スリランカ中部にある古都「キャンディ」
この町で、毎年エサラ月(7〜8月)の新月から満月にかけて、スリランカ最大のお祭りが行われます。
「エサラ・ペラヘラ祭り」(Esala Perahera)です。
”ペラヘラ”とは、行列を意味していて、御神体などを象の背中に載せて街中を行進するのが「ペラヘラ祭り」です。
ペラヘラ祭りの象
「キャンディ」には、スリランカの仏教徒にとって最も重要なお寺「ダラダー・マーリガーワ寺院」(Dalada Maligava)、通称「仏歯寺」があります。
「仏歯寺」は、その名の通り、ブッダの歯「仏歯」が納められたお寺です。キャンディの「ペラヘラ祭り」では、この「仏歯」を象に載せて行進します。
スリランカ全土に「ペラヘラ祭り」は数あれど、「仏歯」が行進するのはキャンディだけ!
キャンディの「ペラヘラ祭り」こそが、スリランカの仏教徒にとって最も重要なお祭りとされているのです。
ペラヘラ祭り観覧の場所探し
ペラヘラ祭りを待つ人々
「ペラヘラ祭り」は、2週間かけて行われます。
私が訪れたこの日はちょうど満月、お祭りの最終日でした★
日中のキャンディの街中は、夜に行われるパレードの場所取りで大混雑。
パレードの始まりまで6時間以上もあるのに、通りの両側は敷物を敷いて座り込む人々で埋め尽くされています。
彼らは無料観覧組。タダでパレードを見るためには、かなり早い時間から場所を取っておく必要があるのです。
真夏のスリランカ、炎天下の中で座って待ち続けるのも結構大変(汗)
待つ時間がない人、炎天下の中で待ちたくない人、お金をかけてもいい人は、有料の観覧席があります。
特に、メインストリート沿いにあるコロニアルホテル「クイーンズ・ホテル」の観覧席は一番リッチな席。料金はひとりあたりUS$50〜70ほど。
優雅なテラスから最高のロケーションで観覧することができます。
そこまでお金をかけたくない場合は、通り沿いのカフェやレストランで見るのがベター。
しかしながら、カフェやレストランは、食事しながら見れるため人気が高く、いい席を確保するのは至難の技です。
でも、心配はいりません。
席はいくらでもあるんです!
「ペラヘラ祭り」の時は、通り沿いの民家もお店も会社も、建物の前に即席の観覧席をずらりと用意。
家庭の奥さんも、電気屋の主人も、IT会社の社員も、即席の客席売りに早変わり!
通りを歩いているだけで、何人もの人から「客席あるよー!」と声を掛けられるのです。
ペラヘラ祭りの始まり
私も、声を掛けてきた人についていき、客席を確認。
料金交渉して、Rs.3,000(1,830円)の座席を確保しました♪
座席に座った時刻は18:30分頃。
今か今かとパレードがやってくるのを待ちます。
けれども、なかなか来ません・・・(汗)
そして、パレードの先頭が目の前にやってきたのは、なんと、21:30分頃!
3時間も待ちましたー!!
あまりにも待っている時間が長いので、途中、こくりこくりと眠ってしまったほどです。
ムチ打ち、ファイヤーダンス、ペラヘラ祭りの始まり!
さて、「ペラヘラ祭り」の始まりです!
「ペラヘラ祭り」の行進は、まず、ムチ打ちの行進から始まります。
男性が爆竹の付いたムチを「パン!パン!」という激しい音を立てながら振り回します。
この音は、稲妻と雷を表しているんだとか。
ムチ打ちのムチを打つ音で、パレードが始まったことがわかります。
「ペラヘラ祭り」のパレードの構成は、ムチ打ち、旗持ち、土地役人、太鼓叩き、象厩舎の長、踊り手、副在家総代、仏歯を載せた仏歯寺の象、在家総代、各神殿の象(ナータ、ヴィシュヌ、カタラガマ、パッティニの順)、各神殿の総代、輿の順番になっています。
ファイヤーダンス
ファイヤーダンス
旗持ち
ファイヤーダンス
ムチ打ちの後にやってきたのは、ファイヤーダンスの曲芸師たち。
たくさんの炎が付いた火の輪をぐるぐると回し、空中に放り投げてキャッチしたり、火の付いた棍棒をお手玉のように何本も宙に投げたり。
ファイヤーダンスと竹馬
3〜4メートルはあろうかという竹馬に乗った曲芸師たちもやってきました。
大股でずんずん歩いてきて、片足を上げてケンケンしたり。
皿回し
皿回しの曲芸師もやってきます。
細くてしなる長い棒の上に皿を載せ、くるくる回したり、上空に飛ばして棒の先でキャッチしたりします。
たくさんのお皿を操っている人もいました。
そんな曲芸師たちが入れ替わり立ち替わりやってきて、結構見ごたえがあります!
太鼓叩きの楽団
曲芸師たちの後は、旗持ちや太鼓叩きなどの楽団、ダンサーの集団などが続きます。
そして・・・、
向こうから電飾できらきら輝く大きな動物が歩いてきました。
象です!
電飾できらびやかに飾られた象、そして「仏歯」
電飾で飾られた象
ペラヘラ祭りの華、象が登場!
「ペラヘラ祭り」の華、象!
昼間、仏歯寺の庭園で葉っぱを食べ、体を洗われていたあの象たちです。
象たちは、鼻や耳、頭のところにたくさんの電飾が飾られ、キラキラの刺繍が施された布の服を纏っています。
仏歯を載せた象
「ペラヘラ祭り」最大の見もの、仏歯を載せた象がやってきました!
黄金色の布を纏ったひときわ立派な象。
沿道の観客たちのフラッシュが一斉に焚かれます。
スリランカでは、仏歯を持つものこそが、正当な王位の継承者であるという考え方がありました。
そのため、19世紀に植民地支配したイギリスも、国を支配したものの仏歯がなかったために反乱が収まらず、結局1818年に仏歯を手に入れることとなったのです。
キャンディアン・ダンス「ウダ・ラタ・ナトゥム」(高地の踊り)
扇を持ったダンサーと象
楽団の太鼓の音とともに、ダンサーによる華やかな踊りが披露されます。
この踊りは、「ウダ・ラタ・ナトゥム」(高地の踊り)と呼ばれるキャンディの伝統舞踊。
通称「キャンディアン・ダンス」と呼ばれる踊りです。
白いボンボンを振り回すダンサー
ダンサーのパフォーマンスと象
「ウダ・ラタ・ナトゥム」は、宗教儀礼で神に捧げるために踊られる舞踊で、その踊りの形は様々。
孔雀や蛇など、自然のものをモチーフにした踊りが多いです。
中でも華やかで力強いのが「ウェス・ナトゥム」という踊り。
銀色のじゃらじゃらした頭飾りをつけた男性が踊る勇壮な踊りで、その起源は「コホンバ神」への祈りの儀礼「コホンバ・カンカーリヤ」にあるといわれます。
神輿と旗
輿(ランドーリ)
輿の行列
写真は、輿(ランドーリ)
仏旗や地方の旗を掲げた行列、豪華な布で覆われていたり電飾で飾られた輿など、その他にもいろいろなのが行進します。
各寺院ごとの色(黄・青・赤・白)の象が練り歩く
「ペラヘラ祭り」は、キャンディにある国の四大守護神の各神殿(ナータ、ヴィシュヌ、カタラガマ、パッティニ)を巡るルートで行進されます。
行列には、各神殿の象がいて、神殿ごとに象の電飾や身に纏う布の色が異なっています。
- ナータ寺院・・・・・黄
- ヴィシュヌ寺院・・・青
- カタラガマ寺院・・・赤
- パッティニ寺院・・・白
キャンディアン・ダンスの踊り方も神殿ごとに違っていて、バラエティーに富んでいます。
行列は結構長いですが、見ていて飽きません♪
青い電飾と布を纏った象
ヴィシュヌ寺院の青い飾りの象です。
身に纏った衣装がすごく豪華!
青い電飾も美しいです。
子どもゾウが登場
象練り歩き
子供象
子供の象もいました★
ささやかに電飾で飾られていてかわいいです♪
エキゾチックな音楽
楽団によるエキゾチックな音楽が鳴り響き、祭りの雰囲気を盛り上げます♪
キャンディアン・ダンスの踊り、太鼓やラッパの響き、きらびやかな象。
華やかな「ペラヘラ祭り」の行列が延々と目の前を通り過ぎていきます。
夜11時過ぎまで大行列
結局、パレードは深夜の23時頃まで続きました。
観覧席に座ってから5時間あまり。
さすがにもうくたくた。。
でも、本当にバラエティーに富んでいて、綺麗で迫力があって面白かった〜♪
大満足です★
アジア最大のパレードが行われる「エサラ・ペラヘラ祭り」
夏のスリランカに行くなら絶対に外せない、必見のお祭りです!
※パレードのルートはこんな感じ↓
旅行時期:2014年8月
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