タイ映画「おばあちゃんと僕の約束」|祖母と孫の心の交流と家族愛を描いた感動作

おばあちゃんと僕の約束 エスニック映画館
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2024年タイで記録的な大ヒット! 自分よりも家族を思う愛情の深さに、 涙があふれて止まらない。

映画『おばあちゃんと僕の約束』公式サイト

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古き良きバンコクの下町を舞台とした、祖母と孫の心の交流

映画の舞台となるのは、タイの首都バンコク。古き良き街並みが残るタラート・プルー地区。

主人公は、大学を中退しゲーム実況者を目指す青年エム(プッティポン・アッサラナッタクン(ビルキン))

エムと彼の祖母メンジュ(ウサー・セームカム)の心の交流や家族愛、エムの成長を描いたのが本作品です。

劇場公開は2024年4月。作品の感動がSNSで拡散され、年間最大のオープニング成績を記録。インドネシアやマレーシア、シンガポール、ベトナムなど近隣諸国でも大ヒットし、タイ映画最大の世界興行収入を達成した作品となりました。

※記事は少しネタバレ含みます。

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「おばあちゃんと僕の約束」あらすじ

おばあちゃんと僕の約束

物語はお墓参りのシーンから始まります。

お墓には、エムとメンジュ、メンジュの長女(エムの母)シウ(サリンラット・トーマス)、長男キアン(サンヤー・クナーコン)、次男スイ(ポンサトーン・ジョンウィラート)が集まっていましたが、エムは嫌々来ている感じ。

メンジュに頼まれたお墓への花びら撒きも適当で、ずっとゲームをしています。

家族の墓は小さな墓。近くには別の家族の大きくて立派な墓があり、メンジュは家族のために大きな墓を建てたいと考えています。

しかし、ここで不幸が起こります。

お墓で転倒し病院の検査を受けたメンジュに癌が見つかってしまうのです。

診断はステージ4。余命はいくばくもありません。

ちょうどその頃、エムは従妹のムイ(トンタワン・タンティウェーチャクン)が祖父の介護をした結果、豪邸を相続したことを知ります。

「自分も」と思ったエムは、不謹慎にも遺産の相続を目論んでメンジュの介護を引き受けることを決意。家に転がり込み、一緒に生活を始めます。

エムのダメ人間っぷりにイラッとする観衆。

けれども、エムは、メンジュが出している粥屋台の仕事を手伝ったり、家事を手伝ったり、病院に付き添い行ったりと、メンジュと生活を共にしていく中で、彼女の家族に対する愛情と、彼女にとって家族というものが如何に大切な存在であるかということを知ることになるのです。

そんなメンジュとは対照的に自分のことしか考えていない周りの家族たち。

キアンとシウは遺産の相続で揉めたり、スイはメンジュのへそくりをくすねたり、キアンはメンジュの気持ちを無視して自分の家での同居を持ち掛けたり(遺産相続が目的?)。

自分を含めた家族とメンジュの温度差に気付き、もやもやとした感情を募らせていくエム。

そして、いつしかエムは、メンジュの側に立って物を考えるようになっていきます。

短い闘病期間の末、メンジュは亡くなります。

エムはその時、メンジュの介護を始める前は想像もしていなかった行動をすることとなるのです。

※続きは、本作品をご覧ください。

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映画「おばあちゃんと僕の約束」の感想

タイのどこにでもありそうな家族のドラマを描いたこの映画。

物語は淡々と進み、驚くような展開があるわけではありませんが、美しい映像と共に、ひとつひとつの何気ないシーンが心に沁み入ります。

監督のパット・ブーンニティパットは、「観客に余白を残したい」と語っており、観客は登場人物が語る少ないセリフや、何気ない行動から、エムやメンジュらの気持ちを読み取っていきます。

欧米やインドはどうかはわかりませんが、日本人の現実の人間関係もこんな感じ。家族同士、多くは語りません。

そんな、エムやメンジュのちょっとした発言や行動が心に刺さり、感情を揺さぶられたり、深い感動が引き起こされます。

所々で涙腺が緩むシーンがありました。

メンジュの生き方に触れ、徐々に変わっていくエムを演じたビルキンや、厳しさとユーモアを併せ持つメンジュを自然に表現したウサー・セームカムの配役や演技も素晴らしい。

 

そして、ラストシーン。

エムが建てた立派なお墓に家族全員が集う場面。

エムが参列した少女(キアンの娘)に花びらの撒き方を教えています。冒頭のシーンでメンジュがエムに諭したのと同じように。

その様子を眺めながら、涙が止まりませんでした。

キャスト

  • エム:プッティポン・アッサラッタナクン(ビルキン)
  • メンジュ:ウサー・セームカム
  • キアン:サンヤー・クナーコン
  • シウ:サリンラット・トーマス
  • スイ:ポンサトーン・ジョンウィラート
  • ムイ:トンタワン・タンティウェーチャクン

スタッフ

  • 監督・脚本:パット・ブーンニティパット
  • プロデューサー:ワンルディー・ポンシティサック
  • プロデューサー:ジラ・マリクン
  • 脚本:トッサポン・ティップティンナコーン
  • 音楽:ジャイテープ・ラーロンジャイ
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この記事を書いた人
mar

元バックパッカー。今はスーツケース旅行者。60以上の国を訪問しました。
インド、アジア、中東、中南米などの料理にハマり中。
妻のmiiと共に、国内外の600店舗以上を食べ歩いています。

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