インドで最も有名な民族衣装「サリー」。
幅1m、長さ5mほどの一枚布でありながら、驚くほど多彩な着こなしが可能な優れものの布です。
「サリー」の起源は、インダス文明時代の祭司の一枚布の衣装だとされています。
そこから女性用の衣装は「サリー」へと、男性用の衣装は、「ドーティ」という腰巻の一枚布へと発展していったと考えられています。
「浄・不浄」の考え方から生まれた一枚布の衣装「サリー」
一枚布が衣服となった理由としては、宗教的な考え方が大きいようです。
ヒンドゥー教の「浄・不浄」の思想により、裁断・縫製をすることが不浄と捉えられたためだそうです。
そのため、インドでは縫製の技術はほとんど発展しなかったそうです(その代わり「染め」や「織り」の技術は目覚ましい発展を遂げました)。
「サリー」の素材はシルクが主ですが、これはイスラム教徒の影響によるものだそうで、それまでは綿の「サリー」が中心だったと考えられています。
「サリー」の一般的な着方は、Wikipediaの記述によると、5m程度の長さの布を、ペチコートにはさみながら腰に巻き、残りを肩の上にまわす方法であるとのこと(現在では、イスラム教徒の影響によりサリーの下に「チョーリー」と呼ばれるブラウスを着るのが普通)。
ただし、着方は地域によっても、カーストによっても、フォーマルやカジュアルといったシチュエーションによっても、人によっても様々であるそうです。
なお、現在では多くのインド女性はサリーではなく「パンジャービー・ドレス」というのを着ています。
これは、北インドからパキスタンにかけて着られていたイスラムの影響の強いスタイルで、「シャルワール」と呼ばれるゆったりパンツと、「カミース」という長丈の上着に、「ドゥパッター」というハーフサイズの「サリー」を上半身に巻いたものです。
「サリー」よりも活動的なスタイルなので、社会で活躍する現代インド女性には好まれているのだとのこと。
ちなみに、写真のサリーはコルカタのニューマーケットで購入したものです。
サリーの着付け(ラジャスタン・スタイル)
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