「ウシュグリ村」(Ushguli:უშგული)は、メスティアから約45kmほど南東に進んだところにある村。
「ウシュグリ村」とは、ムルクメリ(Murqmeli)、チャザシ(Chazhashi)、ジビアニ(Zhibiani)、チビビアニ(Chvibiani)の4つの村を総称した呼び名です。
ここは、ヨーロッパ最高所にある村として知られています。標高は2,410m。
村には「スヴァネティ地方」独特の塔状の建物がたくさん立っていて、村全体がユネスコの世界遺産に登録されています。
ヨーロッパ最高所の村「ウシュグリ村」(標高は2,410m)
村の中心にある橋
写真は、村の中心に架かっていた橋。
下を流れる川は「イングリ川」(Inguri)。この清流は大コーカサス山脈南斜面に源を発し、「ウシュグリ村」や「イングリダム」を通って黒海へと注ぎます。全長は213kmです。
村はほんと、何もない感じ。商店すら見かけません。
とても静かです。
清流が流れる音だけが、辺りに響き渡っている感じです。
標高は高いですが、日差しが強いため結構暑く、日中はシャツ一枚でも十分なほど。
村の奥にある教会
村の奥の高台には、塔が併設されたチャペルが立っておりました。
「聖マリア教会」(Lamaria)です。
サンドロ君たちは、4WDでこのチャペルまで連れていってくれました。
まず、このチャペルを見て、ここから坂道を下りつつ村を見物していきます。
聖マリア教会
石を積み上げて造られています。
教会の建物
鐘があります。
「聖マリア教会」は、12世紀に造られたものであるとのこと。
教会の建物や周りを囲んでいる壁などは、塔と同じで石を積み上げて造られていました。
教会の建物と塔
彫刻が彫られた扉
敷地内にあった墓地
教会の内部
天井にはイコンが
鮮やかなイコン
イコンや写真が売られていました。
壁の窓から村を見下ろします。
ウシュグリ村の風景
教会の内部の天井には、イコンがたくさん描かれています。
ジョージアでは、グルジア正教が信仰されています。
ジョージアにはキリスト教は1世紀には伝来し、4世紀に「聖ニノ」という女性によって伝道され広まったそうです。
5,000m級の山々
聖マリア教会とコーカサスの白い峰
のどかな村の様子
高峰を望む
「聖マリア教会」を見て回った後、村の中心に向かって坂道を下っていきます。
サンドロ君たちとは、2時間後の14:00に村の中心で待ち合わせ。
教会の背後を見ると、白い峰々が見えます。
大コーカサス山脈の山々です。
ウシュグリ村は、大コーカサス山脈の最高峰「シュハラ山」(Shkhara:標高5,201m)の麓にある村で、山との高低差は2,500m以上!
パキスタンの「フンザ」にも似た景観です。
「復讐の塔」のある村をぶらぶらと散歩
塔の建物と民家
積み上げられた石の壁
空が青いです。
迫力のある白い峰々
ウシュグリ村の中を村の中心に向かって歩いていきます。
村の中には、20〜25mほどの高さの塔が所々に立っています。
標高2,410mの土地、空が近く青いです。
立派な塔がたくさん!
村にいたサングラスを掛けた女の子
トラックと男たち
建物はすべて石造り
青空に映える塔
がちょうもいます。
見上げんばかりの塔
村には住民の姿も見えます。
住民は、ジョージアの先住民族である「スヴァン人」が中心。文字のない独自の言語「スヴァン語」を話します。
この村には、およそ70家族、約200人が暮らしているそうです。
村には学校もあります。
各家にそれぞれ塔が立っています。
塔のある風景
静かな村の様子
村の民家
馬がいました。
「スヴァン人」には、古来より”血の復讐”の文化がありました。
一族の身内が殺されたり、辱めを受けた時、その加害者の一族に復讐をするという文化です。
ウシュグリ村をはじめ、スヴァネティ地方に約200もあると言われるこの塔の建物は、”血の復讐”によって身内が殺されないように、身を隠すために造られたのだとも言われています。
スヴァネティ地方の塔は、「復讐の塔」なのです。
イングリ川の清流と大コーカサス山脈
村の中を下っていき、村の中心部に着きました。
イングリ川の清流と大コーカサス山脈の美しい景観、これまで通ってきた川上の部落が見えます。
ここから川下に進むと別の部落があります。
川下の部落を覗いてみましょう〜。
塔を眺めながらぶらぶら
老婆と女の子
のんびりと散歩
うららかなウシュグリ村の午後
日陰に入ると涼しいです。
川下の部落、「ジビアニ」(Zhibiani)にもたくさんの塔が立っています。
塔を建てるためにかかるお金も労力も相当なものです。
それでも、どの家にも立派な塔が立っていることを見ると、村の人々にとって塔はなくてはならないものだったのだと思われます。
10数世紀に渡る村の歴史の最中、どれほどの数の復讐が行われたのでしょうか。
不思議は尽きません。
もちろん、現在では”血の復讐”は行われてはいないそうで、塔は観光客を集めるための文化遺産となっています。
塔のある風景
立派な塔。山並みの斜面には牛が放牧されています。
村の男たちがひと休み。タバコを吸ったりスマホで電話したり。
男たち、作業中
塔を見上げながら村さんぽ
ウシュグリ村は村全体が世界遺産
ウシュグリ村の塔
塔の高さは約20〜25m
崩れかけた塔もたくさんあります。
小さな3階建ての塔
高台に立つ塔
世界遺産「ウシュグリ村」の風景
川下の部落をひと通り見て回り、再び村の中心に戻ってきました。
サンドロ君たちと再会です。
ちょっと飲み物でも、ということになり、村にある食堂へ。
ウシュグリ村の食堂
食堂で、洋梨のソフトドリンクを飲みながら、ウシュグリ村の風景を眺めます。
食堂には売店も併設されていて、ちょっとした雑貨屋土産物が売られていました。
ウシュグリ村の風景を眺めます。
さて、時計を見ると14:30を回っています。
そろそろ出発です!
4WDに乗り込み、再び山道を走ってメスティアへと向かいます。
メスティアの町とコーカサスの山を一望できるゴンドラに乗る
村からの帰り道。牛が通せんぼ中
村からの帰り道、牛が道の真ん中にたくさんいて、通せんぼをしていました。
クラクションを鳴らしつつ、牛を避けながら通り抜けます。
のそのそと面倒臭そうにどく牛・・・。
ジョージアの牛、車を全然怖がりません!
メスティア近郊のゴンドラ乗り場
メスティアへ戻る途中、サンドロ君が「いい所がある」と言って立ち寄ってくれたのが、このゴンドラ乗り場です。
冬場はスキー場になっているというこの場所。ゴンドラに乗って上まで登ると、素晴らしい景観を見ることができるのだとか。
さっそくゴンドラに乗って上へ!
ゴンドラに乗って山の上へ
ゴンドラは5Gel(250円)
かなり長い距離のゴンドラで、頂上までは20分ほどかかりました。
裸のゴンドラで、相当高さのあるところを進んでいくので、結構怖いです。
ゴンドラで頂上に到着!
頂上にあるレストハウス
レストハウスの外観
頂上に到着しました!
頂上にはレストハウスがあり、飲み物や軽食をいただくことができます。
上から眺める風景は素晴らしいの一言♪
大コーカサス山脈のパノラマが一望できます★
そんなに時間もないので、しばらくして再びゴンドラに乗って麓へ。
ゴンドラから眺めたメスティアの町とコーカサス山脈
下りは、正面が麓の谷底になるため怖さが増します。
その代わり、上りの時見ることができなかったメスティアの町とコーカサス山脈の眺めを満喫できます★
ゴンドラは結構怖いです。
メスティアの眺め
急角度でどんどん下っていくゴンドラ。
下に見えるメスティアの町が徐々に大きく見えてきます。
町じゅうに塔が立っていることが確認できますね。
ゴンドラを降りた後、4WDに乗ってメスティアの町へGo!
メスティアの町
17:30くらいにメスティアの町に到着しました。
宿での夕食は20:00とのことなので、それまでメスティアの町をぶらぶら。
サンドロ君と20:00に宿の食堂で待ち合わせという約束をして、町を歩き始めます。
4WDドライバーとサンドロ君
「ウシュグリ村」まで連れて行ってくれた4WDのドライバー(手前)とサンドロ君です。
4WDのドライバー君の名前は、ちょっと忘れてしまいました(汗)
旅行時期:2015年9月
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