世田谷区祖師谷にある南インド料理店『スリマンガラムA/C』
南インド・タミルナードゥ州チェティナードゥ地方出身の「マハリンガム」さんがオーナーシェフを務めるこのお店。現地タミルの大衆食堂の味と風情を、日本国内で最もよく味わえるお店と言っても過言ではありません。
インド料理店の中でも個人的に激推しのお店のひとつです!
『スリマンガラム』には、経堂に店舗があった頃から何度も訪問していますが、今回はお店でいただいたアラカルトのメニューのうち《24品》をご紹介します。
いずれも美味しく、おすすめのお料理です。
バナナリーフミールスやスペシャルメニューについては下記をご参照ください。


『スリマンガラムA/C』の外観と店内の雰囲気
『スリマンガラムA/C』は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩2分の、商店街から左に入った路地沿いにあります。
お店は、この黄色い階段を降りた地下1階にあります。
こちらが、『スリマンガラムA/C』の店内。
店内は結構広いです。黄色い壁と木目の床、黒大理石のテーブルがお洒落な感じ。
座席は30〜40席くらいでしょうか。席間が広いのでゆったりできます。
スタッフは、店主のマハさんが不在のこともありますが、常時3名くらいのインド人スタッフが働いています。
混雑具合は日によってまちまち。スペシャルメニューの時は満席になるので、早めに訪問した方が良さそうです。
さて、『スリマンガラムA/C』のメニューの紹介です。
『スリマンガラムA/C』のメニュー
メニューの1ページ目、チェティナードゥ料理とマハリンガムシェフの紹介です。
マハリンガムシェフのお料理の腕はインドでもなかなかお目にかかれないと言われるほどのレベルとのこと。
確かに、チェンナイやマドゥライで名店と呼ばれる店をいくつか訪問しましたが、マハさんの料理は、それらのお店に勝るとも劣らないお味です。
ティファンやスープ、サラダのメニュー。
ティファンは、種類豊富なドーサと、ワダがあります。
「マトンカリドーサ」や「ラヴァドーサ」があるのが嬉しい♪
以前は週末に「ティファンモーニング」を行っていたことがあり、イドゥリやウタパムなども提供していました。
「ティファンモーニング」、復活して欲しいです。
メインは、チキン、マトン、シーフード、野菜&豆料理があり、それぞれ、スターター(Dry)とカレー(Gravy)があります。チェティナードゥの料理が中心です。
チェティナードゥ地方では、19世紀から20世紀初頭に掛けて海外貿易で活躍したチェティヤールという商人カーストの影響により、インドの他の地域にはないスパイスが使われ、ノンベジ料理が発展しています。
『スリマンガラム』のメニューもノンベジ料理が多め。
ライスは、プレーンライスと4種のバラエティライスがあります。
『スリマンガラム』で使用しているライスは、タミルナードゥー州で日常的に食べられているお米「ポンニライス」。
お米の種類が何なのかは、南インド料理をいただく上でかなり重要です。
やっぱり、タミルのお料理は、香り米であるバスマティライスよりも、ポンニライスの方が合う感じ。食べた時の印象がかなり違います。
『スリマンガラム』の料理に現地感を特に感じるのは、ポンニライスが使われているからなのかも。
パンは南インドの薄焼きデニッシュパン「ポロタ」が美味しい。
「ポロタ」をノンベジのマトンやチキンの料理と組み合わせた「ポロタセット」も、『スリマンガラム』の定番のメニューのひとつです。
こちらは、ソフトドリンク。
食事と一緒にいただくなら、塩味の「ソルティーモール」や「ソルティレモンソーダ」がおすすめ。食後のドリンクは「カーピ」がマストオーダー。
マドゥライ名物の「ジガルタンダ」も他のお店ではなかなか見掛けない一品。
こちらは、「ディナーポロタセット」のメニュー。
ポロタ2枚とマトン・チュッカ、マトンorチキンカレー、ハーフボイルドエッグのセット。タミルのノンベジ定番メニューです。
さて、ここからは、これまで食べた『スリマンガラム』のアラカルトメニューをご紹介(過去のメニューも含む)。
ティファン
ウルンドゥ ワダ
「ウルンドゥ ワダ」は、ウラド豆(ウルンドゥ豆)をペースト状にし、スパイス(クミンやマスタードシードなど)や青唐辛子などを加え、ドーナツ状に整形して油で揚げたもの。
ココナッツチャトニやサンバルと一緒にいただきます。
外身がサクッ、中身がふわっとしたスリマンガラムの「ウルンドゥ ワダ」はアツアツ。
練り込まれたカレーリーフやクミン、コリアンダーシードなどが香ばしい。仄かな甘味のあるサンバルや、フレッシュ感のあるココナッツチャトニと一緒にいただくと最高です。
ネイドーサ
「ネイドーサ」(ギーローストドーサ)は、ギーで薄く焼いたドーサ。
こんがりとした焼き色で、表面にギーが塗られテカッており、食欲をそそります。
薄くパリッとした食感と生地の酸味、ギーの旨味がたまりません。ココナッツチャトニと相性抜群!
タットゥドーサ
「タットゥドーサ」は、米粉の生地を発酵させた、パンケーキのような厚めのドーサ。
ふわっとした食感と発酵の酸味。イドゥリやウタパムにも近いお味。サンバルにつけていただくと美味しい♪
マトンカリドーサ
「マトンカリドーサ」は、お好み焼きのような柔らかい生地の上に、マトンのミンチ肉と玉ねぎがどっさりと載ったノンベジのドーサ。
マトンのミンチ肉には、コリアンダーやカシア、カレーリーフなどのスパイスがガッツリと効いていて、生地の柔らかさと、カリッとした表面の焦げ目のコントラストも抜群!
オニオンウタパム
「オニオンウタパム」は、ドーサ生地の中に刻んだ紫たまねぎが入ったお好み焼きっぽいティファン。
こちらは、現在のメニューにはありませんが、経堂店時代の「ティファンモーニング」で提供されていました。
厚めの生地の中に、紫玉ねぎがザクザク入っていて、玉ねぎの食感と辛味がたまりません!サンバルやチャトニとの相性も抜群★
イドゥリ&ワダ
こちらも、ティファンモーニングで提供されていた「イドゥリ&ワダ」
カットしたワダとイドゥリに、現地南インドの食堂のように、銀の入れ物から柄杓を使って、サンバルと2種のチャトニをぶっかけた一品です。
イドゥリのソフトな食感と酸味、ワダのふわふわ感。豆の旨味が詰まったサンバル。ココナッツとトマトのチャトニも味に変化を与えてくれます。
スープ
パルップラッサム
「パルップラッサム」は豆のスープ。にんにくが強烈に効いていて、酸味と辛さもそこそこあります。豆とにんにくの旨みたっぷりで、滋養強壮にかなり効きそう。
現地南インドでは食事の終盤で提供されることが多いラッサムですが、食前のスープとしていただくのもちょうど良い感じ。
蟹のラッサム
こちらは、経堂店でいただいた限定メニュー「蟹のラッサム(ナンドゥラッサム)」
蟹(ナンドゥ)が丸ごとスープの中に入っていてインパクト抜群です★
タマリンドとブラックペッパーとニンニクがガツっと効いたスープは、蟹の旨味が適度に染み出していて、辛さはあるものの意外とスッキリとした味わい。
ライスも注文し、ライスに掛けていただくと、とっても美味でした♪
スターター(Dry)
マトン コーラ ウルンダイ
「マトン コーラ ウルンダイ」は、マドゥライ名物のスパイシー揚げ肉団子。コーラはミンチ、ウルンダイは団子のこと。
カリカリの衣の中に羊肉ミンチとザクザクした玉ねぎ、コリアンダーやファンネルなどのスパイスが入っていて、ジューシー且つスパイシー。
マトンの肉肉しさがありつつも臭み控えめで食べやすい。
付け合わせの生玉ねぎと一緒に食べたり、レモンを搾り掛けて食べたりするのも美味しい♪
チキン65
無数のバリエーションがあるという、南インド料理を代表する軽食のひとつ「チキン65」
スリマンガラムのチキン65は、スタンダードな唐揚げスタイル。
ニンニクや生姜、カレーリーフ、チリが効いたスパイシーで香ばしい一品。
ビールのつまみとして最適です♪
チキン・チュッカ
タミルナードゥーでよく食べられているドライなチキンの炒め料理「チキン・チュッカ」
揚げ物のチキン65と違ってグレイビーが纏わり付いているので、カレー欲が満たされます。
マトン・チュッカ
こちらは、「マトン・チュッカ」
淡白なチキンに比べて、マトンは肉の風味がしっかりしているので、より濃厚で食べ応えあり。
「ディナーポロタセット」にも含まれている、スリマンガラムを代表するメニューのひとつです。
フィッシュ・ポリヤル
「フィッシュ・ポリヤル」は、スパイシーな魚のほぐし身炒め。
これがめちゃくちゃ美味です♪
玉ねぎのシャキシャキした食感と魚の旨味、細かく刻まれたカレーリーフの風味がたまりません!
カレー(Gravy)
マトンキーマカレー
カレー(Gravy)の中でイチ押しの一品が「マトンキーマカレー」
マトンの肉の旨味と仄かな甘味。チリの鮮烈な辛さが効いていて、濃厚かつビビッドなお味。ポロタと一緒に食べるとめちゃ旨!
マトンチェティナードクルマ
「マトンチェティナードクルマ」は、ココナッツ風味のマイルドなマトンカレー。
マトンキーマとは対照的にマイルドでクリーミー。これもポロタとの相性抜群!
チキンペッパーマサラ
こちらもめちゃ旨い「チキンペッパーマサラ」
ブラックペッパーがガッツリ効いていて、柔らかいチキンとザクザク感のある玉ねぎやトマトもベストマッチ。言わずもがなポロタにとっても合います★
チキンギーロースト
「チキンギーロースト」は、トマト風味のスパイシーなチキンカレー。
トマトの酸味は強くなく、辛さも控えめでマイルドなお味。レモンライスと相性が良かったです。
チェティナードゥ海老カレー
「チェティナードゥ海老カレー」は、トマト風味のスパイシーな海老カレー。
トマトの酸味強めで、海老の旨味が溶け込んでいて美味しい♪
ジンジャーとチリが効いていて、辛くて爽やかな風味。
タマリンドライスと一緒にいただきましたが、ベストマッチでした。
ライス、パン
レモンライス
プレーンのポンニライスも美味しいですが、ナッツやスパイスなどを混ぜたバラエティライスも捨て難い。
特にお気に入りなのが「レモンライス」
レモンの酸味が爽やか♪ カシューナッツなどのナッツと、マスタードシードやカレーリーフ、チリなどのホールスパイスがゴロゴロ入っていて、とても香ばしく風味豊かなライスです。
これだけで食べても旨いし、どのカレーやおかずとも合います♪
タマリンドライス
タマリンド風味の「タマリンドライス」も、レモンライスと同様、スパイスがゴロゴロ入っていて香ばしいお味。ナッツはピーナッツが使われていました。
シーフード系のカレーやおかずと好相性♪
ポロタ
タミルのノンベジ料理のお供。クリスピー且つ柔らかなデニッシュパン「ポロタ」
マトンやチキンのグレイビーを食べるなら、この「ポロタ」を頼むのはマストです!
何枚でも食べたくなるくらいに旨い♪
「ディナー・ポロタセット」では、ポロタと、その上に掛けられた「サールナー」との黄金の組み合わせがまさに至福♪
手をぐちゃぐちゃにしつついただきます!
ドリンク、デザート
ソルティモール
「ソルティモール」は、塩味の自家製ヨーグルトドリンク。
コリアンダーリーフと生姜が良いアクセント。スパイシーな料理のお供としてぴったり!
スリマンガラムの料理は結構辛めのものが多いので、クールダウン効果もあります。
ジガルタンダ
「ジガルタンダ」は、マドゥライ名物のミルクとアイスクリームの飲み物。
アーモンドミルクの上にアイスクリーム、アーモンドのスライスも載っています。これがマハリンガムスタイルということなのでしょうか。
かなり甘いですが、スパイシーなポロタセットを食べた後にいただくと、ちょうどいい感じ♪
カーピ
「カーピ」は、南インドの泡立った甘いミルクコーヒー。
南インドの食事の締めとして、「カーピ」は外せません!
「カーピ」は、マハさんをはじめとしたスリマンガラムのスタッフが、目の前でコーヒーを空中攪拌させ、泡立たせてくれます。
コーヒーの仄かな苦味と、ほど良いミルク感&甘さ。スリマンガラムの「カーピ」は美味しい♪
食後の良いお口直しとなります。
世田谷区祖師谷にある南インド料理店『スリマンガラムA/C』
チェンナイやマドゥライの大衆食堂の味と風情を味わえるお店。
現地で南インド料理の美味しさにハマった人間にとっては、夢のようなお店です。
このお店が日本に存在することに感謝の気持ちで一杯です。
『スリマンガラムA/C 祖師ヶ谷大蔵店』の地図・アクセス・営業時間
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