エジプト(Egypt:مصر)
肥沃なナイル川の恵みに育まれ、紀元前3000年の古代エジプト文明の成立から5000年以上もの歴史を持つエジプト。
ピラミッドやスフィンクス、ルクソールの王家の谷などの古代エジプトの遺跡、中世から近世までのイスラムの中心地としてのカイロの街並み、広大な砂漠とオアシス、紅海の美しい海。見どころたくさんのエジプトです!
今回は、ルクソールの遺跡をご紹介します。
真夏のルクソール、王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿など、新王国時代の遺跡を巡ります。
首都カイロからナイル川沿いに南へ670km。
「ルクソール」は、紀元前16世紀から紀元前11世紀に掛けて繁栄した新王国時代の王都「テーベ」のある町です。
ピラミッドが造営された古王国時代から1000年後、エジプトはここテーベを中心として空前の繁栄を謳歌しました。
ラムセス2世、ハトシェプスト女王、トトメス3世など、古代エジプトを代表する王がこの時代には多く現れています。
遺跡は広範囲に広がっています。
ナイル川を境に、「生」の地である東岸に「カルナック神殿」と「ルクソール神殿」があり、「死」の地である西岸に「王家の谷」や「王妃の谷」があります。
それらの遺跡をタクシーをチャーターしたり、ツアーによって周るのがルクソールの観光のセオリーです(たまに自転車で周る人もいます)。
王家の谷
ナイル西岸にある「王家の谷」です。
ここでは現在、24の王墓を含む62の墓が発見されているそうです。
一番有名なのが1922年に発見されたツタンカーメン王の墓。他の王墓は全て盗掘で荒らされていたのですが、ここは初の未盗掘の王墓で、副葬品の財宝が完全な形で発見されました。
ツタンカーメンは、調査によると17~20歳の頃に亡くなったのだそうです。 死因は謎です。
ツタンカーメンの黄金のマスクは、現在カイロのエジプト考古学博物館で一般公開されています。
王家の谷から歩いて岩山を越え、「ハトシェプスト女王葬祭殿」へと向かいます。
ロバに乗って行くこともできます(もちろんお金がかかります)。
ルクソールを訪れたのは真夏の8月。40℃近い炎天下の中、日光を遮るもののない王家の谷の観光は結構しんどかったです。
岩山を越えると広大な風景が広がっておりました。
下に見えるのは目的地である「ハトシェプスト女王葬祭殿」、向こうに見えるのはナイル川。ここを降りていきます。
ハトシェプスト女王葬祭殿
「ハトシェプスト女王葬祭殿」です。
1997年11月、ここで外国人旅行者61人を含む63人が亡くなったイスラム原理主義過激派のテロ、「ルクソール事件」が起こりました(日本人も10人亡くなっています)。
この事件によってエジプトの最大の収入源である観光収入が激減。地元民の生活にも大きな打撃を与えました。
「ハトシェプスト女王葬祭殿」の壁画と浮き彫りです。
ハトシェプスト女王は、古代エジプト唯一の女性ファラオとして知られています。古代エジプト第18王朝5代目のファラオで、在位は紀元前1479年頃から紀元前1458年頃まで。
在位中は絶対的な権力を持っていたと言われるハトシェプスト女王。
彫刻や彫像で、彼女はいつも男性の姿で描かれており、公式な場では男装し顎に付け髭を付けていたと伝えられています。
写真は、柱廊の脇にある「ハトホル女神の礼拝堂」のレリーフ。 ハトホルは牝牛の女神です。
ラムセス3世葬祭殿(メディネトハブ)
「ラムセス3世葬祭殿(メディネトハブ)」です。
写真は、入り口の第一塔門。この塔門は幅66m、高さ22mもある立派なもの。
写真の通路の中に見えるのが人。その巨大さがわかりますね。
第一塔門をくぐったところにある第一中庭。
ここには、両側に円柱とオシリス柱がズラリと並んでいます。円柱にはたくさんのヒエログリフのレリーフが描かれています。
第二中庭にある建物には、彩色された壁画が残されています。
エジプトの遺跡はどれも砂色をしていますが、出来た当初は色とりどりだったらしいことがわかります。
「王家の谷」や「ハトシェプスト女王葬祭殿」などがある西岸の対岸、ルクソールの町のある東岸には、「カルナック神殿」や「ルクソール神殿」があります。
特に「カルナック神殿」は、ルクソール観光のハイライトのひとつ。
「カルナック神殿」は、広大な敷地の中に歴代の王が建てた様々な建物が並ぶ神殿複合体。広さは1ヘクタールにも及びます。
観光客が見ることができるのは、「アメン大神殿」のみですが、134本の巨大な円柱の並ぶ「大列柱室」や、高さ29.5mにもおよぶエジプト最大級のオベリスク、スフィンクスがたくさん並ぶ「スフィンクス参道」など見どころ満載!
ところが、この時、ちょうどカメラのフィルムを切らしてしまい、写真はないんです(泣)
ルクソール神殿
「ルクソール神殿」です。
「ルクソール神殿」は、カルナック神殿の「アメン大神殿」の付属神殿として、エジプト第18王朝(紀元前1550〜1295年頃)のファラオ「アメンホテプ3世」(紀元前1390〜1352年頃)によって建立された神殿です。
カルナック神殿と同じく、大列柱が並ぶ回廊やオベリスク、スフィンクス参道などがあります。
この「ルクソール神殿」は、夜の光景が魅力的!
遺跡がライトアップされるんです。
「ルクソール神殿」は、ルクソールの街から近く、夜、散歩がてらに訪れることができます。
遺跡の下から照明が当てられ、黄金色に輝く神殿の姿はとても神秘的!
「ルクソール神殿」、ぜひ、夜に訪れることをおすすめします。
旅行時期:1996年8月
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