヨウミェンラオカオカオ)」1,400円
はじめにきたのが、こちら。
お店の看板メニューでもある「莜麺栲栳栳(ヨウミェンラオカオカオ)」(莜麦:燕麦のせいろ蒸し麺)
dancyuのアジア麺特集号で紹介されていて、ぜひ食べてみたいと思ったお料理です。
山西省特産の莜麦(ヨウマイ 燕麦の一種)の生地を一枚一枚手で筒状にした後、蒸籠に並べ蒸した麺料理。東京ではここ山西亭でしか味わうことが出来ない超レア料理です。
この「莜麺栲栳栳」、とても美味しかったです★
莜麦は甘みの少ない淡白なお味。蒸籠で蒸しているのでふわふわな食感です。
莜麦自体はそれほど味がないので、名産の黒酢「山西老陳酢」や卵の入ったトマトソースを付けていただきます。
どちらのソースも美味しいですが、酸っぱさ控えめで、まろやかかつ深みのある「山西老陳酢」がかなり美味♪
ビビッドなインパクトはないですが、食べるごとに旨味がじわじわと押し寄せてくる感じ。
あっという間に完食!
「過油肉(グオヨウロウ)」1,050円
お次は、「過油肉(グオヨウロウ)」(豚肉と野菜の香酢炒め)
山西料理(晋菜)の代表格の一つ。特産の黒酢を使った風味豊かな郷土料理。油通しをすることで食材本来の旨み閉じ込め、黒酢をほど良くからめ、独特の風味とコクを加えた炒め物。
豚肉や玉ねぎ、にんにくの芽、キクラゲなどの具材に「山西老陳酢」を絡めたお料理。
こちらも美味♪
スタンダードな炒め物料理も「山西老陳酢」のお味によって、グッと深みが増す感じ★
こちらもどんどん食が進みます!ご飯が欲しくなりますね♪
「五彩猫耳朵(五色猫耳麺)」1,400円
続いて、「五彩猫耳朵(五色猫耳麺)」(猫耳麺の五彩炒め)
五彩:五色(青、赤、黄、黒、白) 麺生地を小さく切り、一個ずつ手の親指でつぶし猫の耳のように丸まった独特の形状に仕上げ、ボイル後、4色の食材と合わせ炒めた山西省の麺料理。
イタリアのオレキエッテによく似た猫の耳のような形の麺は、つるつるでもちもちとした弾力のある食感が美味♪
ニンニクの芽、トマト、卵、キクラゲ、玉ねぎの、カラフルな五色のビジュアルもGoodです!
こちらもじわじわくる旨さで、箸が止まらなくなる感じ。仄かに効いた唐辛子がアクセントを与えてくれています。いくらでも食べられそうです猫耳麺!
「不烂子(プランズ)」820円
こちらは、「不烂子(プランズ)」(ジャガイモ入り蒸し麺の焼きそば)
ジャガイモに小麦粉をまぶし、せいろで蒸した麺を水を使わずに高温で炒めた山西省の麺料理。味は塩、ネギ、唐辛子、ニンニクのみを使い、シンプルな味付け。パスタのニョッキに似た食感。
ジャガイモを麺に見立てたような料理で、本場山西省ではかなり人気があるお料理であるとのこと。
フライドポテトが麺になったようなジャンクな感じがあって、なかなか面白い食感・味わい。結構お腹にたまる感じでボリューミーでしたが、人気があるのも納得!
シンプルな味付けがGood!ビールに合います★
「杏仁豆腐」330円
食後は、デザートに「杏仁豆腐」をいただきました♪
ガッツリ麺料理をたくさんいただいた後の、さっぱり&爽やかな甘さの「杏仁豆腐」が美味しい♪
添えられたクコの実は、ラムレーズンみたいにお酒の味がしました。山西省名産のお酒「汾酒」?
「プーアル茶 ポット」660円
杏仁豆腐と一緒に、「プーアル茶 ポット」でお口直し。
プーアル茶(普洱茶)は、茶葉を加熱処理して発酵させた”黒茶”のひとつ。
仄かな苦味&甘味のあるまろやかで優しいお味。ホッと癒されます♪
東新宿にある中国料理店『山西亭』。麺料理発祥の地、山西省のバラエティに富んだ麺料理を堪能できる都内でも唯一のお店です。
燕麦のせいろ蒸しや猫耳型の麺、ジャガイモ入り蒸し麺など、珍しい麺料理を堪能出来ます。まろやかかつ深みのある特産の黒酢を使った味付けも魅力的♪
メニューには、まだまだ食べてみたい麺料理がいくつもあるので、ぜひ、再訪していただいてみたいです★
◉『山西亭』の地図・アクセス
- 住所:東京都新宿区大久保2-6-10 B1F
- アクセス:副都心線、都営大江戸線 東新宿駅B1出口から徒歩3分
- 営業時間:11:00~15:00 17:30~23:30
- 定休日:日曜日
- 予約:『山西亭』のネット予約はこちら(ホットペッパーグルメ)
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