世界三大仏教遺跡のひとつ「アンコール・ワット」
密林の中にあるこの遺跡を見るため、カンボジアへと旅しました。
アンコール遺跡群とシェムリアップの町、首都プノンペンなどをご紹介します。
今回は、カンボジアへのバスの旅です!
バンコクから国境を越え、カンボジアのシェムリアップへと向かいます
バンコクの王宮
タイのバンコクから、アンコール・ワットのあるカンボジアの「シェムリアップ」まで。バスを乗り継いでの旅です。
バンコクの「モーチット(北)」バスターミナルで、長い行列に並びチケットを購入した後、私たちはやってきたボロバスに乗り、出発しました。8時20分発、アランヤプラテート行きのバスです。
「アランヤプラテート」は、バンコクから約5時間、タイ北東部にあるカンボジア国境沿いの町。
午後1時頃、バスはアランヤプラテートに到着しました。
バスを降りると、さっそくトゥクトゥクの運ちゃんが近づいてきます。
待ち構えていたのです!
交渉をして、国境まで50バーツということで話がつき、私たちは車内に乗り込みました。国境まではすぐ。
トゥクトゥクで国境へ
国境に着くと、今度はアンコール・ワットのある町「シェムリアップ」行きのバスの客引きが待ち構えていました。
国境からシェムリアップの町までは約150キロ、4時間ほどの行程です。
「1人10ドルでどうだ?」
そう彼らは言います。バスはバンコクから来る直行便で、デラックスなタイプなのだそうです。
いろいろ粘って交渉した結果、ひとり7ドルで乗せてくれることになりました!
国境では、出入国手続きを行います。
タイ側のイミグレーションオフィスで出国スタンプを捺印し、国境を渡ってカンボジアビザを発給し、入国書類を記入して、入国スタンプを捺印します。
やってきたバスは、ピンク色の派手派手な外観!
そんなにデラックスではありませんでしたが、それなりに快適でした。
車内には乗務員が2人います。交代で運転するようです。
そして、世界各国からやって来た旅行者も大勢います。私たちを含めた国境からの合流組が乗り込むとバスは満席になりました。
カンボジアの平原をバスで疾走する
カンボジアの平原
カンボジア側の国境の町「ポイペト」を出発したバスは、延々と広がる平原をひた走っていきます。
赤土の大地には、熱帯の濃い緑色をした樹々がまばらに生えています。
クーラーが効いていたので涼しいですが、日差しはかなり強烈。
車窓からは、農作業をする人の姿が見えたり、水牛の姿が見えたりします。
空には入道雲がもくもくと広がっています。
その雲がどんどん広がっていき、空が雲に覆われた頃、いきなりザーッと雨が降ってきました!
スコールです!
滝のような雨が、バスの窓をバチバチと叩きます。地平線まで見えた平原の風景があっという間に見えなくなってしまいました。
けれども、ほんの30分も経たないうちに雨は上がります。
そして、何事もなかったかのように、再び眩しい日差しがバスを照らしはじめるのです。
空は気持ちのいいほどすっきりと晴れ上がり、遠くの空には綺麗に虹が出ていました。
昼食は鄙びたあばら家の食堂でとりました。
旅行者がぞろぞろと食堂に入っていき、みな料理を注文し始めます。
私たちは、フライドライスとコーラをいただきました!
何度もパンクしたバス
夕方、私たちのバスはトラブルに見舞われました。
未舗装のぬかるみにスタックしてしまい、動かなくなってしまったのです。
しばらく運転手はアクセルを思い切り踏み込んで頑張っていましたが、タイヤはずるずると泥の中を横滑りするだけ・・・。
結局、運転手の指示により全員バスの外に降りることになりました。
運転手は再びアクセルを思い切り踏み込みますが、まったく動きません。
何度かトライを繰り返した後、バスは何とかぬかるみを抜け出すことが出来ました!
拍手喝采!!
けれども、安心したのも束の間。
しばらくすると、バスは変な音を立ててスローダウンし始めます。
運転手の1人がバスを降りタイヤをチェックすると・・・。
どうやらパンクしたようです。
私たち乗客も外に出てタイヤの様子を見てみます。後部の右側のタイヤがパンクしているのが見えます。
再び、バスの外に降りることになった乗客。
運転手はジャッキで車体を持ち上げ、タイヤ交換を始めます。
夕暮れの平原、太陽が西の空にゆっくりと沈んでいき、辺りは徐々に暗闇に包まれていきます。
そんな風景の中、作業するドライバーの姿を眺めながら、乗客たちはその辺をぶらぶらと歩き回ったり、煙草をぷかぷかと吹かしたりして、のんびりと過ごしていました。
タイヤの交換が終わりました。
ホッと一息ついたドライバーは再びアクセルを踏み込み始めます。
さあ、出発です!目的地のシェムリアップはもうすぐ!
何度もパンクしたバス
けれども・・・
このバスは予想以上に機嫌が悪いようでした。
しばらくすると再びバスはふらふらと挙動不審な動きをし始め、そのうちバスは停まってしまいました。
運転手もさすがにうんざりとした表情。
やはり、またパンクのようです。
今度は前輪の右側。三度私たちはバスの外に降ります。
もうみんな慣れてきて、このトラブルを楽しんでいるような雰囲気。
真っ暗な闇の中、空には星がきらきらと瞬き、原野の暗がりには蛍がチカチカと灯りを輝かせながら飛び回っていました。
ドライバーたちが相談を始めています。どうやら今度ばかりはどうしようもないという感じです。
ドライバーから私たちに向けて説明がありました。
「このバスは故障して動けない。乗り換えのバスがシェムリアップから来るからしばらくの間待っていて欲しい」
そう言います。
それを聞くと辺りに失笑のざわめきが起き、一部の外国人から皮肉を込めた歓声が上がりました。
1時間ばかりしてシェムリアップから乗り換えのバスがやってきました。
我々がぞろぞろと乗り込むと、すぐさまバスは出発。
結局、シェムリアップに到着したのは、午後9時頃。
さすがに疲れました。
シェムリアップに到着すると、私と友人は、ガイドブックに載っていた宿「グリーンガーデンホーム」(シャワートイレ冷房付きツイン、17ドル)に向かいます。
バスを降りると群がってきたバイタクのお兄ちゃんたちに「グリーンガーデンホーム」に行きたい旨を告げると、すぐに了解し、ブルルルンとバイクを走らせてくれました。
宿はバスの発着場からはすぐでした。
私たちがチェックインを済ませると、バイタクのお兄ちゃんたちは、
「明日、俺たちをチャーターしてアンコール・ワットを回らないか?」
と話を持ちかけてきました。
私と友人は彼らを雇うことに決め、しばらくのやりとりの後、1日7ドル、3日間の契約ということで話はまとまりました。
明日の朝5時、宿の前で待ち合わせることにして彼らと別れます。
朝、「アンコール・ワット」の日の出を見に行くのです。
「グリーンガーデンホーム」は、簡素ですが、なかなか気持ちのよい宿でした。
真っ白なベッドシーツ、キンキンに効いた冷房が気持ちいい!
長旅の疲れも吹っ飛ぶというものです。
友人と私は大満足し、微かに聴こえてくる虫の声に包まれながら眠りに落ちました。
明朝は「アンコール・ワット」へ
旅行時期:2000年3月・2003年8月
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