南インド、ケララ州最大の都市「コーチン(コチ)」(Kochi:കൊച്ചി)
町の内陸側にある「エルナクラム地区(Ernakulam)」にある、地域最大の市場が「エルナクラム・マーケット(Ernakulam Market)」です。
「ケララ州」と言えば、胡椒やクローブ、カルダモンなどのスパイスの産地として有名で、「コーチン」は、古代から香辛料貿易の中心地として栄えてきました。
「エルナクラム・マーケット」、もちろん、見どころは「スパイス」です★
カラフルな衣料品が並ぶ「マーケット・ロード」を北へ
リキシャで「エルナクラム・マーケット」へ
今回、「エルナクラム・マーケット」へはリキシャに乗って訪問しましたが、街の中心部にあるので歩いて行くのも容易です。
「エルナクラム地区」には、町を南北に走る二本の大通り「シャンマアム・ロード(Shangmham Rd)」と「M.G Rd(マハトマ・ガンジー・ロード)」があるのですが、「エルナクラム・マーケット」は、ちょうどその中間にあります。
「シャンマアム・ロード」からだと、レインボー・ブリッジのある運河に沿って内陸側に進んだすぐのところ。「M.G ロード」からだと、パドマ・シアターのある角を海側に曲がって4ブロックほど進んだところです。
「マーケット・ロード」
「エルナクラム・マーケット」へと続く「マーケット・ロード」です。
南から「マーケット・ロード」を北上していくと、まず、衣料品や布製品などが軒を連ねる地域に差し掛かります。
「WHOLE SALE」衣料品の問屋が並びます。
インドっぽい可愛い子供服の看板
カラフルな女性ものの服「WHOLESALE ONLY」
とってもカラフルです★
建物の形がなんかすごい!
衣料品マーケットの界隈の様子
日用的な布地も盛りだくさん!
おめかし用のビビッドカラーの子供服
インドらしい煌びやかなリボン屋さん
衣料品マーケットをさらに北へ
通りの両側には、インドっぽいカラフルなドレスや子供服などを売るお店がずらり!
どのお店にも「WHOLE SALE」の文字が掲げられています。
サリーなどの布地のお店はあまり見かけず、パンジャービードレスなどの仕立て済みの衣服のお店が多い印象でした。
そんな、カラフルな衣料品の並ぶ様子を眺めながら、「マーケット・ロード」をさらに北へと歩きます。
これぞマラバール!スパイスが詰まった麻袋がいっぱい!
交差点に停まる荷運び用のリキシャ
しばらく歩くと、荷運び用のリキシャが並ぶ交差点があり、その辺りから界隈は雑然とした雰囲気に包まれてきて、香辛料のスパイシーな香りが辺りに漂い始めます。
スパイス・マーケットです!
「エルナクラム・マーケット」麻袋に詰められた穀物や豆類、各種スパイス
通りの両側には、 麻袋に詰められた穀物や豆類、各種スパイスが置かれたお店がズラリ!
辺りは香辛料の刺激的な匂いで充満していました。
バスマティライスに各種豆類
クローブ、ブラックペッパーなど
ケララ州の東端を南北に縦断する山脈「西ガーツ山脈」
標高が高く、水はけの良いこの地域はスパイスの生育に適し、古代から様々なスパイスが栽培されてきました。
このスパイスを海外に運び出す窓口として栄えたのが、コーチンのあるアラビア海沿岸「マラバール地方」です。
この「マラバール地方」の海岸は、コショウが多く取引されたことから、別名「胡椒海岸」とも呼ばれていました。
この地域原産である「コショウ(Pepper)」は、古くから肉の味付けや保存の用途として利用され、古代ローマでは金と同じ価値があると言われるほど珍重されていました。
「コショウ」は、当時のヨーロッパ人にとって垂涎の的だったのです。
しかし、中世の時代、スパイス貿易はイスラム教徒であるアラブ人に独占されており、ヨーロッパ人は高価なお金を払ってコショウを買うしかありませんでした。
アラブ人を通さないで、なんとかコショウを手に入れられないものか・・・。
そう考えたヨーロッパ人たちは、インドと直接取引をしようと船で大洋に乗り出し、インドを目指すことにしたのです。
世界史のターニングポイントである「大航海時代」は、こうして始まったのです。
そして、1498年。ポルトガル人の「ヴァスコ・ダ・ガマ」は、南アフリカの喜望峰を通って海路インドに到達。
インド航路が開拓され、以後、ヨーロッパは世界の海を制覇することとなるのです。
唐辛子がたくさん!
ナツメグとメース、スターアニス
スパイスのふるさと「西ガーツ山脈」では、数多くの種類のスパイスが栽培されています。
インド原産の「コショウ」「ターメリック」「カレーリーフ」、スリランカ原産の「カルダモン」、インドネシアのモルッカ諸島原産の「クローブ」や「ナツメグ」、地中海原産の「フェンネル」「フェネグリーク」、中国南部原産の「シナモン」や「コリアンダー」「スターアニス」、中南米原産の「チリペッパー」などなど。
香辛料の香りが漂います。
スパイス・マーケットの賑わい
巨大な麻袋を担いだ人が!
これぞ、ケララ州・マラバール地方って感じのスパイス・マーケットを楽しんだ後、野菜や果物が売られる青物市場「エルナクラム・マーケット」へと向かいます。
カレーリーフの香りに包まれた「エルナクラム・マーケット」
「エルナクラム・マーケット」の内部
「エルナクラム・マーケット」の中に入ると、狭い場内には野菜や果物を扱う小さなお店がひしめき合っている様子に出くわします。
色とりどりの新鮮な野菜や果物。その種類もたくさん!
野菜を売るお店が並びます。
コーチン、スパイスバザールを歩く
ナス、にんじん、トマト、いんげん、玉ねぎ、じゃがいも、瓜、きゅうり、パプリカ、カリフラワー、にんにく、ショウガなどの野菜。
パイナップル、バナナ、オレンジ、ブドウ、ライム、パパイヤ、マンゴー、スイカなどの果物。
ライム?柑橘類を扱うお店
こちらは、ジャガイモや玉ねぎなど
にんにく、玉ねぎ
バナナが盛りだくさん!
大量のバナナ
バナナいっぱい!
バナナが盛りだくさん!
ケララ州には、椰子の木と同様、バナナの木がたくさん生えています。
南インドには、「レッドバナナ」という皮が赤い色をしていて、カスタードクリームのような味をした美味しいバナナがあるのですが、今回の旅では見かけることができませんでした。
南インド料理の必需品、カレーリーフ
こちらは、南インド料理の必需品、「カレーリーフ(curry leaf)」です。
「カレーリーフ」は、和名「オオバゲッキツ(大葉月橘)」というミカン科ゲッキツ属の木の葉っぱのこと。
「カレーリーフ」は、カレーと柑橘類を足したようなスパイシーな香味があり、南インド料理やスリランカ料理の香り付けとして利用されています。
乾燥させた「カレーリーフ」も売られていますが、乾燥すると香りが弱まるため、生のものが良いとされています。
熱帯で生育する植物なので日本では栽培が難しく、生カレーリーフは貴重なのですが、ここコーチンでは、どこへ行っても「カレーリーフ」が盛りだくさん!
この市場も「カレーリーフ」の香りが充満していました★
市場を包み込むカレーリーフの香り
新鮮な「生カレーリーフ」をひと枝。
匂いを嗅ぐと、芳しいカレーの香りが!
持って帰りたい!って思いましたが、たぶん、そのまま持ち帰ったら空港の検疫で引っかかってしまいそうなので、諦めることにしました。
「エルナクラム・マーケット」の入り口
「エルナクラム・マーケット」の外も野菜のお店がズラリ!
いろいろな種類の野菜が売られています。
体じゅうが「カレーリーフ」の香りに包まれた頃、「エルナクラム・マーケット」を後にします。
けれども、市場を出た向かいの通りにも、野菜や果物のお店がずらりと並んでいました。
市場の外にも様々な店舗が!
スナックのお店
「エルナクラム・マーケット」から歩いて海側へ、「シャンマアム・ロード」に向かって進んでいきます。
その通り沿いにも、現地インド人御用達の様々なお店が並んでいました。
クッキーなどお菓子類
ナッツやレーズンなどのお店
スパイス店、やっぱり多いです!
スパイス屋、金物屋
アルミなどの食器屋さん
インド人のマストアイテム、お弁当箱など
スナックやクッキー、ナッツなどのお菓子類、スパイスのお店、アルミ製のお弁当箱などを扱う食器屋さんなどなど・・・。
どこに行っても物が溢れていて、売られている商品も、お店の佇まいも、インドならではという雰囲気のお店ばかり!
インドの市場散策、楽しいです★
コーチンにある地域最大の市場「エルナクラム・マーケット(Ernakulam Market)」
コーチンに行ったら、ぜひ訪れて欲しい場所です。
◉エルナクラム・マーケットの地図
- 住所:Basin Rd, Marine Drive, Ernakulam, Kerala 682031
- 営業時間:5時00分~22時00分
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