東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩約16分。駅から東へ300mほど進み、葛西中央通りを左折して北東に700mほど進んだところ。住宅街のただ中に、南インド・ケララ料理のお店『コッチヨ ハラール多国籍料理』は、あります。
2024年2月3日オープンのこのお店、オーナーはケララ州パラカド出身のイスラム教徒の方。店名が示す通り、ハラール食材を扱うケララのノンベジ・ベジ料理のお店です。
オープン間もないお店ながら、Googleの口コミには、西葛西在住インド人(ケララ州出身者を含む)からの多数の高評価が寄せられており、本場のレベルの高いお料理を提供するお店であることが窺えます。
『コッチヨ ハラール多国籍料理』の外観と店内の雰囲気

『コッチヨ ハラール多国籍料理』の外観
こちらが、『コッチヨ ハラール多国籍料理』の外観です。
お店は、駅から15分ほどと、中心街からは離れた場所にあります。ちなみに、今回は東西線の西葛西駅から歩いて訪問しましたが、葛西駅からも、都営新宿線の船堀駅からも同じくらいの距離です。

看板に椰子の木がデザインされたケララ料理のお店
可愛らしい外観の一軒家の店舗。看板には椰子の木の絵が描かれていました。
ちなみに、店名の「コッチヨ」というのはもちろん、ケララ州の主要都市「コチ(コーチン)」のことで、コチ出身のシェフが働いているのだそう。

店頭のモニターにメニューが表示されます。
お店の外壁には、モニターが2つあり、画面にメニューが切り替わって表示されます。
日本語表示もあり、在住インド人だけでなく、日本のお客さんにもケララ料理を味わって欲しいという気持ちが窺えます。

『コッチヨ ハラール多国籍料理』の店内
『コッチヨ ハラール多国籍料理』の店内です。
座席は1階と2階にあるそうですが、今回は1階しか見ることができませんでした。
1階の店内空間は小ぢんまりとして狭めですが、シンプルで温かみのある雰囲気。ランチタイムに訪問しましたが、食べている間に20席ほどある座席はほぼ満席になりました。
お客さんは、ロシア系・インド系・中国系の4人組女性(日本語で会話していました)、仕事途中に立ち寄ったと思われる作業服を着た日本人男性4人組、日本人とインド人の男性2人組、おひとり様日本人男性などなど。
この『コッチヨ ハラール多国籍料理』、イスラム教徒オーナーのお店ということですが、実は、ケララ州はイスラム教徒が多いことで知られ、州の人口の26.5%ものイスラム教徒が暮らしているのだそう(タミル・ナードゥ州は5.8%)。
何でも、ケララは、インドで最もイスラムの受容の歴史が古く、アラビア海における香辛料貿易によって7世紀には既にケララにモスクが建てられていたのだとのこと。
そんなわけで、ケララでは、ヒンドゥー教徒が支配的な州では食べられない「牛肉」もお料理のメニューとして一般的。
さて、席に座ったところで、さっそくメニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『コッチヨ ハラール多国籍料理』のメニュー

ターリー(本格的な南インドの盛り合わせ)

ランチセット(コッチヨスペシャル)

ビリヤニ(ビリヤニ ブリス アンリーシュド)

ポロッタ(100%本物 サクサク、何層にも重なった、ケララの味わい)

ドーサ(100%本物 古典的なインドのドーサ)

カレーライス(南インド料理に繊細な日本料理をアレンジ)

ドリンクメニュー
こちらが、『コッチヨ ハラール多国籍料理』のランチメニューです。
南インドの定食「ターリー」(ミールス)は、ベジとノンベジの2種。「コッチヨスペシャル」と銘打たれた「ギーライスセット」や「プリバジセット」。「ビリヤニ」は、チキン・ビーフ・マトン・ベジの4種あり。
生地が何層にも重なった南インドのフラットブレッド「ポロッタ」のセットや、「ドーサ」「ウータパム」、南インド料理に繊細な日本料理をアレンジした「カレーライス」もあります。
魅力的なお料理がたくさんですが、今回は初めてということで、南インドの定食「ターリー」(ミールス)を。ムスリムオーナーのお店ということで、「ノンベジターリー」(1,350円)を選ぶことにしました。
ターリーのお肉は、チキン・マトン・ビーフから2種選べたので、チキンとビーフをチョイス。
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
ちなみに、ディナータイムでは、かなりたくさんの種類のケララのカレーがメニューにあるほか、ポロッタのスパイスと醤油炒め「満州ポロッタ」や、ケララらしい魚料理「魚のタワフライ」、ポロッタにビーフグレイビーソースを詰め、鍋で調理するというシェフの特別料理「鍋ポロッタ」というすごい料理もあるのだそう。
ぜひ、ディナーで再訪し、いただいてみたいです!
「ノンベジターリー」は、どのお料理も一品一品完成度が高く上品なお味

「マンゴーミルク」350円
まずはお飲み物から。
「マンゴーミルク」です。
ミルクにマンゴーソースを加えたシンプルなドリンク。スパイシーなお料理のお供として最適です♪
ちびちび飲みながらお料理を待ちます。

セットのサラダ
こちらは、セットのサラダ。
キャベツとトマトとレタスにオーロラソースが掛かったスタンダードなサラダ。
前菜として、これがあると結構嬉しいです♪
マンゴーミルクを飲みながらサラダをいただいていると、ほどなくしてメインのお料理が運ばれてきました!

「ノンベジターリー」1,350円
「ノンベジターリー」です♪
スタンダードな丸い銀色のプレートに載って登場!
お料理の内容は↓です。
- サンバル
- ラッサム
- ダール
- チキンカレー
- ビーフカレー
- ライタ
- ピクルス
- バスマティライス
- パパド
メニューの写真を見ると、デザートの「パヤサム」もあるのですが、提供されたプレートには乗っておらず。
さっそく、いただきましょう〜♪

サンバル、ラッサム、チキンカレー

チキンカレー、ビーフカレー

ダル、ライタ

ピクルス、パパド
『コッチヨ ハラール多国籍料理』の「ノンベジターリー」
まさに、絶品の美味しさでした★
「サンバルは」、豆の旨味が濃厚、上品で深みのある味わい。サンバルだけでもう美味しい♪ スキッとクリアーな「ラッサム」は、酸味と辛味のバランスがほど良く、するすると啜れる美味しいラッサム。数種類の豆が入ったリッチな「ダール」も美味。
冬瓜にジーラの風味が効いた「ライタ」や、酸っぱ過ぎず旨いマンゴーの「ピクルス」も、付け合わせとして最高!
そして、特に「チキンカレー」が本当に美味でした! ローストココナッツを使ったチキンカレーで、ローストしたココナッツの香ばしさと柔らかくて身の締まったチキンのマッチングがたまりません♪
「ビーフカレー」もGood♪ こちらも、ココナッツミルクが使われたケララのビーフカレーで、マイルドなチキンカレーに比べて、こちらの方が味に深みがある感じ。適度な噛み応えのあるビーフも美味★
ちなみに、現地南インドでのミールスの本来の食べ方は、①サンバル+ライス ②ラッサム+ライス ③ライタ+ライス の流れがベースで、それに副菜を適宜混ぜ、サンバル・ラッサム・ライタの3品同士は混ぜないのがセオリーである様子(ミールスはヒンドゥーの祭礼の食事から発展した料理で、祭礼の際には伝統的な食べ方の順序がある)。
でも、サンバルとラッサムを混ぜて食べるのは、個人的に絶対に美味しいと思っているので、最後は、ライスにサンバルとラッサムを掛け、ピクルスを加え、パパドを砕いて散らし、混ぜ混ぜしていただきました♪

「ノンベジターリー」
『コッチヨ ハラール多国籍料理』の「ノンベジターリー」は、どのお料理も一品一品完成度が高く、上品なお味。
ネットの情報では、シェフは現地の一流のホテルで働いていた経験がある腕利きの料理人なのだそう。
なるほど、そこいらのお店とはレベルの違いを感じる上品なお味でした。それでいて、現地の食堂のように、毎日でもいただけそうな食べやすいお味でもあります。

『コッチヨ ハラール多国籍料理』
西葛西にある南インド・ケララ料理のお店『コッチヨ ハラール多国籍料理』
ケララ州パラカド出身のイスラム教徒の方がオーナーのお店。
いただいた「ノンベジターリー」は、どのお料理も一品一品完成度が高く、上品なお味。毎日でもいただけそうなサンバルもラッサムも美味ですが、ハラールを店名に冠しているだけあって、チキンやビーフなど肉を使ったカレーは絶品でした♪
これから何度でも訪れたくなる、珠玉の南インド・ケララ料理店です★
再訪:絶品「ビーフ鍋ポロッタ」

『コッチヨ ハラール多国籍料理』に再訪
しばらくして、『コッチヨ ハラール多国籍料理』に再訪しました。
今回はディナータイムでの訪問です。

コッチヨのユニークな作品「鍋ポロッタ」
今回のお目当ては、シェフの特別料理、コッチヨのユニークな作品「鍋ポロッタ」!
これをどうしても食べてみたくなってしまい、行くことにしました。
ディナータイムのみの提供です。

『コッチヨ ハラール多国籍料理』の店内
事前に電話予約して訪問しましたが、この日はお客さんは自分たちのみ。
コルカタ出身でチェンナイでも働いていたという店員さんの話によると、この日、近くでインド人IT技術者たちが300人ほど集まるパーティーが開催されていたそうで、会場で提供する料理を『コッチヨ』が担当していたのだとのこと。
普段来店するお客さんの多くが、パーティーに参加していたのかもしれません。
朝から仕込みをしていたそうで、ポロッタを180人分、〜を180人分などと、大量に作ったと話してくれました。

メニューの「鍋ポロッタ」
さて、今回は予約時に「鍋ポロッタ」を食べたいと伝えていましたが、もちろん、他のお料理もアラカルトで注文しました。
注文したお料理は↓です。
- ラッサム(440円)
- チキン65(990円)
- 鍋ポロッタ(ビーフ)(2,190円)
- サンバル(440円)
- バスマティライス(500円)
「鍋ポロッタ」は、ビーフ・チキン・マトン・ベジの4種から選べたので、ビーフをチョイス! サンバルとバスマティライスは、鍋ポロッタを食べた後に頼みました。
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。

お通しのサラダ
まずは、お通しのサラダ。
ゴマドレッシングが掛かったシンプルなお味が美味しい。
ポリポリ食べながら待っていると、ドリンク登場!

「スペシャルラッシー」(300円)

「アボカドミルク」(430円)
「スペシャルラッシー」と「アボカドミルク」です。
濃厚でしっかりとしたラッシー感がある「スペシャルラッシー」
ミルクシェーキのような甘さのある「アボカドミルク」
「スペシャルラッシー」が美味しかったです♪
「ラッサム」

「ラッサム」(440円)
続いて、スープの「ラッサム」
ブラックペッパーがガツンと効いたラッサム。ニンニクの旨味、パクチーの香り。結構辛めですが、美味しいラッサムです。

ブラックペッパーが効いたピリ辛の「ラッサム」
「ラッサム」を啜りつつ待っていると、次のお料理が運ばれてきました。
「チキン65」

「チキン65」(990円)
「チキン65」です。
小ぶりで食べやすいサイズのチキンは、紫玉ねぎではなく日本の玉ねぎが和えられ、カットレモンが添えられています。食欲をそそるカレーリーフの香り。

カラリと揚げられたチキン
カラッと揚げられていて、スパイスが適度に効いた香ばしいお味。
「チキン65」にも色々ありますが、このシンプルなスタイルが美味しく感じます。
搾り掛けたレモンの酸味も良いアクセント。
「鍋ポロッタ」

「鍋ポロッタ」登場!
そして、本日のメイン「鍋ポロッタ」登場!
和風の真っ黒な土鍋に入って出てきました。

蓋を開けるとバナナの葉
さっそく扉を開けると、一面に敷き詰められたバナナの葉。
店員さんにバナナの葉を取るよう促され、バナナの葉をペロンと外します。

バナナの葉を取るとポロッタが現れます。
バナナの葉を取ると、ナッツやレーズンがトッピングされたポロッタが現れました!
焼き上がったポロッタの良い匂いが漂ってきます。

ポロッタの中はビーフのグレイビー
そして、ポロッタをめくってみると、ビーフのグレイビーが出現。
美味しそうな茶色の色合い。湯気が立ち上がります。

フォークとナイフで切り分け
フォークとナイフで4つに切り分け、さっそくいただきましょう〜♪

めちゃくちゃ美味しい♪
シェフの特別料理、コッチヨのユニークな作品「鍋ポロッタ(ビーフ)」、めちゃくちゃ美味しかったです!
メニューの紹介によると、
ココナッツを効かせたリッチなビーフのグレイビーをはさみ、鍋で蒸し焼きにして、具材の味をよくなじませた染み染みポロッタ
とのこと。
とにかく、柔らかい食感の「ポロッタ」が旨い。そして、ココナッツの甘味とビーフのビターな風味がたまらないグレイビー。ポロッタとの相性抜群です!
ゴロゴロ入ったビーフもジューシーで食べ応えあり、肉の柔らかさやほどよくカットされた大きさもちょうどいい感じ。
トッピングされたフライドオニオンの香ばしさ、カシューナッツのナッツ感、レーズンの甘味も良いアクセント。
これは、食べるべき一品です★
「サンバル」

「サンバル」(440円)
カレーや焼き物系も追加で数品頼むつもりだったのですが、「鍋ポロッタ」のボリュームが結構あり、お腹いっぱい気味だったので、「サンバル」と「バスマティライス」のみを追加注文することにしました。

「バスマティライス」

サンバルとライスで料理の締め
「サンバル」は、ニンジンやナス、ジャガイモやトマトなどの具材がたっぷり入った、ケララらしいトロみ強めのお味。酸味や辛味も控えめです。
この優しいお味の「サンバル」をライスに掛けていただく。それだけで美味しい♪
満足のいくお料理の締めとなりました。
「フィルターコーヒー」

「フィルターコーヒー」の泡立て
食後のお飲み物は「フィルターコーヒー」をいただきました。
厨房にいたシェフがホールまで出てきて、撹拌泡立てのパフォーマンスを見せてくれました♪ 下がその動画です。

「フィルターコーヒー」(300円)
「フィルターコーヒー」もとても美味しかったです。
コーヒーのビターな風味がしっかりと感じられ、ミルクや砂糖とのバランスもちょうどいい感じ。泡もたくさんで嬉しい♪
再訪していただいた「鍋ポロッタ」、さすが、お店の看板メニューなだけあって、絶品の美味しさでした!
「鍋ポロッタ」だけでお腹いっぱいになってしまい、他のアラカルトを注文できなかったので、今度訪問した時に、カレーや焼き物、ドーサなどのティファンをいただいてみたいです。
『コッチヨ ハラール多国籍料理』の地図・アクセス・営業時間
南インド料理店










コメント