京浜急行三浦海岸駅から徒歩3分。駅前のメインストリートを海岸の方へと進んだ左手に、南インド料理のお店『うみのかみさま サイサガール』があります。
店主のプジャリさんは、マンガロール出身でムンバイの高級ホテルでチーフシェフを務めた後、2005年に来日。直近では神奈川県綾瀬市のインド料理店で働いていたそうですが、2018年7月にこのお店『サイサガール』をオープンさせたのだそう。
日本では銀座の『バンゲラズキッチン』くらいしか提供していない「マンガロール料理」。『サイサガール』でもレギュラーメニューではマンガロール料理は提供しておらず、普段はナン&カレーしか無いそうですが、事前にリクエストすれば、作ってくれるとのこと。
それでもって、お店に電話し、プジャリさんにマンガロール料理をリクエストの上、訪問。日本では貴重な「マンガロール料理」をいただくことができました★
『サイサガール』への行き方
『サイサガール』は、神奈川県の南端、三浦市にあります。
最寄駅は京浜急行の「三浦海岸駅」。都内からは1時間半ほどです。
お店のオープンまで少し時間があったので、三浦海岸近辺を散策。この日は生憎の曇り空でしたが、浜辺にはウインドサーファーがちらほらといてセーリングを楽しんでいました。
三浦海岸はマグロで有名な町で、駅前や海岸沿いにはマグロが売りの海鮮料理屋がいくつかあり。当然のことながら、都内から三浦海岸まで、マグロではなくインド料理を食べに来る人はほぼいないと思われます。
『サイサガール』の外観と店内の雰囲気
こちらが、『サイサガール』の外観です。
開店時間の17時近くになったので、お店の前へ。
お店の看板や店頭に貼られた貼り紙には「マンガロール料理」という文言は一切書かれていません。
「マンガロール料理」と言われても、インド料理に詳しいマニアでもない限り、何のことやらわからないからなのでしょう。
こちらは、店頭にたくさん貼られているメニュー案内。
マンガロール料理らしきメニューは見当たらないものの、南インド料理の軽食「ドーサ」はありました。
メニューの貼り紙を見ていると店主のプジャリさんが出てきて、ちょうどマンガロール料理に使う魚を納入しに来た業者さんの対応がてら、自分たちをお店の中へと招き入れてくれました。
こちらが、『サイサガール』の店内です。
小ぢんまりした店内で、座席はテーブル席のみで17席ほど。
ツートンカラーの壁が現地インドっぽさを感じさせます。店内の壁には店頭と同様、メニューの貼り紙がたくさん。
スタッフは、店主のプジャリさんお一人のワンオペ。プジャリさんは日本語が堪能です。
お客さんは、テイクアウト客がお二人、イートイン客がお一人来店。いずれもナンとカレーを注文。皆さん、地元の常連客である様子。
『サイサガール』は、地元に愛されているインド料理店のようです。
『サイサガール』のメニュー
今回は、リクエスト注文のため、お店で料理を選ぶことはしませんでしたが、壁のメニューを見ると、「マグロの尾っぽカレー」というマンガロールっぽい料理があったり、インドのお粥「キチュリ」があったり、ヨーグルトごはん「カードライス」があったり、普通のインド料理店にはあまりないメニューがちらほら。
ホワイトボードメニューもありました。
この日のメニューには特筆すべきものは見当たりませんでしたが、Googleの過去のクチコミを見ると、マンガロール料理の「ラヴァフィッシュフライ」などが書かれていたこともあった様子。
マンガロール料理とは?
ここで、マンガロール料理とはどんな料理なのか。ちょこっと説明。
インド、カルナータカ州南部にある港町「マンガロール」
古くから国際貿易都市として栄え、ヒンドゥー、キリスト、イスラムなど多様な文化が混じり合ったこの町は、お料理のバラエティも多種多様。インドの中でも「美食の町」として知られています。
「マンガロール料理」は、ココナッツミルクやココナッツオイル、すりおろしたココナッツなどココナッツをふんだんに使い、香辛料を多用しながらも他の南インド料理に比べて比較的穏やかな味付けなのが特徴。また、アラビア海で獲れる魚介を使ったフィッシュカレー(ガッシ)や、ドライな炒め物(スッカ)、揚げ物(タワフライ)など、シーフードがメインの料理としてよく食べられています。主食はお米。
また、「マンガロールバンズ」や「マンガロールバジ」など、マンガロール独自の軽食があるなど、ティファンのバリエーションが豊富なことでも知られています。

リクエストしたマンガロール料理
さて、『サイサガール』のマンガロール料理。今回リクエストしたのは下記の料理です。
- タワフライ
- ラヴァフライ
- ゴリバジェ(マンガロールバジ)
- フィッシュミールス×2
- チキンスッカ
- ラッシー×2
マンガロールと言えば魚介の料理ということで、フィッシュミールスをメインに、魚のフライを2種。炒め物(スッカ)も食べたいということで、チキンスッカを。
ティファンとしては、マンガロールバンズは出来ないとのことだったので、マンガロールバジをリクエストすることに。
まずは、お飲み物。
シンプルに「ラッシー」を注文。
ちびちび飲みながら待っていると、ほどなくしてお料理が運ばれてきました。
「タワフライ」
「タワフライ」です。
香ばしいマサラが塗されたフィッシュフライ。魚はポンフレット(マナガツオ)とのこと。ココナッツチャトニとサラダ、カットレモンが付いています。
お味は、まさに絶品♪
塗されたマサラはチリとマスタードシードがビシッと効いたかなり辛めの味付け。
ポンフレットは結構骨が多めでしたが、塗されたマサラの辛味と搾り掛けたレモンの酸味が淡白な白身にアクセントを加えてくれます。
ココナッツチャトニをつけていただくと、さらに美味しい!
ちなみに、現地マンガロールではキングフィッシュの「タワフライ」を食べました↓

「ラヴァフライ」
こちらは、「ラヴァフライ」
セモリナ粉を塗して揚げたフィッシュフライ。魚は同じくポンフレット。
セモリナ粉のザクっとした食感がGood! タワフライと違って辛さはありません。
こちらも、ココナッツチャトニをつけていただくと、美味しさ増し増し♪
「ゴリバジェ」
続いて、「ゴリバジェ(マンガロールバジ)」
小麦粉とひよこ豆の粉で作った軽い食感の丸いドーナツです。
もちもちとした食感の生地は少しオイリー気味。中にはカレーリーフやクミンなどが練り込まれていて香ばしい♪ ココナッツチャトニにつけていただきます。
スナック感覚でいくらでも食べられそうな感じ。
「フィッシュミールス」
そして、メインの「フィッシュミールス」登場!
ターリー皿の上に、キャベツのポリヤル、豆のカレー、フィッシュカレー、マグロのラヴァフライ、サラダ、豆のチャトニ、バスマティライス、パパドが載っています。
豪華なマンガロールのフィッシュミールス。さっそく、いただきましょう〜♪
「フィッシュカレー」は、ココナッツミルク感は控えめで辛さも控えめ。ほど良く酸味が効いた食べやすいお味。使われている白身魚が何なのかは不明でしたが、身が肉厚で美味しい。
ルビア豆を使ったマイルドな味付けの「豆のカレー」、ココナッツが入っていないのでえ、タミルやケララとはまた違った印象の「キャベツのパルヤ」。
「マグロのラヴァフライ」は、マスタードオイルの効いた「豆のチャトニ」をつけていただきました。
どのお料理も、ビビッドなインパクトは無いものの、マイルドで食べやすく混ぜて食べても美味しい。食後感もGood!
ちなみに、今回お米はパラパラのバスマティライスでしたが、現地マンガロールではふわふわのボイルドライスが使われていました。
「チキンスッカ」
ラストにいただいたのが「チキンスッカ」
これが、めちゃくちゃ美味でした♪
見た目は辛そうに見えるものの辛さは控えめで、塗されたマサラのスパイシー感とギーの風味がチキンに絡んでたまらない美味しさ★
『サイサガール』のマンガロール料理。
「マンガロール料理はこういう味」というのが、まだイマイチわかっていない感があるものの、満足のいく美味しさでした★
三浦海岸にある南インド料理のお店『うみのかみさま サイサガール』
マンガロール出身のシェフにリクエストして作ってもらった「マンガロール料理」は、他では食べられない新鮮な美味しさ♪
香ばしい「タワフライ」や「ラヴァフライ」。もちもちの「ゴリバジェ」。マイルドで食べやすい「フィッシュミールス」。スパイシーで風味豊かな「チキンスッカ」。
どれも、わざわざリクエストして作ってもらった甲斐ある、大満足のお味でした★
色々教えてくれる店主プジャリさんの親切さもGood!
『サイサガール』の地図・アクセス・営業時間
南インド料理店









