伊豆の踊り子と河津桜で有名な、静岡県伊豆半島の河津。
この町にセネガル人シェフの作る本格的なセネガル料理を提供している店があるというので、行ってみることにしました。
お店の名前は『アフリカンドリーム』。2023年7月のオープンです。
『アフリカンドリーム』へのアクセス・行き方

「河津駅」河津桜が描かれた駅名板がおしゃれ
『アフリカンドリーム』の最寄駅は、伊豆急行線の「河津駅」
東京からはJR東海道線と伊豆急行を乗り継いで約3時間半かかります(特急「踊り子」を使うと2時間半)。
駅からお店までは徒歩9分ほどとのことなので、歩いてお店まで向かいました。

「伊豆の踊子と学生」の像
河津は川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台として知られています。
駅前には「伊豆の踊子と学生」の像が置かれていました。

河津川
駅を出て駅前の通り(踊子花街道)を南へ進むと、海沿いを走る国道135号線にぶつかります。
そこを右折すると、河津川に架かる橋「浜橋」があるので渡ります。

河津川の河口にある白い外観のお店
橋を渡って「谷津」の信号を過ぎたすぐ左手にある白い建物が、目的のお店『アフリカンドリーム』
伊豆半島を縦断する国道沿い。お店の裏には太平洋の海が広がっており、なかなか良いロケーションです。
『アフリカンドリーム』の外観と店内の雰囲気

『アフリカンドリーム』の外観
こちらが、『アフリカンドリーム』の外観です。
緑・オレンジ・赤のカラフルでポップな店名表記。

セネガル料理の幟

セネガル料理の横断幕
お店の入り口には「セネガル料理」と書かれた横断幕や幟が掲げられています。
伊豆の河津のこの場所にどうしてセネガル料理のお店があるのか、ちょっと気になるところ。
ちなみに「セネガル」は西アフリカにある国。西アフリカの文化的中心地のひとつであり、かつての宗主国であるフランスの影響を受けた「セネガル料理」はアフリカ料理の中でも洗練されていることで知られています。
特に、魚の煮汁で炊いた炊き込みご飯「チェブジェン」はユネスコの無形文化遺産にも登録された料理として有名。
今回はその「チェブジェン」を食べに来ました。

本日のおすすめメニュー

新メニューも続々登場
店頭にはメニュー紹介の看板がいくつか立てられていました。
お目当ての「チェブジェン」をはじめ、新メニューも続々と登場している様子。
さっそく、店内へと入っていきましょう〜。

『アフリカンドリーム』の店内
こちらが、『アフリカンドリーム』の店内です。
店内はかなり広々としています。天井や壁は白と水色に塗られ、明るく爽やかな雰囲気。
店内にはセネガルの国民的ミュージシャン「ユッスー・ンドゥール」をはじめとしたセネガルのポップミュージック「ンバラ」がBGMとして流れていました。

アフリカの国旗が掲げられています。

席間は広くゆとりがあります。
座席はテーブル席のみで40席。席間は広くゆとりがあります。
訪問したのは12時過ぎ。入店時にはお客さんはいませんでしたが、食べている間に地元の家族連れや遠方から来たと思われるおひとり様男性、外国人の2人組が来店しました。
スタッフは接客やドリンクを担当しているオーナーと、料理担当のシェフのツーオペ。どちらもセネガル人男性です。

アフリカ地図の壁掛け

帽子やバッグ

木製の工芸品やアフリカンな絵柄のカップ

ベチバーのバスケット、カラフルなシャツ、帆船のミニチュア

バオバブの木やアフリカの人々を描いた見事な絵

マダガスカルの天然石を使ったアクセサリー

木彫りの工芸品など

アフリカらしい色とデザインの服
店内の壁や棚には工芸品や衣服、バッグ、アクセサリー、絵など、アフリカの様々なものが飾られ、販売されていました。
ベチバーのバスケットやバオバブミニチュア、ラフィアのランチョンマットなど、マダガスカル産のものが多い感じ。

アフリカの海をモチーフにした絵

壁にあったメニュー

シナモンティーやレモングラスティーも販売
店内のディスプレイはかなり綺麗に整えられており、壁やテーブルに貼られたメニューなどの日本語表記もわかりやすく、日本人フレンドリーな感じ。
さて、座席に座ったところで、さっそくメニューを見てお料理を選びましょうか〜。
『アフリカンドリーム』のメニュー

『アフリカンドリーム』のメニュー

メインメニュー「チキン」

メインメニュー「マトン」「魚介類」

デザート、サイドメニュー

コーヒー

ドリンクメニュー

おすすめメニュー「ジビ」

新メニュー「チュー」

アフリカンビール
こちらが、『アフリカンドリーム』のメニューです。
メニューはかなり豊富。「ヤッサ」「マフェ」「ドモダ」「チェブヤップ」「スープカンジャ」「チュー」など、セネガル料理のメインどころが揃っています。
しかしながら、何といってもセネガルの国民食「チェブジェン」に目が止まります。
「チェブジェン」は、埼玉県坂戸市にあるセネガル料理店『+221 RESTAURANT&CAFE』でも日曜限定で提供していますが、ここでは毎日食べられるのが嬉しいところ。
ドリンクは、セネガル定番の「ビサップジュース」「バオバブジュース」。セネガルコーヒーの「カフェトゥーバ」もあり。
それでもって、今回注文したお料理は↓(2人分)
- コクテルジュース(600円)×2杯
- シェフのポテト(500円)
- チェブジェン(赤)(1,800円)
- ヤッサ(1,500円)
- クリームキャラメル(800円)
- ベニエ(300円)
- カフェトゥーバ(ホット・ブラック)(600円)
ドリンクは「コクテルジュース」。メインのお料理は「チェブジェン」と「ヤッサ」。チェブジェンは赤と白がありますが、この日は赤しか用意していないとのこと。サイドメニューとして「シェフのポテト」
デザートに「クリームキャラメル」と「ベニエ」。ドリンクのお供は「カフェトゥーバ」を頼みました。
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
「コクテルジュース」

「コクテルジュース」(600円)
まずは、お飲み物。
「コクテルジュース」です。
ビサップバオバブのミックスジュース
- 「ビサップジュース」(西アフリカでポピュラーなジュース。ハイビスカスジュースをビサップといいます。ビサップは消化を促進し、血圧を下げる作用もあり、心疾患の予防に役立ちます)
- 「バオバブジュース」(スーパーフードと言われているバオバブの実「ブイ」で作ったジュース)
「ビサップジュース」と「バオバブジュース」は飲んだことがありますが、ミックスしたものを飲むのは初めて。
甘酸っぱくて爽やかな「ビサップジュース」と、濃厚でまろやかな「バオバブジュース」。混ぜて飲むと、ビサップの酸っぱさと、バオバブの濃厚さがほど良く和らいで、なかなかの美味しさ♪
「シェフのポテト」

「シェフのポテト」(500円)
ドリンクと一緒にいただくおつまみは、「シェフのポテト」
シェフのスペシャルポテトです。外はカリカリで、中はしっとり。一度食べたらやめられません。
この「シェフのポテト」がとても美味しかったです!
外カリカリ、中はお口の中でシュッと消えるような食感。塩気もほど良く、まさに一度食べたらやめられないお味。
「チェブジェン(赤)」

「チェブジェン(赤)」(1,800円)
そして、メイン登場。お目当ての「チェブジェン(赤)」(トマトペースト入り)です。
セネガルの代表的料理のひとつで、ウォロフ語で「チェブ」は米、「ジェン」は魚を意味します。その名の通り、魚の煮汁で炊いたパエリアにも似た米料理。
「チェブジェン」は、セネガル川河口の港町「サン・ルイ」で生まれたとされるセネガルの伝統料理。一つの鍋で煮炊きをして作る「ベンナ・チン」と呼ばれる料理の代表です。
魚は現地ではニシン科の「ヤーボイ」が一般的ですが、『アフリカンドリーム』では鯛を使っているとのこと。店主さんによると「日本では鯛が一番美味しいから」だそう。
この「チェブジェン」がめちゃ旨!
鯛の煮汁の沁みたお米は、トマトの酸味、パラパラの食感と相まって抜群の美味しさ♪
鯛の身も外側はカリッとして香ばしく、白身の食感は搾り掛けたレモンの酸味と合います。茄子やキャベツ、ジャガイモ、オクラ、ニンジンなどの野菜も煮汁が沁み込んでいていいお味。
「ヤッサ」

「ヤッサ」(1,500円)
もう一品のメイン。「ヤッサ」です。
玉ねぎをたっぷり使い、マスタードで煮込んだソース。白いご飯と一緒に食べます。
”ヤッサ”とは玉ねぎのこと。オニオンとレモンでマリネードしたチキンライスで、セネガル料理の定番のひとつです。
こちらも美味♪
玉ねぎの甘味とレモンの酸味、マスタードの風味がマッチした濃厚なソースは重層的で奥深いお味。白いご飯との相性抜群!
香ばしく焼かれたほど良い柔らかさのチキンも旨い♪
ほくほくしたゆで卵も良いアクセント。
これは、美味しい「ヤッサ」です。

盛り付けも美しい
それにしても、この『アフリカンドリーム』のシェフ。
現地では、さぞ名のあるシェフなのでしょう。
どのお料理も抜群に美味しいし、味が洗練されています。そして、盛り付けも美しいです。
見てください! プレートの端には、小さくカットされた赤・黄のパプリカと緑のピーマンでセネガル国旗カラーが表現されています★
「クリームキャラメル」

「クリームキャラメル」(800円)
デザートは2品。
こちらは、「クリームキャラメル」
マダガスカル産バニラビーンズ入り
そんなにバニラビーンズ感は感じませんでしたが、上品なお味で美味しいプリン。
添えられたオレンジのカットも手が込んでいます。
「ベニエ」

「ベニエ」(300円)
もう1品は、「ベニエ」
セネガル定番のおやつ。サーターアンダギーとよく似た揚げ菓子です。
見た目も味も沖縄のサーターアンダギーそっくりですが、サーターアンダギーよりも甘さが控えめで上品なお味。これも間違いのない美味しさ。
「カフェトゥーバ(ホット・ブラック)」

セネガルコーヒー「カフェトゥーバ(ホット・ブラック)」(600円)
デザートと一緒にいただいたお飲み物は、セネガルコーヒー「カフェトゥーバ(ホット・ブラック)」
セネガルで日常的に飲まれている国民的コーヒー飲料。ギニアペッパーなどの香辛料を挽きコーヒー豆とブレンドし焙煎したものです。
「カフェトゥーバ」は、坂戸のセネガル料理店『+221 RESTAURANT&CAFE』ではじめて飲んで今回が2度目ですが、ギニアペッパーを使った独特の風味がたまりません!
クセになる美味しさです♪
スプーンの上に載った2粒のチョコレートも嬉しいし、美味しい!

日本では数少ないセネガル料理店
食後、お店のオーナーの「ンボウ・ラミン」さんにお話を伺ったところ、ラミンさんはセネガルのダカールの出身。来日二十数年にもなるそうで、日本語はかなり達者です。
シェフはセネガルの北部の出身だそう。
ラミンさんは以前は新横浜で働いていたそうですが、そこでの仕事が嫌になり、ここ伊豆の河津でセネガル料理店を開くことにしたのだとか。
奥様は日本の方。なるほど、お店のディスプレイやメニューが日本人フレンドリーである理由がわかりました!
ラミンさんに、「以前セネガルに行ったことがあり、東京からセネガル料理を食べに来た」と伝えると、「注文した料理を聞いて、そうだと思った!」とのこと。
お客さんは地元の方も来店するものの観光客が多め。日本にはセネガル料理店が少ないので、セネガルに行ったことがある日本人や在日セネガル人も遠くからやってくることがあるのだとか。
ちなみに、坂戸のセネガル料理店『+221 RESTAURANT&CAFE』のオーナーとも知り合いであるとのこと。

『アフリカンドリーム』
伊豆・河津にあるセネガル料理店『アフリカンドリーム』
セネガル人シェフの作る本格的なセネガル料理を提供しているお店です。
いただいたお料理はどれも絶品! 鯛を使ったセネガルの国民食「チェブジェン」も、玉ねぎとレモンとマスタードのマッチングが絶妙な「ヤッサ」も抜群に美味しく洗練されたお味。ハイビスカスとバオバブの「コクテルジュース」や、ギニアペッパーを使った「カフェトゥーバ」も美味♪
セネガル料理を満喫できるお店です★
店主さんも親切だし、サービスもGood!お店の雰囲気も良いです。
都内からだと少し遠いけど、わざわざ行く価値のあるお店です。
『アフリカンドリーム』の地図・アクセス・営業時間
食後に河津散策、河津温泉で日帰り入浴も乙

河津桜はもう散り掛け

代わりに菜の花が満開
食後、せっかく河津に来たので河津の町を少し散策。
名物の河津桜は2月がシーズンなので、ほぼ散っている状態。
代わりに菜の花が満開でした♪

峰温泉の「大噴湯」は時間が合わずに見れず(1時間に1回)

「踊り子温泉会館」で日帰り入浴(入浴料1,000円)
1時間に1回噴き上がるという峰温泉の「大噴湯」は時間が合わずに見れませんでしたが、近くにある「踊り子温泉会館」で日帰り入浴しました。
温泉は人も少なく、とても気持ちよかったです♪

伊豆急行線の「アロハ号」で帰京
都内から伊豆の河津を訪れ、ランチに『アフリカンドリーム』でセネガル料理をいただき、「大噴湯」や「河津桜」(2月がシーズン)を眺め、「峰温泉」に浸かる。 ※河津七滝などの見所もあり。
そんなワンデイトリップは、如何でしょうか?
アフリカ料理店






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