ジョグジャカルタ近郊にある世界遺産のヒンドゥー寺院遺跡「プランバナン」
この敷地内の屋外特設ステージで、ジャワ舞踊「ラーマーヤナ・バレエ」が上演されています。
夜の19:30から始まるこの公演を観に行きました!
公演は約2時間。
屋外ステージまでは、ジョグジャカルタから観賞用の送迎バスが往復40,000ルピアで運行していて、観光案内所や旅行会社で手配ができます。
私も観光案内所で送迎手配を頼みました。
世界遺産「プランバナン寺院遺跡群」の特設ステージで上演されるジャワ舞踊「ラーマーヤナ・バレエ」
プランバナン屋外ステージの入口
ステージの手前にはレストランも併設されています。
屋外ステージの敷地に入ると、入口近くにレストランが併設されていて食事をすることが可能です。
料金は結構高めなのですが、サテやナシゴレンなどを食べることができます。
レストランの向こうにはステージが広がり、その向こうにはライトアップされた「プランバナン」の寺院群が見えるので雰囲気は最高です!
ステージの入口で入場料75,000ルピア~250,000ルピア(席によって違っていたと思います)を支払い、会場に入ります。
この時、プログラム(日本語版もある)と飲み物やお菓子も渡されました!
ステージは新しくて綺麗で、向こうに「プランバナン」の遺跡が闇の中にライトアップされて浮かび上がっているのが見えます。
いよいよ始まりです!
バックで奏でられるガムランの生演奏に乗せて、ダンサーたちが登場します!
「ラーマーヤナ」とはインドの古代叙事詩のこと。
紀元3世紀に成立し、サンスクリットで書かれていて、全7巻、総行数48,000行に及ぶ壮大な物語です。
「ラーマーヤナ」は、ヒンドゥー教の聖典のひとつでもあり、「マハーバーラタ」と並ぶインド2大叙事詩のひとつとしても知られています。
「ラーマーヤナ」の意味は「ラーマ王行状記」です。
紀元5世紀頃、ジャワではヒンドゥー教が多く信仰されていました。
ジャワ舞踊の紀元も5世紀から6世紀頃と考えられていて、その頃に建てられたヒンドゥー寺院にもダンサーのレリーフが彫られています。
「プランバナン」のシヴァ聖堂のレリーフには、「ラーマーヤナ」の物語が地元ジャワの芸術や文化に脚色された形で描かれています。
インド発祥の物語でありながら、「ラーマーヤナ」を題材とした舞踊はジャワの文化を代表する芸能なのです。
200名以上のダンサーや音楽家により上演されます。
猿の神様「ハヌマン」
「ラーマーヤナ」の物語の大筋は、コーサラ国のラーマ王子が、誘拐された妻シーターを、羅刹の王ラーヴァナから奪還するという内容です。
主人公のラーマ王子は、悪を倒すために人間界に生を受けたヴィシュヌ神の化身という設定。
成長したラーマ王子はジャナカ王の娘シーターと結婚をし、王に即位しますが、継母の陰謀により国を追われ、ダンダカの森で弟のラクシュマナと3人で生活を行うこととなります。
ダンダカの森で、羅刹の王ラーヴァナは、ラーマの妻シーターに魅了されます。
そこで、ラーヴァナは、黄金の鹿に化けた魔術師を送り、ラーマたちが気を取られている隙にシーターをさらってしまいます。
ラーマは、ラクシュマナとともに、猿の王「ハヌマン」率いる猿軍の助けを借りてラーヴァナのいるランカーの王宮に攻め入り、ラーヴァナを倒してシーターを救出するという物語です。
ステージではたくさんのダンサーが登場します。
ダンサーの舞踊は、ゆったりとした動きが多いですが、女性ダンサーの優雅な動きや男性ダンサーの歌舞伎にも似た所作など、洗練されたもので見応えがあります。
劇の構成もライトアップなどが工夫されていて飽きさせません。
ランカーの王宮に攻め入るクライマックスのシーンでは、ステージ全体に炎が立ち上がり、迫力満点!
屋外のため、蚊がたくさんいたのが困りものでしたが、大満足の鑑賞となりました!
ガムランの楽器
たくさんの演奏家によって奏でられます
バックで演奏されるガムラン楽団の楽器です。
床に置かれている銅製の丸い楽器は、「ボナン」(bonang)。棒で上の出っ張っている部分を叩いて演奏します。
吊り下げられている似たような形のものは、「クンプル」(Kempul)。一番大きなものは、「ゴン・アグン」(Gong Ageng)。低音でガムランの曲の節目を知らせる役割です。
奥にある鍵盤打楽器は、「サロン」(Saron)。旋律を叩く楽器で3つの大きさがあります。木槌で叩いて演奏します。
「クンダン」(Kendang)という太鼓や「ルバーブ」(Rebab)という弦楽器、「スリン」(suling)という縦笛も使われます。
終了後ステージに集まる人たち
ダンサーと記念撮影するみなさん
この「プランバナン寺院群」で行なわれている「ラーマーヤナ・バレエ」は、1961年に始められたそうです。
宮廷舞踊家クスモケソウォが総合振り付けを務め、インドネシアを代表する演目となりました。
「ラーマーヤナ・バレエ」の特徴は、セリフを使わない舞踊劇の形式であるとのこと。
この舞踊集団から、現代を代表するインドネシア振付家が多数輩出されているのだそうです。
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