錦糸町駅から徒歩3分。国道14号線を渡って左手のバーや居酒屋などが並ぶ路地の一角に、ルーマニア料理のお店『ラミハイ』は、あります。
2014年6月にオープンしたこのお店、東京にある唯一のルーマニア料理専門店(以前は、中野坂上に「レストラン ルーマニア」というお店がありましたが、閉店してしまいました)
在日歴20年以上というルーマニア人のオーナーシェフによる、本格的なルーマニア料理をいただけるお店です。
ルーマニア人のオーナーシェフによる、都内唯一のルーマニア料理専門店
『ラミハイ』の外観
こちらが、『ラミハイ』の外観です。古びた建物の1階で、看板に電気は点いていませんでしたが、扉の窓からは暖かそうな店内の明かりが漏れていました★
お店の壁には、おすすめのお酒やお料理の紹介、メディアでの掲載情報などが貼られていました。
「パリンカを飲もう」「お酒に超合う豚脂の燻製」「ラミハイに宮崎あおいさんがルーマニア料理を作りに来ました。」「ラミハイがヤングマガジン連載中、テレビドラマ放映中の吉祥寺だけが住みたい街ですか?の第一巻第三話錦糸町編で紹介されました!」
などなど。
さっそくお店の中に入っていきましょう〜♪
『ラミハイ』の店内
こちらが、『ラミハイ』の店内です。
照明を抑えたちょっと暗めの店内。内装はシンプルですが、ルーマニアの様々なものが飾られています。
座席はテーブル席のみで合計30席。お部屋の広さに比べ座席数が少なく、かなりゆったりとした空間です。
土曜日のディナータイムのオープン時間に事前予約して訪問しましたが、食べている間に座席は満席になり、入れ替わりお客さんがやってくる人気ぶりでした。お客さんは日本人のカップルやグループ、日本人と外国人のカップルなど。
壁に飾られた民族衣装
ドラキュラ伯爵の絵とか、ルーマニアの観光名所の写真とか
壁にはアコーディオンも飾られてました♪
お店の壁には、ルーマニアのものが色々飾られています。
東欧らしい民族衣装や人形、ドラキュラ伯爵の絵とか、ルーマニアの観光名所の写真。ルーマニアの音楽では無くてはならない楽器、アコーディオンなど。
ルーマニアの風情を感じられる店内です。
カウンターと厨房で調理するミハイさん
お店は、厨房で調理するオーナーシェフのミハイさんと、日本語堪能なルーマニア女性の方のツーオペ。
お店のHPによると、シェフのミハイさんは、仕入れから肉の解体、燻製、調理まで全てをこなす肉料理の達人であるのだとのこと。
ちなみに、お料理に使われるお肉は日本産の高級なものを使っているそうです。
ところで、ルーマニア料理ってどんなものなのか、ちょこっとご紹介。
ルーマニア料理とは?
ルーマニアは、南西にセルビア、北西にはハンガリー、北がウクライナ、北東をモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面した東欧の国。
18世紀にオスマン帝国領からハプスブルク家のハンガリー王国領となったため、隣国のバルカンの国々やブルガリアと比べて、トルコ料理の影響が比較的少なく、セルビアやオーストリア料理、ハンガリー料理の影響が強いのだとか。
ルーマニアのメインのお料理は肉料理。中でも豚肉料理の種類が豊富。そのほか、羊肉や牛肉、鶏肉などもよく使われます。
主食は小麦ととうもろこしがメインで、特にとうもろこし粉を粥状にして成形した「ママリガ(モモリガ)」は、ルーマニアの国民食として知られています。
お料理としては、ルーマニア風ロールキャベツの「サルマーレ」、豚肉を使った挽肉団子の「ミティティ」、酸味のある煮込みスープ「チョルバ」などが代表選手。
チーズはフレッシュチーズが好まれ、ピクルスもよく食べられています。特に果物を使ったピクルスが特徴。デザートは、揚げドーナツにジャムやサワークリームを載せた「パパナシ」が有名です。
ピクルスがたくさん!
さてさて、座席に座ったところで、メニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
ちなみに、メニューの撮影はNGでした。
色々検討した挙句、選んだ料理は↓です。
- シェフの盛り合わせ(PLATOU RECE MIX) 2,200円
- 日替わりスープ(CIORBA ZILEI) 800円
- 店内で燻製したソーセージ(OLTENESTI) 800円
- ルーマニアのロールキャベツ(SARMALE) 1,500円
- ミティティ(MICI) 1,200円
ルーマニアのサラミやサラダ、ペーストなどの盛り合わせと、定番の「チョルバ」「サルマーレ」「ミティティ」。燻製のソーセージも美味しそうだったので注文しました。
燻製ソーセージ、サルマーレ、ミティティ。バラエティに富んだ肉料理を堪能♪
「パリンカ」
まずは、お飲み物から。
せっかくだから、店頭のチラシやメニューにも大々的に紹介されていたルーマニアのお酒「パリンカ」を注文しました。
「パリンカ」とは、ルーマニアの代表的な蒸留酒のひとつで、お店の紹介によると、プラムを100%使用し、蒸留は伝統的な真鍮の蒸留器で行われ、3度も蒸留して作られるなど、とても手を掛けて作られるお酒なのだそう。
アルコール度数は40%以上!ショットで飲むのがルーマニアのスタイルなのだとか。
お味はと言うと、度数が強いので結構強烈ではあるものの、まろやかで飲みやすいお味。フルーティーな風味も感じられ、なかなか美味なお酒でした★
「グラスワイン(赤)」
こちらは、「グラスワイン(赤)」
ルーマニアは、世界のワイン大国のひとつとしても知られており、世界第10位の葡萄栽培面積を持っているのだとのこと。
銘柄はわかりませんでしたが、ほど良い果実味とまろやかな口当たりが美味しい、飲みやすいワインでした♪
パリンカやワインをちびちび飲んでいると、程なくしてお料理が運ばれてきました〜★
「シェフの盛り合わせ」2,200円
「シェフの盛り合わせ」です。
ルーマニアならではのサラミやサラダまたペーストなどを季節ごとに食材を変えながら盛り付けました(※季節によって内容が若干変わります)
品数は下記の7品。
- ミックスチーズ3種
- ルーマニアンポテトサラダ
- いんげん豆のたたき
- 茄子のペースト
- サラミ
- たらこのペースト
- 豚の脂身の絶品燻製
いろんな前菜をまとめていただけるのが嬉しい♪
盛り合わせは、パンと一緒にいただきます★
「パン」
ルーマニアンポテトサラダ、チーズ3種、いんげん豆のたたき、サラミ、たらこのペースト
豚の脂身の絶品燻製、いんげん豆のたたき、チーズ&トマト
7種のおかず、どれも美味しかったのですが、特に美味だったのが、「たらこのペースト(Icre)」と、「豚の脂身の絶品燻製(Slanina Afumata)」
「たらこのペースト」は、たらこに油を入れ、乳化させるという非常に手の掛かった料理であるそう。レモンが効いていて、クリーミーで濃厚ながら、さっぱりとしたお味。添えられた玉ねぎのみじん切りと一緒に、パンに載せて食べるとイケます!
「豚の脂身の絶品燻製」は、ルーマニアの山岳民族秘伝の燻製。こちら、名前の通り絶品でした♪燻製の旨味がたまらない、味わったことのないようなお味。マスタードの辛味が合います。パリンカとの相性も抜群!
「日替わりスープ」(チョルバ)800円
続いて、「日替わりスープ」「チョルバ」です。
「チョルバ」の語源は「飲む」を意味するアラビア語の「ショールバ」に由来するそうで、東ヨーロッパから中東、インド、ウイグルに至るまで、幅広い地域で同じような名前のスープ料理が存在します。
ルーマニアのチョルバも、様々な種類がありますが、この日のチョルバはトマトベースのすっきりとしたタイプ。具沢山でほどよい酸味がなかなかの美味しさ★
ルーマニアのスープには、ふすま(小麦の糠)を発酵させて作る「ボルシュ」という調味料が使われているのだとのこと。
「店内で燻製したソーセージ」800円
お次は、「店内で燻製したソーセージ」
薫製をこよなく愛する東欧ルーマニアならではのレシピ。豚肉と牛肉そしてスパイスを効かせたラミハイ秘伝の味です。
このソーセージが本当に美味でした★
小ぶりのソーセージの中に燻製のお肉の旨味が凝縮されていて、秘伝のスパイスの風味が絶妙な感じ。パリンカやワインと一緒にいくらでもいただけちゃう美味しさ!
「ルーマニアのロールキャベツ」(サルマーレ)1,500円
そして、ルーマニア料理と言えばこちら。
「ルーマニアのロールキャベツ」(サルマーレ)です。
キャベツよりも主役はお肉なのです !トマトベースでことこと煮込んだロールキャベツはほろほろと崩れてくほどの柔らかさです
素朴な木のプレートの上には、サルマーレが2つと、とうもろこし粉を粥状にして成形したルーマニアの国民食「ママリガ(モモリガ)」が載っています。
サルマーレ
「サルマーレ」、さすがに美味でした★
トマトベースで煮込まれたロールキャベツは、キャベツの皮が薄めで中にお肉がぎっしり詰まっています。キャベツも中のお肉もほろほろ崩れるほど柔らかく、サワークリームを付けていただくとほんと美味しい♪
モモリガ(ママリガ)
ルーマニアの国民食「モモリガ(ママリガ)」も美味しい♪
とうもろこし粉を粥状にした「モモリガ」は、マッシュポテトのようなスタイルが多いのですが、『ラミハイ』のモモリガは、成形されたちょっと固めで、ババロワみたいな感じ。モモリガそれ自体にあまり味はないですが、サワークリームを付けて、サルマーレと一緒にいただくと美味しい★
「ミティティ」1,200円
こちらも、ルーマニアの定番のお料理「ミティティ」です。
スパイスやニンニクを丁寧に練り込みしっかり味をととのえふわふわに焼き上げてます!マスタードを付けて召し上がれ
マスタードで「La mIHAi♡」と文字が書かれていました♪
ハーブを混ぜ込み、楕円形に成形した豚ひき肉の団子。中東のケバブとはまた違ったふわふわの食感が面白いです。
見た目に比べて重量感がないので、どんどんいただける感じ。マスタードを付けて食べるとイケます★
「パパナッシュ」700円
デザートとしていただいたのが、「パパナッシュ」
ルーマニアを代表する郷土菓子でありルーマニア人の大好物!生地にチーズを練り上げ作ってゆき店内で揚げてゆいます、あつあつのパパナッシュに冷たいサワークリームとフルーツソースをかけて熱いうちに食べるのがルール!
ふわふわとした柔らかい揚げドーナツは軽めの食感。出来立てアツアツで(注文してから作るので30分程度かかります)、サワークリームとブルーベリージャムの冷たさとのコントラストがいい感じ♪コーヒーと一緒にいただきました。
食後のお口直しとして、ベストなデザートでした★
錦糸町にあるルーマニア料理のお店『ラミハイ』
肉料理の達人だというルーマニア出身のミハイさんのお料理は絶品!燻製ソーセージ、サルマーレ、ミティティなど、手間暇と工夫が凝らされたバラエティに富んだお肉料理は、さすが肉料理の達人って感じ♪
ルーマニア料理の美味しさを堪能できる、都内唯一のルーマニア料理店です★
◉『ラミハイ』の地図・アクセス
- 住所:東京都墨田区江東橋4-19-10
- アクセス:錦糸町駅徒歩3分
- 営業時間:17:00~5:00
- 定休日:無休
コメント