フムス(ホムス)、ケバブ、タジン、クスクス、ファラフェル…
最近、日本でも注目されつつある、トルコ、レバノン、モロッコ、イスラエルを中心とした「中東料理」。トルコ料理が世界三大料理のひとつと言われるように、中東は食の宝庫です。
これまで、日本には中東全域を網羅したレシピ本はなかったのですが、この度発売されました!
著者は、中東カルチャーの専門家「サラーム海上」さん。
今回、この新刊「MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティ」(LD&K)の出版を記念して、下北沢にある書店「B&B」でサラーム海上さんのトークショーが行われましたので行ってきましたー。
開催場所は、下北沢のビールの飲める本屋「B&B」
下北沢「B&B」
今日のイベント「サラーム海上」
イベント会場は、下北沢にある本屋「B&B」
「B&B」とは、「Book」&「Beer」の略。
ビールを飲みながら本を読める書店として、かなり注目されている本屋さんです。
入り口に並ぶ雑誌類
店内の様子。紅茶なども売られてます。
街の書店がどんどん潰れていく昨今ですが、この「B&B」は下北沢の目立たない立地にありながら、商売的にうまくいっているのだとのこと。
その理由は、もちろんビール、そして、毎日のように開催される個性的なイベントであるのだそう。
ただ本を売っているだけでなく、ビールが飲めて、イベントも楽しめる本屋さん。
物ではなく、空間と時間を提供しているというところが人気のヒミツです。
ビールとイベントチケットの販売によって、収益性も二重丸。
カウンターには、イベントの案内とサラームの本が。
サラーム海上初のレシピ本だそうです。
そんな「B&B」のTODAY’S EVENTは、サラーム海上の新刊レシピ本出版記念イベント「出張メイハネと中東を巡る旅のはなし」
お店のカウンターには、イベントの案内と、サラームの本がたくさん山積みされていました!
イベントは、19:00~21:00までの2時間。
料金は、1,500円+1drinkオーダーで、本の中のレシピメニュー2品が提供されます。
ビールと、そして、中東料理「ホムス」、「ヤズ・サラタス」
シブヤビール(700円)今日のために仕入れました!
さて、イベントのチケットは、すでにネット予約で入手していたので、カウンターではドリンクを注文します。
ちょっと珍しいビール「シブヤビール」(700円)というのがあったので、頼んでみることにしました。
マカとグレープフルーツを使ったビール。
フルーティーですっきりとした味わい。
アルコール度数5.0%
今日のために仕入れました!
とのこと。
マカの入った「シブヤビール」
これが、「シブヤビール」です。
だけど、この「シブヤビール」、ただものじゃなかったです。
いただいたコップにビールを注いだところ、泡が一気にシュワーッと!
炭酸の量が半端じゃなく、ちょっと注いだだけで、コップが泡だらけになってしまう始末。
精力増強、滋養強壮に効くと言われる「マカ」が入っているからなのでしょうか。
「シブヤビール」、ビール自体が元気良すぎます。
イベントで提供された「ヤズ・サラタス」と「ホムス」
「ホムス」
「ヤズ・サラタス」
さてさて、お料理が配られました。
お料理は、「ホムス」と「ヤズ・サラタス」
「ホムス」は、ひよこ豆とタヒーニ(練りゴマ)のペースト。レバノンをはじめとしたアラブ諸国やトルコなど、中東で広く食べられているお料理です。「フムス」とも呼ばれます。
パンに付けて食べるとGood!安定の美味しさです。
「ヤズ・サラタス」は、スイカとミントと白チーズのサラダ。食後に食べられるデザート的なサラダであるとのこと。トルコやイスラエルで食べられているそうです。
スイカのさっぱりとした甘さが、塩気の強い白チーズに合います。ミントの香りも爽やかです★
以前、自宅で作った「フムス(ホムス)」のレシピはこちら↓
イベント会場は、前方にスクリーンが設置された15席くらいのスペースで、すでにサラーム海上さんがスタンバっていて、ビールやお料理をいただくお客さんと雑談を楽しんでおりました。
サラーム海上 「出張メイハネと中東を巡る旅のはなし@B&B」
雑談からのゆる〜い流れでイベントが始まりました。
まずは自己紹介から。サラーム海上さんの本業は音楽評論家。そして、DJやライター、大学の講師など、中東やインドの文化・風物をテーマに幅広く活躍している方なのだとのこと。
その活動の傍ら、中東のお料理にハマって造詣が深くなり、今回のレシピ本を出版するまでに至ったのだとか。
中東料理の分類
トークは、まず「中東」の区分の話から始まりました。
アラビア半島、イスラエルやレバノンなどの地中海東岸、北アフリカ、そして、トルコやイランまでの幅広い地域は、料理や音楽など、文化的に共通のものが多くあります。
だけど、人種もアラブ人、トルコ人、ペルシャ人、ユダヤ人と異なり、宗教もイスラムだけでなくユダヤやキリスト教徒もいるため、「中東」という言葉が地域全体を表すのに適しているのだとのこと。
「中東」という言葉はヨーロッパ側からの呼び名ですが、それに代わる言葉は今のところないのだそうです。
中東料理の分類は下記です。
- アラブ料理
- レバノン、シリア、ヨルダン料理
- モロッコ、アルジェリア、チュニジア料理
- エジプト料理
- イラク料理
- イエメン、湾岸料理
- トルコ料理
- ペルシャ料理
- イスラエル料理
このうち、最も洗練されていてレベルが高いと言われているのが「レバノン料理」であるとのこと。
トルコ料理は、オスマントルコの時代、その支配地域であった中東全域の料理が融合した料理であるそうで、モロッコやアルジェリアなどの料理は、アラビア半島などの人たちからすると、エキゾチックなお料理と思われることが多いのだそうです。
中東料理共通の食材は、レモン、にんにく、パセリ、オリーブオイル
中東料理の特徴は、特別なスパイスはほとんど必要なく、自宅でも簡単に作れる料理であり、意外と野菜を多く使い、ベジタリアン対応も可のヘルシーな料理であるということ。
中東料理の共通の食材としては、レモン、にんにく、パセリ、オリーブオイルがあり、これら、4つの食材以外では、トルコでは、ヨーグルトやトマトペースト、モロッコでは、塩レモンやシナモン、クミン、香菜、レバノンでは、練りゴマが使われるとのこと。
トルコ料理の地勢
今回は、サラーム氏が直前にトルコに行っていたとのことで、中東料理のうち、トルコ料理をピックアップして話すということになりました。
トルコは、北に黒海を挟んでロシアやウクライナ、西にギリシャや地中海、バルカン地方、南にシリアやレバノンなどのアラブ、東にイランやコーカサス、中央アジアがあり、料理もそれぞれの地域の影響を受けています。
トルコ料理は、前菜が充実していることでも知られています。
トルコ料理の前菜は「メゼ」と呼ばれ、温かいものから冷たいものまで多種多様。
冷たいメゼとしては、「ホムス」や、トマトやキュウリ、たまねぎを角切りにしたシンプルなサラダ「チョバン・サラタス」、温かいメゼとしては、白チーズを包んだ春巻き「シガラ・ボレイ」や、白チーズ入り炒り卵「メネメン」が代表選手です。
トルコの朝食「カッパドキア」
イスタンブルの朝食
イスタンブルのカフェ朝食
イスタンブル友人宅の朝食
写真はトルコの朝食です。
トルコでは、朝食が1日の食事の中で一番大事な食事なのだそうです。
写真を見ても、かなり豪華でボリュームもありますよね。
トルコの朝食が充実しているのは、世界でも有名なのだとか。
Baba Zula、レヴェントの特製マントゥ
マントゥ
Baba Zula、レヴェントの特製マントゥ
こちらは、「マントゥ」
中国の「ワンタン」やネパールの「モモ」、ポーランドの「ピエロギ」やジョージアの「ヒンカリ」とも似ている料理。
もともとは、モンゴルや中央アジアの遊牧民起源の料理と考えられています。
スプーンの上に40個以上載るほど小さく作るのが良いとされていますが、実際その小ささにすると小麦粉ばかりで肉の味がしないため、サラーム氏によると、スプーンに10個載るくらいがベターだとのこと。
写真は、トルコのミュージシャン、「Baba Zula」のレヴェントが作る特製マントゥです。
イベントの様子
サラームのざっくばらんなトークで、ゆる〜い感じで行われたイベント「出張メイハネと中東を巡る旅のはなし」
ちなみに、「メイハネ」とは、トルコの居酒屋を表す言葉だそう。
ビールを飲み、中東レシピ2品をいただきながらの2時間。名前の通り「メイハネ」なイベントでした。
なかなか面白いお話を聞くことができました〜★
新刊「MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティ」
新刊「MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティ」
ところで、この「MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティ」、本が生まれた経緯もなかなか面白いです。
この本、実は「クラウドファンディング」によって制作・出版がなされているんだそうです!
クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
クラウドファンディング – Wikipedia
イベントの冒頭でサラーム海上氏が語ったところによると、
実は美味しくてヘルシーで簡単に作れる「中東料理」。そんなまだまだ日本では知られていない「中東料理」を日本に広めたいということを企画のコンセプトに掲げ、2015年12月28日に、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」にて募集を開始。
最終的に、40日間で558名のパトロンを集め、支援総額は、2,720,500円に達し、無事出版できることとなったのだとのこと。
国内主要クラウドファンディングにて支援金額がレシピブック史上No.1を記録!だそうです。
本の中身
イベント後、カウンターでさっそく、サラーム海上の新刊「MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティ」を購入!
ページを開くと、美味しそうな中東料理の数々がズラリ!
どれも美味しそう♪
レシピだけでなく、ところどころに中東の料理や文化などのコラムも掲載されていて、見ているだけで中東の空気感が伝わって来る本に仕上がっています。
ぜひ、レシピを参考に作ってみたいです★
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