名古屋市昭和区。地下鉄桜通線「桜山駅」から徒歩8分の塩付通り沿いに、東インド・オディシャ料理のお店『Patsu Curry(パツカリー)』があります。
このお店、日本では数えるほどしかない、東インド・オディシャ州(オリッサ州)のお料理を提供しているお店。オディシャ料理に特化したお店としては唯一かもしれません。
お店のオープンは、2022年6月。お店ではオディシャ料理の料理教室も開催されているのだそう。
日本で唯一の東インド・オディシャ州(オリッサ州)料理の専門店
『Patsu Curry(パツカリー)』の外観
こちらが、『Patsu Curry(パツカリー)』の外観です。
シンプルな外観。全面がガラス張りで、中の様子が見えるので入りやすい雰囲気。
店頭には、カレーリーフの苗木がありました。
東インド オディシャ食堂『Patsu Curry(パツカリー)』
店頭のメニュー看板
店頭のメニュー看板です。
「野菜がおいしく食べられる東インド料理の店」と書かれています。本日は特別メニューのみとのこと。
看板は、マハーラシュトラ州の先住民族の絵画「ワルリー画」のような素敵なデザイン♪
さっそく、店内へと入っていきましょう〜!
『Patsu Curry(パツカリー)』の店内
こちらが、『Patsu Curry(パツカリー)』の店内です。
内装は、ベージュと木の茶色を基調とした温かい雰囲気。座席は、カウンター席とテーブル席があり、座席数は合計10席ほど。
座席は10席のみ
棚に並べられたスパイス
お店は、店主さん1人のワンオペで、営業時間も、火・水・土・日の12:00~14:00と少なく、予約の受付も無いので、なるべくオープン時間に間に合うように訪問するのがおすすめです。
自分たちは、12時ちょっと過ぎにお店に到着しましたが、空いていたのは最後の2席で、ギリギリ一巡目セーフという状態でした。
入り口で販売されている雑貨や食材など
こちらは、お店の入り口の雑貨や食材などの販売コーナー。
オディシャ州で信仰されている神様「ジャガンナート神」の人形や壁掛け(凧?)。コナーラクの太陽寺院の写真、ワルリー画のポストカード、インド食器、アジアンハンター小林真樹さんの書籍、オリッサ州のガイドブックなどなど。
ジャガンナート神様がたくさん!
ジャガンナート神様がたくさん! ジャガンナート神については↓参照。
パールGのビスケット、各種スパイス
パンチャフッタナ、レッドチリホール
食材もいろいろ。パールGのビスケット、アンビカのスパイスパウダーやガラムマサラ。MDHのチャットマサラ。ミックススパイスのパンチャフッタナ、レッドチリホールなどなど。
パンチャフッタナは、使い方レシピ付きです(400円)
壁に掲げられた店主さんのオディシャ訪問時の写真
さて、このお店『Patsu Curry(パツカリー)』が提供しているオディシャ料理ですが、どんなお料理なの?というところだと思うので、Wikipediaを参考にちょこっとご説明。
オディシャ州とは? オディシャ料理とは?
オディシャ州は、東インド、コルカタのある西ベンガル州の南にある州で、インドの叙事詩「マハーバーラタ」にも記述があるという歴史ある土地。アショーカ王が仏教に帰依するきっかけとなった土地でもあります。州都はブバネーシュワル。公用語はオリヤー語。
オディシャ料理は、油の使用が少なく、辛さが控えめなのが特徴。隣のベンガル料理と同じくマスタードオイルが多用され、ギーやヨーグルトもよく使われるのだそう。
主食はお米で、ベンガル湾で獲れる魚や海老などの魚介が多く食べられている一方で、鶏肉や羊肉の消費は少なめで、豆や野菜を使った料理が多いのだとのこと。
スパイスは、「パンチャ・プタナ(パンチャフッタナ)」(西ベンガルの「パンチ・フォロン」と同じもの)という5つのスパイス(マスタード・クミン・フェヌグリーク・アニス・カロンジ)のブレンドが広く利用されています。
また、海岸部にあるプリーには、ヒンドゥー四大聖地のひとつである「ジャガンナート寺院」があり、寺院で提供される料理「マハープラサーダ」(供物のお下がり)がよく知られています。
スイーツも有名で、「ピタ」と呼ばれるパンケーキの種類が豊富なほか、インドスイーツの王様とも呼ばれる「ラスグッラ」もオディシャ名物のひとつです。
参考:Cuisine of Odisha(Wikipedia)
さて、オディシャについての話はこれくらいにして、そろそろメニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『パツカリー』のメニューと注文方法
レジ前に掲げられたメニュー
『Patsu Curry(パツカリー)』のメニューと注文方法は↓のようになっています。
- カウンターで来店順に注文&お支払い(現金のみ)
- 番号札を渡される。
- 料理が出来たら、番号を呼ばれるのでカウンターで料理を受け取り(飲み物は後で提供される)
- 食べ終わったら、セルフサービスで食器を返却棚に各自返却
店主さんお一人のワンオペなので、お料理は最初に全部注文することが望ましいですが、注文後に後からオプションを追加することもできます。
本日は特別メニュー「ポカロ(水ごはん)ターリー」
お料理のメニューは、普段は肉や魚、野菜のワンプレートのオディシャターリーを提供しているようなのですが、この日は特別メニュー「ポカロ(水ごはん)ターリー」のみ。
本日のオプションとドリンク
オプションとして、「ムキエビのアチャール」と「マスタードチキンカリー」がありました。
それでもって、今回注文したのは↓
- 「水ご飯(ヨーグルト入り)Dahi Pakhala Thali set」(1,700円)
- 「マスタードチキンカリー(chicken besara)」(400円)
- 「ムキエビのアチャール(スパイスオイル漬け)」(400円)
ドリンクは、
- 「masala coke(スパイス岩塩入り)」(500円)
- 「ハニーレモネード(インド産ハチミツ)」(500円)
をチョイス。
料金をお支払いし、番号札を受け取り、席に座ってお料理が提供されるのを待ちます。
順々に番号が呼ばれ、しばらくして、自分たちの番号がコール!
夏の特別メニュー「ポカロ(水ごはん)ターリー」が衝撃的に美味しい♪
「水ご飯(ヨーグルト入り)Dahi Pakhala Thali set」(1,700円)
こちらが、本日の特別メニュー「水ご飯(ヨーグルト入り)Dahi Pakhala Thali set」です!
銀色のプレートの上に、白い水ご飯が入った大きめの器。カトリが1つ。それと8種の副菜が載せられています。右上の小皿はオプションの「マスタードチキンカリー」
それぞれのお料理の名前や説明はどこにも記載が無く、詳細はわからないのですが、オディシャに隣接するベンガル料理にある「ボルタ」(ジャガイモやナスなどをマッシュしたおかず)が見えます。
そして、何より、白いスープの「水ご飯」がインパクトあり!
さっそく、いただきましょう〜♪
「水ご飯(ヨーグルト入り)」
まずは、「ポカロ(水ご飯)ヨーグルト入り」(Dahi Pakhala)
インド料理のバイブル「食べ歩くインド」(小林真樹著)によると、「ポカロ(パカラバート)」は、夏の間に好んで食べられるオリッサの伝統料理で、炊いたお米を前夜から水に浸して冷やしたものに、塩やクミンで味付けし、生野菜または揚げた野菜を入れて食べる簡易食。お米が微発酵しているのが特徴とのこと。
本来は田舎の農家で食べられるお茶漬けのような食べ物ですが、現地のオリッサ料理店でもメニューとして出しているお店が少なくないのだとか。
この「ポカロ(水ご飯)ヨーグルト入り」、初めていただきましたが、思いもかけず絶品でした★
ヨーグルトの酸味とほど良い塩気。スパイスが適度に効いていて、お茶漬けのようにサラサラと食べられる冷たいご飯。レモンや紫玉ねぎのアクセントもGood。マスタードオイルの効いた副菜の数々との相性も抜群です!
暑い夏にぴったりのお料理。本当に美味しい♪
ツナのボルタ、ナスのアチャール、かぼちゃ、乾燥ウラド豆の炒め物
ドラムスティック、オクラ
ボルタ、ゴーヤ
プレートに載った8種の副菜は、詳細はわからないものの、ほくほくしたマッシュの食感が美味しいジャガイモのボルタやツナのボルタ。クリスピーな乾燥ウラド豆の炒め物。マスタードオイルの風味がNiceなドラムスティック。オイルの旨みがたまらないナスのアチャールなどなど、どのおかずも優しいお味ながらメリハリが効いていて、それぞれ個性的。水ご飯との相性抜群!
「マスタードチキンカリー(chicken besara)」(400円)
こちらは、オプションの「マスタードチキンカリー(chicken besara)」
これも絶品! 柔らかくて肉厚の骨付きチキンに、マスタードオイルのほど良いピリッと感。手掴みで骨をむしゃぶり、骨に付いた肉のかけらも、ひとつ残らず貪ってしまうような美味しさ♪
「ムキエビのアチャール(スパイスオイル漬け)」(400円)
オプションのもう一品。
「ムキエビのアチャール(スパイスオイル漬け)」です。
スパイシーなオイルにまみれたプリプリのムキエビ。間違いの無い美味しさ! いくらでも頂けちゃいそうです♪
食べ終えるのが惜しくなるほど美味しい♪
『Patsu Curry(パツカリー)』の特別メニュー「水ご飯(ヨーグルト入り)Dahi Pakhala Thali set」
初めていただきましたが、衝撃的な美味しさでした!
とにかく、水ご飯そのものが本当に旨い♪ 8種の副菜も、いずれも、食べ終えるのが惜しくなるほどの美味しさ★
「masala coke(スパイス岩塩入り)」(500円)
こちらは、お食事と一緒にいただいたお飲み物「masala coke(スパイス岩塩入り)」
これが、また美味しかったです♪
コーラの甘さと炭酸のシュワっと感に、岩塩の塩気とスパイスの風味が合わさって、ビターかつスイートな不思議な風味。マスタードオイルの効いたオディシャのお料理も合います♪
「ハニーレモネード(インド産ハチミツ)」(500円)
こちらは、「ハニーレモネード(インド産ハチミツ)」
ハチミツの仄かな甘味と、レモンの酸味が爽やか♪ こちらもお料理との相性バッチシ★
『Patsu Curry(パツカリー)』
名古屋・桜山にある、日本で唯一の東インド・オディシャ州(オリッサ州)のお料理の専門店『Patsu Curry(パツカリー)』
いただいた特別メニュー「ポカロ(水ごはん)ターリー」は、酸味と塩気とスパイスが効いた、サラサラと食べられるお茶漬けのような一品。これが、本当に美味でした♪
マスタードオイル風味の各種おかずもそれぞれ絶品! オディシャ料理の魅力に開眼させられます!
次回訪問した際は、是非ともオディシャ料理のスタンダードなターリーをいただいてみたいです★
◉『Patsu Curry(パツカリー)』の地図・アクセス
- 住所:愛知県名古屋市昭和区塩付通6-76-2
- アクセス:地下鉄桜通線「桜山駅」から徒歩8分
- 営業時間:12:00~14:00
- 定休日:月・木・金
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