「ルチャリブレ(Lucha Libre)」とは、メキシカンスタイルのプロレスのこと。
メキシコと言えば「ルチャリブレ」。「ルチャリブレ」は、メキシコの国民に熱狂的に愛されている大衆芸能(格闘技)で、本国メキシコだけでなく中南米全体で高い人気を誇っています。
ちなみに、「ルチャ」とは戦い、「リブレ」とは自由という意味です。
今回、メキシコシティにあるルチャリブレ会場(アレナ:Arena)のひとつ、「アレナ・メヒコ(Arena Mexico)」で興行を観てきたので、ご紹介します★
ルチャリブレの殿堂「アレナ・メヒコ(Arena Mexico)」
メキシコシティには、2つのアレナがあります。
セントロの北、ガリバルディ広場の東にある「アレナ・コリセオ(Arena Coliseo)」(日曜開催)と、セントロの南西、ソナ・ロッサの東にある「アレナ・メヒコ(Arena Mexico)」(火・金開催)の2つ。
今回は、日程の関係で「アレナ・メヒコ」に訪問。「アレナ・メヒコ」はボクシングなどの試合も行われる格闘技の殿堂であるとのこと。
チケットの購入
「ルチャリブレ」のチケットは、試合当日にスタジアムのチケット売り場でも購入することができますが、今回はテオティワカン遺跡のツアーのガイドさんの力を借りて事前にゲット!
セントロのフランシスコ・マデロ通り(Av. Francisco I. Madero)にあるレコードショップ「Mixup」のチケットマスターで購入しました。料金は一階席の中ほどあたりの座席で82ペソ(656円)でした★
スタジアムのチケット売り場にはダフ屋が多く、あまり雰囲気が良くないので事前に購入しておくと安心です。
なお、チケットの金額は座席の場所によっても異なり、火曜日よりも金曜日の方が有名レスラーが出場することが多いので、金額が高い傾向があるのだとのこと。
アレナ・メヒコへのアクセス
「アレナ・メヒコ」は、セントロとソナ・ロッサの間の「ドクトーレス(Doctores)」という地区にあります。
この辺りは治安があまり良くない地区。しかも、試合開始時刻は20:30(金曜日が20:30から。火曜日は19:30から)と夜の時間。
そのため、UBERを使って行くことにしました。
UBERを使うとセントロからは約15分ほど。料金は38メキシコペソ(304円)でした。
ちなみに、地下鉄を使う場合は、1号線の「クアウテモック駅(Cuauhtémoc)」、または、1号線と3号線の「バルデラス駅(Balderas)」が最寄駅になり、それぞれの駅から5分ほど歩くとスタジアムに到着します。
スタジアムは2つの大通り、クアウテモック通りとチャプルテペック通りから奥に入った裏通りにありますが、できるだけチャプルテペック通り側から入った方が安全のようです。
アレナ・メヒコ会場へ入場
アレナ・メヒコの看板
アレナ・メヒコの入り口
さて、スタジアムの前に到着すると、辺りはすごい人だかり!
地元のメキシコ人がほとんどですが、外国人観光客の姿もちらほら。
ダフ屋がたくさんいて、次々に声を掛けてきます。
スタジアム入り口にはルチャリブレグッズのお店がたくさん!
スタジアムの入口には、ルチャリブレグッズを売る屋台がいくつか出ていて、マスクや人形などが所狭しと並べられていました。
レスラーの試合案内のポスター
ミスティコという選手が人気のようです。
スタジアムの壁には、レスラーの試合案内のポスターがびっしりと貼られていました。
メキシコらしく、マスクマンの姿が多いです。
↑の写真にある「ミスティコ」という選手が人気のよう。
レスラーと一緒に記念撮影もできます!
マスクマンと一緒にごきげんな親子
会場の入口には、マスクマンと記念撮影ができるコーナーも設置されていました。
記念撮影のコーナーには長蛇の列。レスラーと写真を撮る機会なんて滅多にないので、よい記念になりそうです。
会場に入る際に注意すること
会場は、カメラと飲食物の持ち込みが禁止。
持参していた場合は預ける必要があります。
ただし、スマホの持ち込みは許可されているので、スマホのカメラで撮影することは可能です。
入口で係員のボディーチェックを受け、チケットを見せて、いよいよ入場!
会場にある売店
入り口を入ると、売店の上にメキシコらしいルチャリブレの壁画がど〜ん!と描かれていました。
売店では、スナックやサンドイッチなどの軽食やビールやジュースなどの飲み物。そして、マスク、レスラー人形などのお土産が売られていて、結構な盛況!
物色もそこそこに、さっそく試合会場の中に入っていきます。
熱狂のアレナ・メヒコのスタジアム
アレナ・メヒコの会場の様子
会場の中に入ると、ものすごい熱気!
中央にリングがあり、そこに続く花道があり、花道の裏には巨大スクリーンがあります。
リングを取り囲む座席は1階席と2階席があって、2階席は結構空いていましたが、1階席はほぼ満席でした。
このアレナ・メヒコ、メキシコ有数のルチャリブレ団体であるCMLLが所有し、収容人数は16,500人以上であるとのこと。
1956年に設立され、「アリナ・コリセオ」と並ぶ『ルチャリブレ2大聖地』とされているほか、1968年に開催されたメキシコオリンピックではボクシングの会場としても使われたのだとか。
花道の裏にある巨大スクリーン
会場では、すでに試合が始まっていました!
レスラーたちがリング上を縦横無尽に動き回り、テクニカルな技や空中殺法を披露していきます。
コミカルな動きをするなど、お笑い的な要素もあり。観客は歓声を送ったり、ラッパを鳴らしたりして、応援したりヤジを飛ばしたりしています。
「ルチャリブレ」とは?
盛り上がるアレナ・メヒコ会場
ところで、メキシカンプロレス「ルチャリブレ」
いったい、どんな内容なのでしょうか?
ちょこっと調べたのでご紹介します。
ルチャリブレの特徴
ルチャリブレと言えば、何と言ってもマスクマン!
マスクマン、ほんと多いです。
マスクマンは、アステカなどの文化的な影響から神聖視されているそうで、マスクマンは人前では絶対にマスクを脱ぐことはないのだとのこと。
そして、空中殺法!
日本では「ミル・マスカラス」で有名になったメキシコの空中殺法ですが、実際は投げ技や関節技なども多用します。それと、ロープワークが多いこともアメリカや日本のプロレスとは違った特徴であるとのこと。
ルチャリブレは、アメリカや日本のプロレス同様、善玉の「テクニコ」とヒールの「ルード」の抗争をメインとしています。
男性レスラーは、「ルチャドール」と呼ばれ、女性レスラーは「ルチャドーラ」と呼ばれるそう。
女性のプロレス団体はなく、女性レスラーは男性レスラーの前座か、男女混合のミックストマッチに出場することが多いのだとのこと。
試合形式は3本勝負で行われることが多く、テクニコとルードが1本ずつ取って、最後の3本目で決戦となることがセオリーのよう。
シングルマッチはあまりなく、タッグマッチがほとんどで、6人タッグや8人タッグなどが多く行われます。
また、階級がかなり細かく分けられているのも特徴で、フライ級からヘビー級まで12階級まで区分されています。
ルチャリブレの歴史
現在行われている「プロレス」の起源は、19世紀後半にアメリカで広まった「カーニバル・レスリング」だと考えられています。
サーカスの出し物のひとつとして行われていた「カーニバル・レスリング」は、1920年代には、善玉と悪玉の戦いを演じるプロレス・ショーの形式が成立、アメリカ国内で人気を博し興行として成り立つようになっていました。
そんなアメリカン・プロレスを見たメキシコ人のオーナーが「自国にもプロレスを」と、1933年にメキシコ初のプロレス団体「EMLL」(後のCMLL)を設立。
これが、メキシカンプロレス「ルチャリブレ」の起源です。
ルチャリブレが国民的娯楽となったのは、1953年のこと。
メキシコで伝説的存在として後世に語り継がれることとなるマスクマン「エル・サント」と、その終生のライバルとしてカリスマ的な人気を博した「ブルー・デモン」の試合が、1953年にテレビ中継されたのです。
「エル・サント」と「ブルー・デモン」は、共にマスクマン。マスクマンが主流になったのも彼らの時代からで、ルチャリブレらしい空中殺法もこの頃から多用されたと考えられています。
現在のような、派手な入場演出が行われるようになったのは1990年代から。
メキシコ国内での試合のテレビ中継も解禁され、ルチャリブレは爆発的な人気を博すようになりました。
2005年には人気マスクマン「ミスティコ」がデビュー。3代目となった現在でも圧倒的な人気を誇っています。
さて、ルチャリブレの説明はこのくらいにして、試合を見ましょう〜!
花道を彩るダンシング美女たち!
選手入場の時、ミニスカ美女たちが花道で踊ります♪
選手のテーマソングが聴こえてきました♪
選手入場です!!
ルチャリブレの選手入場はかなりド派手★
選手は大轟音のテーマソングに乗せてひとりずつ花道を入場し、背面にある巨大スクリーンに選手の紹介PVが映し出されます。
そして、花道にはダンシングする美女たちの集団が!!
ビキニにミニスカ姿で踊る美女たち。リングを華やかに彩っています。
でも、この美女集団、別にラウンドガールをするわけではなく、ただここで体を左右に揺らして踊っているだけ。
なんか、ちょっと笑えます。
そして、ビキニ美女たちの踊る花道を通って、レスラーたちが入場してきました!
善玉のテクニコたちのリングに入る時のパフォーマンスは格好いいですね!
決まってます★
一方、悪玉のルードたちの入場パフォーマンスは、口から水を吹き出したり、舌を出して挑発したりと、これも、らしくてなかなかGood!
こちらは、別の試合の入場シーン。
幅広のソンブレロを被り、メキシコ民族舞踊ハラベ・タパティオの音楽とひらひらスカートのダンサーに囲まれながらの入場。
手にはライフルらしきものも持っています。
善玉テクニコの入場は格好いいですが、悪玉ルードのパフォーマンスの方が見ていて面白いです。
ソンブレロを被り、ライフルを持ってコーナーに仁王立ち!
ルチャドールたちの華麗で、時にはコミカルなパフォーマンスに観客たち大興奮!
試合開始です★
見てください!かなりの盛り上がりです!
パワフルなチョップやキック、華麗な投げ技、流れるようなロープワーク!!
そして、時にはコミカルなパフォーマンス♪
見ていて、かなり面白いです★
それと、ルチャリブレには、ミゼットレスラー(小人症の大人のレスラー)がよく出場することも特徴的。
ミゼットレスラーは小さいですが、軽い体重を利用したアクロバティックな空中殺法やロープワークがなかなか見ごたえあり!
ルチャドールたちは、真のエンターテイナー。
テクニコもルードも、見せ場を作ってくれ、これぞプロレス!って感じのパフォーマンスを披露してくれます★
観客は、彼らの技やパフォーマンスに大歓声!
かなり楽しめました♪
観客たちはかなり熱狂
観客席の様子です。
観客たちは、ビールを飲み、スナックを食べつつ、ルチャドールたちに声援を送っています。
飲み物や軽食は頻繁にやってくる売り子から買うことができます。
ルチャドールのマスクや人形、Tシャツを売る売り子もいて、売り子の数はかなり多かったです。
マスクがたくさん並んだ売店
興行は全部で3時間ほどですが、今回は2時間くらい観て会場を後にしました。
終了後の混雑に巻き込まれるのが嫌だったし、この後、サルサバーに行く予定があったためです。
それにしても、ルチャリブレ、想像以上に面白いエンターテインメントでした★
メキシコで国民的な人気を誇る「ルチャリブレ」
メキシコに行ったら、メキシコについて知りたいなら、絶対に観なくちゃダメです!
◆アレナ・メヒコ(Arena México)
- 住所:Doctor Lavista 203, Doctores
- アクセス:地下鉄1号線「クアウテモック駅(Cuauhtémoc)」、または、1号線と3号線の「バルデラス駅(Balderas)」から徒歩5分
- 営業時間:19:30~(火曜日) 20:30~(金曜日)
- 料金:80~250ペソほど
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