【インド】サールナート – 釈迦(ブッダ)がはじめて説法をした仏教の聖地

【インド】サールナート – 釈迦(ブッダ)がはじめて説法をした仏教の聖地

インド サールナート インドの旅
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釈迦は、この「サールナート」で仏教の根本教説である「四諦八正道」を唱えました。剥ぎ取られたようなレンガの土台が並ぶ中、ひとつだけ建物としての輪郭を残しているのが巨大な仏塔「ダメーク・ストゥーパ」です。

今回は、サールナートについてご紹介します。

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釈迦は、この「サールナート」で仏教の根本教説である「四諦八正道」を唱えました

インド サールナート

ある日私は早起きし、バスでバラナシ近郊の「サールナート」(Sarnath:सारनाथ)の遺跡を見に行くことにしました。

「サールナート」は仏典では鹿野苑と呼ばれる場所。

ここはブッダガヤ」で悟りを得たブッダが初めてそれを人々に話して聞かせた場所です。

インド サールナート

「サールナート」は、バラナシから北へ10キロほど。30分くらいで着きます。

「ブッダガヤ」からは200キロほどの距離。釈迦は200キロの道のりを歩いてここまでやってきたのです。

 

木々に包まれ緑の芝生が植えられた広々とした敷地。

そこにかつての僧院や寺院の跡が基部だけを残して点在しています。

インド サールナート

剥ぎ取られたようなレンガの土台が並ぶ中、ひとつだけ建物としての輪郭を残しているのが巨大な仏塔「ダメーク・ストゥーパ」です。

直径28メートル、高さ34メートルを誇る円筒形の塔。

ブッダはここで仏教の根本教説である「四諦八正道」を唱えたのです!

 【四諦】

苦諦
「人生が苦である」というのが仏教の人生観。「生」「老」「病」「死」の四苦に「愛別離苦」(愛する者と別れる苦しみ)、「怨憎会苦」(憎む者に会う苦しみ)、「求不得苦」(求める物を得られない苦しみ)、「五陰盛苦」(人間生存自体の苦しみ) を加えた「四苦八苦」が説かれる。
集諦
「苦」の源であり、「苦集諦」ともいう。苦を招き集める「煩悩」をその内容とする。
滅諦
「苦滅諦」と言われる。煩悩が滅し、苦がなくなった涅槃の境地のこと。
道諦
苦を滅した涅槃を実現する方法のこと。

【八正道】

四諦の中の道諦として説かれる。
釈迦は初転法輪(最初の説法)で非苦非楽の「中道」を説き、それを「八正道」であると言った。
「八正道」には「正見」「正思惟」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」がある。
釈迦は初転法輪において、まず迷いの現実が苦であることと、その苦は克服しうるものであることを明らかにした。しかも、苦は単に苦として外にあるのでなく、我々がそれをどう受け取るのかで変わってくることを説いて、「煩悩」こそがすべてを苦と受け取らせる原因であることを明らかにした。したがって、この煩悩を正しく処理すれば、苦に悩まされない境地をうる。その道こそ、いっさいの自己愛を捨て、他に同化することにあるので、その根本は自己の本姿に徹することである。つまり、本来、執着すべきでない自己に執着することこそ、苦の原因である。この「苦」を滅して涅槃の世界 に入る方法こそ「八正道」であり、聖なる道を実現するから「八聖道」ともいわれる。
出典:Wikipedia
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鳥のさえずりの音しか聴こえない、とても静かな「サールナート」

インド サールナート

インド サールナート

「サールナート」は、とても静かでした。

聴こえるのは鳥のさえずりの音だけ。

昔、ブッダ、ゴータマ・シッダールタは、まさにこの場所で、同じように鳥のさえずりに目を閉じて聴き入っていたのかもしれません。

 

その時代から2500年という歳月が過ぎました。

仏教は、インドから東南アジア中国、日本にまで伝わり、現在も世界中にたくさんの信者がいます。

「輪廻」とか「煩悩」とか、仏教の教えは、我々日本人の物の考え方にも少なからず影響を与えています。

 

物言わぬレンガの群れや緑の菩提樹を眺めているうちに、私は、何だか遠い記憶が呼び起こされるような不思議な気分になってきてしまいました。

インド サールナート

向こうから頭に草の束を載せた女性たちがべちゃべちゃとしゃべくりながらやって来ました!

遺跡がにわかに騒々しくなり、釈迦を真似て瞑想していた私の静謐な気持ちは、あっという間に掻き乱されてしまいました・・・。

涅槃の境地への道のりは、遥か遠そうです。

 

旅行時期:2003年10月

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