※前回の記事→読書人の一族の土楼「衍香楼」(客家土楼)【中国福建省】
中国福建省の北西部にある永定県。山深い田舎な地域です。
そんな田舎道をバスで走っていくと、山あいに大きな円形の建物がいくつも見えてきます。
これは「客家土楼」という集合住宅。2008年7月には世界遺産にも登録されました。
今回は、南中村の「環極楼」をご紹介!
環を極めた土楼で遊ぶかわいい子供たち
「環極楼」の外観
南中村にある「環極楼(ホワンジイロウ)」です。 4階建ての中型円形土楼で、直径43.2メートル。高さ約20メートル、134の部屋があります。
土楼の大きさは小振りですが、コンパクトにまとまった美しい姿。結構好きな土楼です。
「環極楼」は、1693年に蘇卜臣という人によって建てられました。
「環極楼」の内部
「環極楼」は頑丈なことで知られています。
1918年2月、マグニチュード7の地震がこの地域に発生したそうです。このとき、多くの土楼が倒壊したということですが、この「環極楼」は正門の上部に亀裂が入っただけで無事だったのだそうです。
しかも、その亀裂は時間とともに次第に狭まっていき、今ではまったく問題がない状態になっているのだとか。
建物の上階に登り、楼の中庭を見下ろします。
「環極楼」は、中心部に祖堂がないことが大きな特徴です。そのため、土楼の中央部は広い中庭となり、上階から見るたときに二重の輪が綺麗に見えます。
その名の通り、「環」を「極めた」楼なのですね〜。
ちなみに、祖堂は入口の門の向かい側にあります。
「環極楼」の広い中庭は子供たちの遊び場にもなっているようでした。
中庭であやとりをして遊ぶ子供たち
「環極楼」には、現在でも蘇氏の一族21世帯、116人が住んでいるのだそうです。
おじいちゃんが見守る中、真っ赤なあったかそうな服を着たお兄ちゃんと妹が綾取りをしています。
なんだかやけに楽しそうですね!
子供たちにとっては、21世帯が住むこの「環極楼」こそが「世界」なのでしょうね。
21世帯の子供たちが中庭に集まって遊びます。
ニコニコしっぱなしの女の子蘇氏の一族の多くは、ミャンマーに移住しているのだそうです。
この子たちも、大人になったら、いずれは海外に出てゆくことになるんでしょうか?
「環極楼」の周りの風景です。付近にも多くの土楼が建っています。
「環極楼」の近くの土楼のぶた小屋。
ぶたさん親子もブイブイしていましたよ〜。
旅行時期:2003年1月