中国福建省の北西部にある永定県。山深い田舎な地域です。
そんな田舎道をバスで走っていくと、山あいに大きな円形の建物がいくつも見えてきます。
これは「客家土楼」という集合住宅。2008年7月には世界遺産にも登録されました。
今回は、客家土楼への道中をご紹介!
福建省の町「廈門(アモイ)」からバスで永定へ
福建省廈門にあるコロンス島の風景(対岸が廈門の街)
福建省南部、九龍川河口に位置する都市「廈門(アモイ)」。
廈門は、中国五大経済特区のひとつとして、著しい発展を遂げている町のひとつです。人口は264万人。
廈門の対岸には台湾があり、閩南語(びんなんご)と呼ばれる台湾語と同じ方言が一般に話されています。
廈門は、1842年のアヘン戦争の敗北によって、列強に開放させられた港のひとつとしても知られていて、19世紀から20世紀初頭にかけて、街の沖合にある「コロンス島」に、イギリス租界や共同租界が設置されていました。
そのため、コロンス島には今でも当時の洋館が多く残されています。
廈門の海岸沿いの目抜き通り
廈門は、土楼観光の拠点として便利な街です。市街地は適度に賑わっているし、「コロンス島」という見所もあります。
朝6時に起きて、タクシーでバスターミナルへと向かいました。
前日、すでにバスターミナルには訪れていて、目的地である「永定」への切符を購入していました。値段は53元(795円)です。
バスはちょっとボロいですが、アジアなどでは普通に見かけるレベルのバス。
途中、「龍山」「和渓」「龍岩」といった町を経由し、ところどころでお客を拾いながら永定へと向かいました。
廈門から永定までのバスの車内
バスは、始めは高速道路を走っていましたが、だんだん険しい山道へと入っていきました。
相当な田舎です。観光客どころか、地元の人以外は訪れることなどなさそうな田舎。
車内では、ハリウッド映画のDVDが上映されたり、中国のカラオケソングのPVが流されたりしました。
バスは5時間ほどで永定に到着。永定はそこそこ栄えている印象の町でした。
永定からバイタクに乗り、目的地の洪坑村へ
バスが永定に到着すると、すぐにバイタクのお兄ちゃんが車内にまでやってきて客引きを始めます。
土楼まで20元(300円)だそうです。
結局、他に当てもなかった私は、彼のバイクに乗ることにしました。
このバイタクのお兄ちゃん、中国語しかしゃべれません。私も中国語がしゃべれないので、会話は身振り手振りと筆談になりました(漢字で意思疎通ができることが多かったです)。
永定県初渓村の土楼群
お兄ちゃんの運転するバイタクは、私と私の荷物を乗せ、山道を進んでいきます。
誰もいない山道。言葉の全く通じないお兄ちゃんとふたりきり。
空はどんよりと曇り、そのうち雨がぽつぽつと降ってきました。
かなりの心細さでしたが、お兄ちゃん、きっちりといくつかの土楼を周って、目的地の洪坑村へと連れて行ってくれました。
洪坑村に到着したのは夜。
バイタク代は、結局150元(2,250円)になりました。
最初の土楼に着いたとき、20元はここまでで、洪坑村までは150元くれないと行かないと言われたからです。
どおりで安すぎると思った。
旅行時期:2003年1月