♪現代のグリオ、ユッスー・ンドゥールの傑作「ナッシングス・イン・ヴェイン」

♪現代のグリオ、ユッスー・ンドゥールの傑作「ナッシングス・イン・ヴェイン」

ユッスー・ンドゥール、ナッシングス・イン・ベイン【音楽】 エスニック音楽
♪現代のグリオ、ユッスー・ンドゥールの傑作「ナッシングス・イン・ヴェイン」
記事内に広告が含まれています。

「ユッスー・ンドゥール」(Youssou N’Dour)は、西アフリカ、セネガルの国民的歌手であり、現代アフリカのポップミュージックを代表するミュージシャンです。

 

西アフリカの伝統を伝える語り部「グリオ」の血を引く「ユッスー・ンドゥール」

西アフリカ音楽とカリブ音楽などを融合させた「ンバラ」という音楽ジャンルを確立し、1998年のフランスW杯の公式テーマソングを手掛けるなど、世界的に活躍していることでも知られています。

「ユッスー・ンドゥール」は、まさに、現代の「グリオ」なのです!

スポンサーリンク

ユッスー・ンドゥール/ナッシングス・イン・ヴェイン

「リ・マ・ウェース~私の過去」(Li Ma Weesu)

 

「ナッシングス・イン・ヴェイン」(Nothing’s In Vain)は、2002年にリリースされた「ユッスー・ンドゥール」の18枚目のアルバム。ワールド向けとしては5作品目です。

ソニーレーベルからノンサッチレーベルに移籍して第一弾となったこのアルバムは、ソニー時代の欧米的なエレクトリックを多用した音楽とはガラリと変わってアコースティックメイン。

コラやジャンベ、タマといったアフリカン楽器を前面に出した原点回帰した作品となっています。

 

動画は、アルバムのリードソングである「リ・マ・ウェース~私の過去」(Li Ma Weesu)

印象的な女性コーラスと、伸びやかで広がりを感じさせる「ユッスー・ンドゥール」の声。

素晴らしい曲です。

Youssou Ndour: I Bring What I Love – New Africa

 

「ユッスー・ンドゥール」は、セネガルの主要民族であるセレール族の出身。伝統的な音楽を伝承するグリオの家系の生まれで、幼い頃から音楽に親しんでいたそうです。

1970年代からシンガー&パーカッショニストとして活躍していた彼ですが、79年に自らのバンドを結成します。

当時のセネガルのポップ音楽は、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのようなキューバ風の音楽が多かったのですが、「ユッスー・ンドゥール」はこれにセネガルのグリオの伝統的な音をミックスさせていきました。

そして、その音は大衆に受け入れられ、現在では「セネガルのミュージシャンと言えばユッスー」とされるまでに、国民的な歌手となったのです。

 

「ユッスー・ンドゥール」は、80年代にヨーロッパに進出し、世界的にも知られるようになります。

特に1980年にピーター・ガブリエルと出会い、共同制作をしたことは彼の知名度を高めることに大きく貢献しました。

その後も、スティングやポール・サイモン、ワイクリフ・ジョン、ネナ・チェリー、坂本龍一など、世界中のアーティストとの共演・共作を行い、1998年のフランスワールドカップの公式讃歌を担当し、スタジオジブリの洋画アニメーション「キリクと魔女」の映画音楽を担当するなど、「ユッスー・ンドゥール」は世界中で活躍しています。

 

2004年には、アルバム「エジプト」で第47回グラミー賞(ベスト・コンテンポラリー・ワールドミュージック・アルバム)を受賞。

2013年には、音楽界のノーベル賞とも言われるポーラー音楽賞を受賞しています。

 

上の動画は、2009年に公開されたドキュメンタリー作品「I Bring What I Love」のメインソングともなっていた曲「New Africa」

Youssou N’dour and Jimmy Mbaye – Birima

 

上の動画はロンドンで行われた「ユッスー・ンドゥール」のライブの様子(You Tubeで見てください)。

ジミー・バーイのギターと、ユッスーの声とパフォーマンスによって、ライブハウスが一体感に包まれています。

 

「ユッスー・ンドゥール」のライブですが、私も見に行ったことがあります。

ユッスーの故郷、セネガルの首都ダカールにあるライブハウス「クラブ・チョサン」で観ました!

ライブの様子は→ ユッスー・ンドゥールのライブ in クラブ・チョサン【セネガル】

2012年4月にセネガルの文化観光大臣に任命され、今のところ音楽活動を休止している「ユッスー・ンドゥール」。

任期が終わったら、また音楽活動を再開させ、日本にも公演に来てもらいたいものです。

スポンサーリンク

♪アフリカ音楽

♪フェラ・クティ/ベスト・オブ・フェラ・クティ(Fela Anikulapo Kuti)
ナイジェリアのブラック・プレジデント、闘うアフロビート、「フェラ・アニクラポ・クティ」! 彼は音楽によって黒人の解放、アフリカの統一を訴え、腐敗したナイジェリア政府と戦い続けた闘士です。
♪オーケストラ・バオバブ/スペシャリスト・イン・オール・スタイルズ(Orchestra Baobab)
70年代のセネガルをリードしたアフロ・キューバンバンドが2001年に復活。オーケストラ・バオバブ/スペシャリスト・イン・オール・スタイルズ。オーケストラ・バオバブは、70年代から80年代にかけて西アフリカのセネガルで活躍したアフロ・キューバン・サウンドのバンドです。
♪コノノNo.1/墜落時体勢を取れ!!(Konono No.1)
キンシャサのストリート発!電気親指ピアノによる人力テクノ。コノノNo.1のアルバム「墜落時体勢を取れ!!」です。コノノNo.1は、アフリカ中央部の国、コンゴの首都キンシャサのストリートで生まれた、電気リケンベ(親指ピアノ)をメインとしたグループです。
♪トーマス・マプフーモ/ザ・シングル・コレクション(Thomas Mapfumo)
ジンバブエを代表するミュージシャン、トーマス・マプフーモのベスト盤「ザ・シングル・コレクション」。トーマス・マプフーモの音楽は「チムレンガ・ミュージック」といわれます。「チムレンガ」とはショナ語で「闘争」という意味です。
♪シェイク・ロー/バルバロウ Balbalou(Cheikh Lo)
遅咲きのすごい歌手、シェイク・ロー。「シェイク・ロー」は、1955年、セネガルの隣国ブルキナファソ第二の都市「ボボ・ディウラッソ」に生まれました。両親はセネガル人です。シェイク・ローの音楽は、ハイブリッドでバラエティーに富んでいるのが特徴です。
♪ランゴ/ザールの花嫁(rango/Bride of the Zar)
スーダン・コミュニティーの伝統楽器「ランゴ」が現代に復活!「ランゴ」は、エジプトの首都カイロで活動するスーダン伝統音楽のグループ。グループ名の「ランゴ」とは、スーダンの伝統鍵盤打楽器「ランゴ」からとられています。
♪サリフ・ケイタ/モフー Moffou(Salif Keita)
西アフリカ、マリ出身のミュージシャン「サリフ・ケイタ」のアルバム「モフー」(Moffou )。インターナショナル向けとしては、サリフの6作目の作品。2002年に各国のワールドミュージックの賞を総ナメにし、彼のアルバムの中でも最高傑作の呼び声も高い、名作中の名作です。
♪密林のポリフォニー/イトゥリの森ピグミーの音楽
アフリカ大陸の最深部「イトゥリの森」に住むピグミー族。ピグミー族は即興による複雑なポリフォニーによる高度な声楽で知られています。この「密林のポリフォニー」は、現地の「イトゥリの森」で彼らのリアルなチャントを録音したアルバム。人類学的に見ても貴重なレコードです。
♪現代のグリオ、ユッスー・ンドゥールの傑作「ナッシングス・イン・ヴェイン」
「ユッスー・ンドゥール」(Youssou N'Dour)は、西アフリカ、セネガルの国民的歌手であり、現代アフリカのポップミュージックを代表するミュージシャンです。2002年にリリースされたアルバム「ナッシングス・イン・ヴェイン」は、アフリカン楽器を前面に出した原点回帰とも言える作品となっています。
♪ショナ族のムビラ2(500年の伝統を持つジンバブエのミニマル・ミュージック)
アフリカ南東部の国ジンバブエに住む民族「ショナ族」の伝統民族楽器「ムビラ(Mbira)」の演奏を録音したアルバム「ショナ族のムビラ2 アフリカン・ミュージックの真髄2」。500年もの長い伝統を持ちながら、現代音楽的なモダンさを感じさせる「ムビラ」の音楽。とても魅力的です★
♪ジャン・ジャン(Djan Djan)【コラ、タブラ、スライドギター】
西アフリカのコラとインドのタブラ、そして、スライドギターの融合!西アフリカとインド、オーストラリア。異なるルーツを持った3人のミュージシャンによるコラボレート。アルバムのコピーに「美しきワールド・ミュージックの桃源郷」とありますが、本当に美しい音楽です。
「ユッスー・ンドゥール」の歌を現地で聴く! - ダカールの「クラブ・チョサン」で観た白熱のライブ♪
西アフリカの国「セネガル」。その首都「ダカール」ダカールにあるライブハウス「クラブ・チョサン」で、セネガルのスーパースター「ユッスー・ンドゥール(Youssou N'Dour)」のライブコンサートを鑑賞しました♪ ユッスー・ンドゥールは、世界で最も知られたアフリカのミュージシャンのひとりです。
セネガルの才人、「シェイク・ロー」来日公演♪(in 渋谷WWW)
西アフリカ、セネガルの才人「シェイク・ロー」。セネガル生まれのポップス「ンバラ」をベースとしつつ、独自の音楽世界を作り続けてきたワールドミュージック界のカリスマのひとりです。そんな彼が初来日!渋谷WWWで行われた「シェイク・ロー」来日公演の模様をお伝えします♪
タンザニア・ザンジバルで音楽ライブ鑑賞♪(タアラブとンゴマを聴く)
タンザニアの沖合に浮かぶザンジバル島でライブコンサートを鑑賞しました♪コンサートが行われたのは、旧市街「ストーンタウン」にある音楽学校「ダウ・カントリーズ・ミュージック・アカデミー」。鑑賞したのは、アフリカンドラム「ンゴマ」のグループと、アラブ音楽の影響を感じさせる「タアラブ」のグループの2つです★
♪現代アフロビート最高峰!シェウン・クティ&エジプト80公演を鑑賞 in ブルーノート東京
アフロビートの創始者であり、ナイジェリアの伝説的なカリスマ「フェラ・クティ」。その息子で現代アフロビートの最高峰と言われる存在が「シェウン・クティ」です。先日、ブルーノート東京でシェウン・クティとそのバックバンドであるエジプト80の公演が行われたので観てきました♪

コメント

タイトルとURLをコピーしました