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カンナダ語映画史上歴代5位の劇場収益を上げたヒット作『チャーリー』
インド映画『チャーリー』予告編
ヒンディー語のボリウッド、テルグ語のトリウッド、タミル語のコリウッドと並び、「サンダルウッド」と称されるカンナダ語映画。
今回ご紹介するのは、そのカンナダ語映画の作品『チャーリー』(原題:777 Charlie)(2022年6月にインドで公開)。
多言語上映された本作は、カンナダ語映画史上歴代5位の劇場収益を上げるなど、インド全土で大ヒット。第69回ナショナル・フィルム・アワードで「カンナダ語最優秀長編映画賞」も受賞するなど批評家の評価も高い作品です。
この『チャーリー』が、2024年6月28日から、日本でも劇場公開されることになり、さっそく鑑賞してきました♪
※記事はネタバレ含みます。
「チャーリー」の物語(あらすじ)
Escape Song – 777 Charlie
物語の舞台は、南インド、カルナータカ州にある町マイソール。
主人公のダルマ(ラクシット・シェッティ)は、過去の悲劇がきっかけで人との関わりを避け、孤独に生きている男。工場での仕事、酒、タバコ、チャップリンの映画、食事として食べるイドゥリ。それが、彼の全てです。
そんなダルマの前に現れたのが、後に「チャーリー」と名付けられることになる一匹のラブラドールの雌犬。
悪徳ブリーダーのもとから逃げ出してきたチャーリーは、いろいろあって、ダルマの家に住み着くこととなります。
上の動画は、映画の冒頭。チャーリーが悪徳ブリーダーのもとから逃げ出して、ダルマの住む団地に辿り着くまでのシーン。
Torture Song (Kannada)
犬嫌いでありながら、仕方なくチャーリーを飼い始めたダルマ。
やんちゃなチャーリーの行動にほとほと困り果て、何度も追い出そうと試みますがうまくいきません。
しかしながら、チャーリーの巻き起こすドタバタ劇に付き合わされ、一方的な愛情を受け続けていくうちに、いつしか、彼はチャーリーに対して愛着を抱くようになっていきます。
チャーリーの存在は、ダルマの心持ちにも変化をもたらします。
今まで無視してきた部下に声を掛けるようになったり、愛想笑いさえ返さなかったイドゥリ屋台のおばちゃんに声を掛けたり。
「ダルマが変わった!」と驚く周囲の人々。
Journey Video Song (Kannada) – 777 Charlie
しかし、悲劇は不意に訪れます。
ある時、突如としてグッタリとしてしまったチャーリー。獣医に診せたところ、その診断は血管肉腫。癌でした。
余命わずかだと知らされたダルマは、チャーリーが好きだという雪景色を見せるため、バイクに彼女を乗せ、ヒマラヤへと旅立つのです。
※続きは、本作品をご覧ください。
「チャーリー」の感想(レビュー)
The Hymn Of Dharma – Video Song (Kannada)
犬をメインキャストとした、インドでは見たことがないようなこの作品『チャーリー』
ラブラドール犬「チャーリー」の愛らしさは、犬好きにとってはたまりません♪
しかしながら、この映画の一番の魅力は、チャーリーからの愛情によって、孤独で頑なだったダルマが変わり、成長していく姿。そして、チャーリーとダルマの信頼関係が深まっていく様子です。
ストーリー的には、「ん?」と感じられるような無理な展開もいくつかあるのですが、それも含めて楽しむのが「インド映画」。
物語前半の、キランラージ監督のチャップリンへの愛情が感じられるような、ダルマとチャーリーのドタバタ活劇。物語後半の、様々な経験や試練を通してダルマとチャーリーが信頼関係を強め、成長していくロードムービー展開。
ほとんど感情を露わさなかったダルマが、チャーリーを失うことに絶望し涙を流す姿。
スクリーン上のダルマとチャーリーの姿を眺めながら、涙が止まりませんでした。
2024年6月から日本でも劇場公開されたインド映画『チャーリー』
インド映画らしい、華やかなダンスシーンも、ド迫力のアクションシーンもありませんが、多くの方に観て欲しい作品です。
キャスト
ダルマ: ラクシット・シェッティ
デーヴィカ: サンギータ・シュリンゲーリ
Dr.アシュウィン: ラージ・B・シェッティ
カーシャン・ロイ: ダニシュ・サイト
ヴァムシナダン: ボビー・シンハー
スタッフ
監督・脚本:キランラージ・K
製作:G・S・グプタ ラクシット・シェッティ
撮影:アルビンド・S・カシャプ
音楽:ノビン・ポール
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