西武新宿線野方駅から徒歩2分。駅南の通り沿いの飲食店が並ぶ一角に、ネパール料理のお店『セワロ』があります。
お店のオープンは2024年10月。ネパール東部に住むリンブー族とライ族の夫婦が経営するお店です。
日本ではなかなか食べられない、リンブー族とライ族の料理をコースでいただけるとのことで、行ってみることにしました。
『セワロ』の外観と店内の雰囲気

『セワロ』の外観です。
やきとりやホッピーの提灯がぶら下がった居酒屋風の佇まい。
ネパール国旗も掲げられています。
ちなみに「セワロ」とはリンブー語で「こんにちは」の意味です。

店頭のメニュー看板には、インド・ネパール料理のナン&カレーと共に、ネパールの居酒屋料理がいくつか掲げられていました。
扉を開けて、さっそく店内へ。

こちらが、『セワロ』の店内です。
座席は、入り口近くのカウンター席、奥のテーブル席、2階の大人数用のテーブル席があり、座席数は合計24席。
今回は、食べログにて「リンブ族スペサル カナ&カザ セット」を事前ネット予約の上、ディナータイムに訪問。
お店に入ると、ライ族の奥様がにこやかに出迎えてくれました♪
自分たちのほかにお客さんは学生風の男性おひとり様客が2名。お二人とも注文していたのはナン&カレーのセットでした。

内装はシンプルですが、壁にはネパールの首都カトマンズの絵があったり。

ヒエ焼酎「ロキシー」やそば焼酎「ソムラス」などのネパールのお酒のポスターが貼られていたり。

これは、棚に掲げられていたリンブー族のシンボル「シラムサクマ(Silamsakma)」
「死の道を止める」という意味を持ち、リンブー族を守る護符とされているそうです。

こちらは、2階の客室。
10名くらい座れそうな大人数用のテーブル席です。
部屋の壁には、リンブー族に関する写真がたくさん貼られていました。



店主夫妻の民族である「リンブー族」と「ライ族」は、どちらもネパール東部を中心に居住するチベット・ビルマ系の民族。
両民族はそれぞれ独自の言語や伝統文化を持っているものの、どちらも自然や精霊を崇拝する民族宗教「キラント教(ムンドゥム)」を信仰しており、食文化にも共通点が多いとのこと。
料理は豚肉を使った料理が多く、大豆を発酵させたキネマ(納豆)や、苔を使った料理など、独特な料理が多いのだとか。
さて、そろそろ予約した座席に着席。
お料理を楽しむことにしましょう〜。
『セワロ』のメニュー
今回、食べログで事前予約したのは、コースメニューである「リンブ族スペサル カナ&カザ セット」3,350円 (税込) ※2名から予約可
コース内容は下記です。
「リンブ族スペサル カナ&カザ セット」 3,350円 (税込) ※2名から予約可
1)カザセット
:サルゲンバ(ニンニク、生姜、ネパール香辛料、米、豚の血、豚の挽肉の腸詰)
:キニマ(大豆を調理して発行して、乾燥している食べ物)
:チッキン グレヴィ
:チウラ(干しごはん)
:ネパーリ アチャル
:海老せんべい
:米ワイン
2)カナセット
:豚肉とヤンベン(野生の食用地衣類コケです。栄養価が高く、伝統と文化を象徴する食材です。
:ライス
:ダル
:サグ
:アチャル
:パパド
:タルカリ(野菜炒め)
提供されるお料理は14品目。
朝やおやつ時間に食べる軽食「カザ(カジャ)」と、ランチとディナーで食べる食事「カナ」が一緒になった豪華なセットです。
ネット予約時に注文は済ませているので、あとは待つのみ。
待っている間に、メニュー本を物色。下がお店のグランドメニュー(の一部)です。



メニュー本には、ダルバートやカナセット、カジャセットなどの定食。チャウミンやモモ、トゥクパ。ブタンやスクティ、セクワ、チョイラなど、ネパール料理店でお馴染みの料理がズラリ。
これ以外にも、ナン&カレーやタンドリーチキンなど、インド料理メニューも定番が揃っている感じ。
コースではなく、普段使いのネパール居酒屋としても使い勝手が良さそう。

メニュー本を見ていると、セットのサラダが運ばれてきました。
キャベツメインのスタンダードなサラダですが、キャベツが細切りしてあるので食べやすい。ドレッシングは胡麻ドレッシングです。
サラダをポリポリと食べていると、ほどなくして最初のお料理が登場!
リンブ族スペサル カナ&カザ セット
カザセット

まずは、1プレート目。「カザセット(カジャセット)」
通常は、朝やおやつ時間にいただく軽食です。
プレートの上には、チウラ(干し米)、海老せんべい、バトマスサデコ、ジャガイモと玉ねぎのアチャール、チキングレイビーが載っています。
さっそく、いただきましょう〜♪




揚げた大豆と野菜の食感。ピリ辛でスパイシーな「バトマスサデコ」。ほっくりしたジャガイモと辛味の強い玉ねぎ、ニンニクがガッツリ効いた「アチャール」。
そして、濃いめの味のマサラが柔らかいチキンとベストマッチな「チキングレイビー」。どれも美味♪
「チウラ(干し米)」は、これまでそんなに美味しいと感じたことはなかったのですが、このお店のチウラは、ギーの旨味が効いていて美味しい♪

続いて運ばれてきたのが、こちら。
「サルゲンバ」、「キニマ」、「米ワイン」
リンブー族の料理です。

「サルゲンバ」は、豚の腸の皮の中に、ニンニクや生姜、スパイスで風味付けされた豚挽肉、お米、豚の血が入ったお料理。
豚の血の味でしょうか。独特の風味がします。食感はお米が入っているせいか、少しもちっとした感じ。生姜やニンニクが効いていて、辛さはありません。
初めていただく味わい。

「キニマ」は、大豆を発酵させて作る納豆のような食べ物。
味は日本の納豆によく似た感じ。メニューには”乾燥している”と書かれていましたが、日本の納豆のような粘り気は無いものの、乾燥しきっている感じでもなし。
納豆好きの日本人としては、これは美味しい。ご飯が欲しくなります。

こちらは、「米ワイン」
ライスワインと言うよりは、白く濁ったビジュアルで日本のどぶろくのようなお味。
飲みやすくて美味しい♪
店主の奥様の話によると、リンブー族の住むネパール東部では、キビを発酵させて作り、竹筒の容器にストローを刺して飲む、「トゥンバ」というお酒がよく飲まれているのだそう。
インドのダージリンに行った時、トゥンバを飲んだという話をすると、奥様のテンションが爆上がりしました!
「パニプリ」

こちらは、「パニプリ」
食べログのクーポンサービスで提供された一品(期間限定)。
プリにタマリンド水を注ぎ入れ、お口の中に放り込みひと口でいただきます。
スキッとしたタマリンド水とパリパリのプリ、具材のジャガイモや豆とのコラボレーション。
間違いのない美味しさ! あっという間に6個完食!
カナセット

続いて、2プレート目。「カナセット」です。
ランチやディナーにお食事としていただくのが「カナ」
プレートの上には、バスマティライス、サグ、タルカリ(野菜炒め)、玉ねぎとジャガイモのアチャール、ゴルベラコアチャール、サラダ、パパドが載っていて、ダルの入ったカトリと、豚肉とヤンベンの入ったカトリが添えられています。
さっそく、いただきましょう〜♪



ジンブーの入った優しく味わい深い水分多めの「ダル」。ジャガイモやニンジン、インゲン、ブロッコリー、グリンピースなど具材の種類多めの「タルカリ」。細かくカットされて食べやすい「サグ」。スパイシーな辛味がGoodな玉ねぎと「ジャガイモのアチャール」。どれもネパール料理らしい飽きの来ないお味。
特に、トマトを使ったペースト状の「ゴルベラコアチャール」が美味♪
深みのある酸味と辛味で、ライスにダルを掛け、おかずを合わせた上で「ゴルベラコアチャール」を加えると、美味しさが抜群にアップ!

こちらは、奥様がサービスで追加してくれた「ニゲラのアチャール」
ニゲラの仄かな苦味と辛味が、ゴルベラコアチャールとはまた違った味変でGood!

そして、こちらが2プレート目の「カナセット」のメイン。リンブー族の料理「豚肉とヤンベン」です。
「ヤンベン」(ネパール語ではジャウ)とは、ネパール東部でしか採れないと言われる苔に似た地衣類で、風味は違えど、同じ地衣類である南インドのカルパシを思い出させる感じ。
この「豚肉とヤンベン」がなかなかの美味でした。
柔らかい海藻のような食感と奥ゆかしい香り。脂っぽい豚肉と相性抜群!
ライスに掛け、ダルと混ぜて食べても美味しい♪

コースの「カザセット」と「カナセット」
2食分を一気に食べる感じなので、食後はかなり腹パン状態になってしまいましたが、今まで食べたことないお料理をいくつも味わうことが出来て大満足!
もちろん、お味もめちゃくちゃ美味でした★


食後は、ヨーグルトのデザートをいただきながら、チャイを啜ります。
まろやかなヨーグルトと、甘いチャイでホッとひと息。
食後の良いお口直しとなりました。

食後、お会計をしにレジへと向かうと、カウンターの前にド派手な色をした服が架かっているのを発見!
この真っ赤なスーツは、リンブー族の結婚式用の衣装で、店主さんが奥様との結婚式の時に着たものなのだそう。
お店の看板やGoogleや食べログなどのネット上ではネパール・インド料理を標榜している『セワロ』ですが、自分たちのアイデンティティであるリンブー&ライの伝統文化に誇りを持っていることが窺える感じです。

中野区野方にあるネパール料理のお店『セワロ』
ネパール東部に住むリンブー族とライ族の夫婦が経営するお店。日本ではなかなか食べる機会がないリンブー族の料理をいただけるお店です。
いただいたコースメニュー「リンブ族スペサル カナ&カザ セット」では、豚の血を使った腸詰「サルゲンバ」や、納豆料理「キニマ」、ネパール東部でしか採取できないヤンベンという苔を使った料理「豚肉とヤンベン」など、珍しい料理の数々をいただくことができます。
料理のお味はどれも美味しく、日本人のお口に合う食べやすい味。
親切で温かみのある奥様の接客対応もGood!
『セワロ』は、ネット予約出来ます!
『セワロ』は、ネット予約することが出来ます!
週末や時間帯によっては混雑することも考えられるので、事前にネット予約していくと安心です。
※お店の事情により、ネット予約が急遽中止になることもありますので、詳細はリンク先の食べログやホットペッパーグルメ、一休などの店舗ページをご確認ください。
『セワロ』の地図・アクセス・営業時間
ネパール料理店






