ターバンを巻いたシク教徒たちの聖地、「アムリトサル」の黄金寺院【インド】

※前回の記事→テーブルマウンテンの上に聳えるインド中世の城郭、「グワリオール」のマーン・マンディル【インド】

「インド」(India:भारत)

4500年を超える歴史を持ち、12億人の人口を抱える大国「インド」。

スパイスを使った『料理』、輪廻や解脱の考えがある『哲学』や『宗教』、周期と即興で作られる『音楽』、歌と踊りがメインの『映画』、サリーやターバンなどの『ファッション』、どれも「インド」的!

独特で多様な世界「インド」の旅をご紹介します。

今回は、アムリトサルの黄金寺院です!

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ターバンを巻いて、髭を生やしたシク教徒の人々。彼らの聖地、アムリトサルの黄金寺院(ハリ・マンディル)です。

インド アムリトサル 黄金寺院

「ターバンを巻いた髭もじゃのガタイのいい男」

インド人というと、そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

実はあれは、インド11億のうち、たった1600万人しかいない「シク教徒」の姿なのです。

シク教とは、16世紀にグル・ナーナクを開祖として始められた宗教。

ヒンドゥー教の輪廻転生を肯定し、イスラムのスーフィズムの影響を受け、偶像崇拝とカーストを否定した一神教です。

もともとは、ムガル帝国によって支配宗教となったイスラムと、土着のヒンドゥーの融合を図ろうとして生まれた宗教なのだという説もあります。

経典は「グル・グラント・サーヒブ」です。

総本山は、インド北西部パンジャーブ州「アムリトサル」(Amritsar:ਅੰਮ੍ਰਿਤਸਰ)にある「黄金寺院(ハリ・マンディル)」(Harmandir Sahib:ਹਰਿਮੰਦਰ ਸਾਹਿਬ Golden Temple)。

写真は、その黄金寺院です。

黄金寺院は異教徒にも解放されており、宿泊することもできます。

インド アムリトサル 黄金寺院

夕暮れの「黄金寺院」です。

約180メートル四方の純白の回廊と大理石のテラス。その内側には広大な池があり、池の中心に全面に金箔を貼り付けられた「黄金寺院」が建っています。

まるで、「インドの金閣寺」ですね。

シク教のグルドワーラー(シク教の寺院のことをこう呼ぶ)は、いつもそうなのですが、境内では、タブラ(インドの太鼓)とハルモニウム(アコーディオンのような音の出る鍵盤楽器)を伴奏に歌手が聖歌を一日中歌い続けています。

インド アムリトサル 黄金寺院

「黄金寺院」に入るには靴を脱ぎ、髪の毛を隠さねばなりません。

シク教にもいくつもの宗派があるそうですが、その主流であるともいえるのが「カールサー派」。

彼らには、髪の毛や髭など、体毛を切ったり剃ったりしてはいけないという決まりがあります。

そのため、やたらと長くなった髪の毛を纏める必要性から、あのようなターバンを巻くことになったのだそうです。

あのターバンの中には、長~い髪の毛がとぐろを巻いています(私はシク教徒がターバンを外している現場を見たことがあります)。

女性ももちろん髪の毛を切ってはいけないため、みなさんロングヘアーです。

けれども、最近では、そのような決め事に従わない「サヒジダリー」という人々が増えてきているようで、ターバンを巻いていないシク教徒にも、たまに出会いました。

他にもシク教には、タバコを吸ってはいけないという決まりもあります。

インド アムリトサル 黄金寺院

アーリア系の血が濃く、肉食をタブーとしないシク教徒には「ガタイ」のいい人が多いです。

そのせいか、彼らは古くから軍人のなり手として活躍してきました。

また、交通・運輸や貿易などに従事する者も多く、海外にもたくさんのシク教徒が進出しています。

シク教徒は、インドの人口比で言えば、かなりの高い確率で海外進出しているグループだと言えるのかもしれません。

そういったことが、ターバンを巻いたシク教徒が、海外におけるインド人一般のイメージとなったということの背景にあるのでしょう。

インド アムリトサル 黄金寺院

夜の「黄金寺院」です。

アムリトサルと、この黄金寺院は、悲劇の地としても知られています。

ひとつ目はイギリス支配時代の1919年。

逮捕令状なしの逮捕、裁判抜きの投獄を認める「ローラット法」の成立に反対したインド人たちが、抗議のために黄金寺院の脇にある広場に集結したときのこと。

イギリス軍は見せしめのために、非武装の彼らに対し発砲し、400人以上が死亡する惨事となったそうです。

ふたつ目は1984年。

シク教徒の反政府運動に手を焼いた、時の首相インディラ・ガンディーは、聖地ハリ・マンディルに軍隊を突入させます。

この時も数百人の死傷者が出たとされています。

しかし、その後、彼らの恨みを買ったインディラ・ガンディーは、シク教徒のボディーガードによって暗殺されてしまいました。

「黄金寺院」はまったりと、穏やかな空気に包まれていました。

タブラとハルモニウムを伴奏に、聖歌が延々と鳴り響いている境内。ここは24時間開放されており、いつ訪れても祈る人々の姿が見られます。

この寺院では、500年の昔から、訪れる全ての人(人種、性別、宗教、階級、貧富の差に関わらず)に対し無料で食事を提供するということが行われてきました。

その様子はドキュメンタリー映画「聖者たちの食卓」で見ることができます。

全ての人を受け入れる「黄金寺院」。

インドらしい、懐の深い寺院です。

※次の記事→白亜の殿堂「タージマハル」!シャージャハーンが建てた愛の証【インド・アグラ】

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